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営業で大切なこと

しつこく営業されて疲れたので、営業について考えてみた。

「10分程度直接お話するお時間いただけませんか? その場で契約を迫ったりはしません」
と何度も案内の女性に電話口で言われ、そんなに何度も言うくらいならお話は聞こうか、見積もりをもらって比較する必要があるし、と思ってしまったのが間違いだった。

もちろん、 ”10分で” 終わるとは思ってなかったし「10分と言いつつも30分くらいはかかるだろうな」と思っていたのだけれど。
”その場で契約を迫ったりしません” とは言うものの、多少値下げを提示されて「契約いただけませんか?」の交渉はあるだろうなと思っていたのだけれど。

まさか1時間以上も居座られて一方的な営業トークをされ、ごりごりにその場での契約を迫ってこられるとは思わなかった。

「あと〇円値下げしたら、この場で契約していただけますか?」
「ここでご契約いただけないと、もう二度と、この金額は提示出来ないですよ」
「もし検討する、ということであれば明後日再度お話しさせていただけませんか? その約束をとらないと上司に怒られるんです」
「私も好きでこれだけ長い時間いただいているわけじゃないんですよー」

営業マンの彼は契約を取ろうと必死なのだろうけれど、顧客のことよりも自分の利益損益しか考えていないのが言葉で態度で透けて見えて、一気に契約する気が失せてしまった。
その様子に若干恐怖すら感じたけれど、その営業マンが居座れば居座るほど「ここには絶対に頼まないわ」という気持ちが積みあがっていく。

結果、頑として首を縦に振らない私を見て諦めたのか、明後日の約束を取り付けて彼は帰っていった。
「明日、別の会社に見積もり取られるんですよね? 絶対にその場で決めないでくださいね! その見積もりもらった後、うちにまたご相談ください」
と最後に言い置いて。

翌日、案内の女性に丁重にお断りの電話を入れた。
その後、営業マンからも電話がかかってきて電話口でもさんざん食い下がられたけれど、そこでも丁重にお断りした。

私が断った理由に、彼がいつか気付くと良いなと思いつつ。

ただただ「買ってください!」というのは、買い手が商品を相当気に入っている場合でない限り通用しない。
さらに、ものを買うときには ”商品を気に入っているかどうか” というのに加えて ”誰から買うか” というのも重要になってくる。
同じようなスペックの商品が並んでいたときに、人は自分の好きな人からなら、より買いたいと思うものだろう。
むしろ、商品のお気に入り度合いは普通でも、販売している人が大好きだから買う、ということは結構起こる現象だと思う。

「自分のことを親身になって考えてくれる」
「自分の話を聞いてくれる」
「自分のペースを考えて提案してくれる」

など、 ”売る側の人間が買う側の自分のことを考えてくれている” という気持ちを相手に抱かせることが出来たなら、その営業は成功だと思う。

今回はその全く逆で、営業マンの彼が嫌な印象を与え続けたがために、私の中でその会社の印象まで悪くなって、たった一時間で「絶対にここには頼まないわ」という気持ちにまでなってしまった。

”売りたくて焦る気持ち” をぐっと飲みこんで、徹底的に相手の気持ちを考えることが、結果的に契約につながるのではないか。
そんなことを身をもって感じた一件だった。

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