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マタ友ゼロの孤独から少しだけ救われた話 #妊娠の記録

妊娠して以来、私には妊婦仲間がいなかった。
子持ちの友人は多いけれど、彼女たちは今は妊婦じゃない。出産や子育てのアドバイスをありがたく感じつつも、妊娠や出産がすでに思い出話になっている人たちと、現在進行形でそれを体験している私とではいる場所が違う。私は孤独なマタニティライフを送っていると、ずっと思ってきた。

そんな中、妊娠9か月目まで来た時に、びっくりするような偶然があった。

産休に入ってすぐに、平日開催のマタニティヨガのクラスを受講した。スタジオに入ると、先に来ていた生徒さんの横顔に見覚えが。あとで声をかけたら、やっぱり!両親学級で隣に座っていた方だった。「生協の宅配、良いですよ」と言っていたあの人だ。

あちらも「もしかしてあの時の…?」と思っていたらしい。まさか両親学級で一緒だった人が、同じヨガスタジオの生徒さんだなんて思ってもみなかった。あの時は最低限の会話しかしなかったので、改めて自己紹介をして、お互いのことなんかを話した。妊娠して以来、妊婦同士でざっくばらんに話したのはこれが初めて。仲間に会えた気がして、素直にうれしかった。

その翌週からはもう1人妊婦さんが参加されて、その方ともヨガという共通項のおかげですぐに打ち解けた。私はひと足先にマタニティクラスを卒業したけれど、LINEグループを作ったり、ベビーヨガのクラスで会う約束をしたりして、短い期間ながら心弾むような時間を過ごすことができた。

安定期からの数カ月間、妊娠前から通っているこのヨガスタジオには本当に助けられた。マタニティクラスの先生も、お子さんがいる周りの先生も、立場上だと思うけれど聞き役に徹してくださった。経験談をされると距離を感じるけれど、そうではなかったので、先生方と話す時間は、妊娠中の心の保養になった。

プラスして、通っている産院のヨガクラスがたまたまこのヨガスタジオとの共催になっていたおかげで、産院の助産師さん、同じ産院に通う妊婦さんと話す機会ができたのもありがたかった。私の産院は助産師さんと話す機会が母親学級の時くらいしかないので、その妊婦さんとも「来てよかったですね」なんて話をした。わが子を取り上げてくれるかもしれないその助産師さんは本当に頼りがいのある方で、そんなお人柄が知れたのもいい機会になった。

ただ「ヨガを学ぶ」ためだけに通っていたスタジオだったけれど、この場所を通じて出会った人たちのおかげで、わずかな期間とはいえ精神的に救われた部分がたくさんあった。しばらくは休会になるけれど、産後に再びこのスタジオに戻るのが今から楽しみだ。