「できない」について考える〜ライフハックができない! ハッタツ民の方舟 第21回(随時更新)

録音

「できない人のためのライフハック」がそもそもできない
睡眠・風呂・トイレ・歯磨き・掃除・食事などの基本的生活に困難を抱えているが、24時間介護を受けるほどではない(受けられない)
他人のためならできる人もいる→ライフハックとしての婚活
ご褒美制でできるようになる→刺激に麻痺・依存の危険
習慣化でできるようになる→習慣を身につけるのが難しい人もいる
目標設定の問題→現実的に不可能な要求をされ続けて、「できない」経験が積み重なって(やればできるのに)「できない」と思い込んでしまう
特性として「できない(とても難しい)」としても、できるようにならないととても困ることがある
「できない」と「できる」の間に「できるけどひどく疲れる」がある

ギリギリにならないと動けない

健康や尊厳に関わる、本当のギリギリにならないと動けない
たとえばトイレに行く気力を出すのが難しくて、ギリギリまで我慢してしまうし、トイレからなかなか出られない(そこから動けない)
できれば(必要なら支援を受けながらでも)普通の生活がしたい
最低限の自分の尊厳を守る(食事、はみがき、トイレ、入浴の介護を受けない程度のことはやりたい)

「できる」と「できない」の間

「できる」「できない」をゼロ/100で考えるのではなく、段階を設けて考える
二種類の段階
・手をつけることもできない↔完璧にこなした
口もゆすげない(0%)→マウスウォッシュはできる→歯磨きタブレットはできる→ざっと歯磨きはできる→きちんと歯磨きができる→歯間ブラシやフロスまでできる(100%)
・週、あるいは月に一度もできない↔毎日あるいは毎週できた
記録を付けて達成感を可視化する
そもそも25%達成すれば合格とする(ハードルを下げる、25%法)
ハードルを下げることを受け入れることの心理的抵抗をどうするか

動き出しができない

マイナス回避でしか動けない(動き出しができない)が、それはとても苦しいので、安定して動けるようになりたい
散歩に行くよう医師から指導されているが玄関から出るのが難しい
歯磨きをやらなきゃいけないことはわかっているが「やらなきゃ」と言われることで折れてしまう
ギリギリアウト回避で生きているが、そこを「ギリギリでなくできる」に寄せていきたい
タスクに行く前段階でコケている(今居る場所を動けない)
グズグズタイムの発生をどうするか
スペースで応援してもらいながら生活をする
家族タイマー(家族に指示してもらう)
自己暗示「指を動かします」→「手を動かします」→「腕を動かします」→……「トイレに向かって歩き出します」

「できない」を改善するためのライフハック

・認知行動療法で白黒思考などを改善する/薬物で切り替えなどを改善する
※合う合わないがあるので注意
・エコノミートークン法
たとえば勉強/仕事机の引き出しにお菓子を入れておいて、デスクに座れたら一つ、PCの電源を入れたら一つとご褒美を自分にあげる
・白黒思考が強い人は25%に目的を下げる→成功体験が増えるのでスモールステップがやりやすくなる(25%法)
・記録をつけて、できたタスクには花まるをつけていく→長期的に自分の成長が見える
・徹底的な機械化
ドラム式乾燥機付き洗濯機、電動歯ブラシ、ルンバ、食洗機など
・家族や友人、ヘルパー等に頼る
全てを自分でやる必要はない

ライフハックができない!

出来る人の考えたライフハックはそもそもできない人にはできない
こだわり(マウスウォッシュは使いたくないとか)が邪魔をする

「できない」をどうやって受け入れるか

やりたいこととやるべきこととできることの重なる範囲を増やしていく
めんどくさいの中に色々ある(アレキシサイミア/アレキシソミアも関係?)
抵抗感の言語化は難しい?
安定していない「今はできない」を「やらない」と考えて二重に苦しくなる
「できない」よりも「できる」を数える
「この程度のことを『できる』にカウントされても…」という意識に苦しめられる
「やればできる」という言葉に傷つく
コストがかかる「できる」は人の手を借りる
同じ「できる」でも人によってかかるコストに大きな差がある
周りを見ないことは難しいけれど、出来るだけ自分に集中する
「できなくて大丈夫」で育ってきたか、「できないとダメ」で育ってきたかで大きな差が出る
ハードルの下げ方がわからない
「できない自分」ではなく横着・めんどくさがり・やっていない自分と感じてしまう
一般人にとってはやれて当然だと思っているので、できない自分をどう受け入れたらいいかわからない
ハードルを下げた行動をすることすら面倒くさい→やりにくい→できない

特性の把握と困難の言語化

自分の状態を言語化する
それは「めんどくさい」なのか「ささいな行動もできないほど疲れている/体調が悪い」なのか?
自分の状態の解像度を上げる
専門家(相談支援事業所になど)に相談して、自分の状態を言語化してもらう
アレキシサイミア(失感情症)/アレキシソミア(失体感症)に陥っていないか?

セルフネグレクトという言葉

今疲れ過ぎて動けないだけの人に「セルフネグレクト」という強い言葉を使わないで欲しい
休み休み自分のペースで前進させて欲しいし、生活が回っているなら前進していなくても否定しないで欲しい
灯台(たどり着くべき場所)は皆それぞれ

相談支援事業所

ささいなことでも相談してみる

自立生活の指標(ADL)

ライフハックとしての婚活

ハッタツ支援AI

「goblin.tools」

日本年金機構が医師向けに作成した、障害年金申請用診断書の書き方

アレキシサイミアとアレキシソミア


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