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エッセイのじかん

ここ何年か、エッセイを読むのが好きだ。

以前は小説ばっかり読んでいてそれ以外の本はほとんど読まなかったけれど、だんだんとビジネス書や自己啓発本のようなものも読むようになり、作家さんのエッセイも読むようになっていた。

小説ばかり読んでいた頃は、
「物語でない本って、何が楽しいんだろう?」
と思っていたけれど、
それぞれのジャンルにそれぞれの面白さ、良さがある。

色んな種類の本を揃えておくことで、その日の気分によって読むものを選ぶのも楽しい。
「今日は小説が良い」とか「ちょっと知識を入れたい気分」とか、日によって ”これは読むのにエネルギーいるけど、これなら読めそう” というのが違う。
自分のコンディションと相談して、その日に読むものを決めるのだ。

なかでも、エッセイはだいたいどんな日でも読める、ということに最近気づいた。

私が買うエッセイ本は(エッセイ本ってだいたいそうなのかもしれないけれど)、1~2ページにひとつのお話が入った短いもので、気合を入れなくても読める所が良い。
ぼーっと考え事をしているようなスキマ時間に、ちょこっと文字を頭の中に入れてみる。
作者の日常、ちょっとした事件、どれもこれもこの日々の中で起こっていて、読んでいると「あぁ、この人もなんでもないような日を生きている」と、同じ人間なのだというのが分かってなんとなくホッとする。

今日はとある作家さんのエッセイを読んでいて、小さい頃、通学路の途中に雨降りの日にかたつむりが大発生する道があったのを思い出した。
小さい小さいかたつむりの赤ちゃんが、雨に濡れていっせいに道に出てくる。
そんな子供のときの記憶があったなぁ、と読んでいて思い出して、こうやって自分の人生に重ねてみることができるのも魅力だな、と気付いた。

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