インタラクションデザインの教科書を読んだ

マイクロインタラクションー神は細部に宿るを書いたDan safferさん著のインタラクションデザインの教科書を読んだ。それを章ごとに殴り書きでまとめていく

Chapter 1  インタラクションデザインとは何か

インタラクションデザインをどこの分野のものであるか定義するのは、むずかしいらしい。それは、いろんな分野の複合でできた一つのデザイン手法だかららしい。人間工学や工業デザイン、認知心理学など色々な分野がインタラクションデザインの一因になっていいる。
インタラクションは、振る舞いに関わるデザインで、観察しにくい。インタラクションは応用美術っていうてはるけど、なにいうてるかわからん。ようは、インタラクションを促進することがデザインの目的らしいけど、そのまんまやんけって思う。
でも、この人は、インタラクションデザインは必ずしもコンピューターとか物質的なものだけを対象としてしているわけではなく、有形無形かかわらずデザイン対象だよっていうてて融けるデザイン(2015年出版)で言うてたことに似てるなって思った。そりゃそうよなとか思うけど、2008年にこの本出版されたらしいけどそこから7年経って出版されても同じこと言うてるってことは、まだインタラクションデザインという分野の歴史が浅くて知られていないって言うことなんやろな。

インタラクションデザインとは、製品を通じて人間同士を繋ぐものであり、人間を製品そのものにつなぐものではない

って言うてはる。融けるデザインでも対象物に効果を与えるためにインターフェースがあって、対象物と人間をつなぐものがインタラクションだよって言うてた気がするから、似てるんかなって思う。
インタラクションデザインの歴史はマジで浅いらしい。この名前が出た年は1990年で、ビルモグリッジさんが命名したらしい。でも、その有史以前にも製品はあるわけやからそういうところからインタラクションデザインの片鱗は見えてたよねって言う話をつらつらかいとった。GUIができて、人々が自分達が入力したことがどう表現されるかを観れるようになって「認識」されるようになってインタラクションが意識され始めたらしい。もっと前から認識されるべきやけど、コンピューターっていう訳わからないものを理解しようとした時に露呈した考え方なんやろなと思う。いままでは、作るのも使うのも全て理解した状態でできてたから。
なんでインタラクションデザインなんかっていう話に繋がっていくんやけど、それはインタラクションに焦点当てていかないと人間は無駄なことを無駄と認識しなくなって時間を無駄にして生きていくからっていうふうなことを言うてた。勝手な解釈やけど。実際言うてたのは

世界を住みやすくするのである。

これに尽きると私も思う。そんなこんなで、改めてインタラクションデザインとは何かについて学んだ。つぎは、インタラクションデザイナーがどのように仕事をするのかっていう話だそう。

Chapter 2 出発点

インタラクションデザインは、結構UIデザイナーである私もかかわりある分野というかやってるところなんだなって肌感だけ感じたんやけど、実際やってることも似てるなって思った。仕事としてよくあるのは、「ユーザーは、登録ボタンがみつけにくい」とかっていう依頼があったりするんやけど、果たしてそうなんかとか考えたりするのはインタラクションデザインらしい。びっくり自分もやってるわって思った。でも、インタラクションデザイナーはもっと複雑で厄介な問題を解決することを主流に置いてるらしいよ。そりゃそうやろ、UXの大部分を占めるものやしな。
インタラクションデザイナーは、プロジェクトに入るときに、ステークホルダーと仕事していく。ひとりでは仕事にならない。なぜこのプロジェクトがひつようなのか、なぜこの課題が起きているのかなど全体を把握しておく必要があるのだ。UXデザイナーも多くのデザイナーがやっていることのように思えるけど、書いててUXデザイナーは体験について考えて、インタラクションはその体験を実際するときの方法を具体的に考えてくもんなんかなって思う。結構UIとUXで分けて考えてたけど、その間に入ってくるのがこのデザインな気がしてきた。
で、インタラクションデザインの4つのアプローチについて説明してくれてるんやけど、すっごい勉強になった。その4つのアプローチがこれ

・ユーザー中心デザイン
・アクティビティー中心デザイン
・システムデザイン
・才能に基づくデザイン

このアプローチを状況を見て使い分けて欲しいって著者は言うてる。
ユーザー中心デザインは、ペルソナと考えるけど結構人類学とか広い意味での民族とか文化的なところをみてサービスを考えたり大枠としての体験とか課題を考えるものなんやなって思った。
アクティビティー中心デザインは、よりそのユーザーの一連の動きに着目したもので、課題は細かく具体的になってくUI設計で重要な部分でもあるなと思った。ストーリーマップとかはこれに該当する手法なんかなって思う。でユーザージャーニーマップとかはユーザー中心デザインのところで行われるものなんかなって。
システムデザインは、解決策と環境とがどのようにインタラクションするのかを大きく構造的にみるもので、アプリケーションとかやと、遷移図とかでユーザーがあるゴールに行き着くためにはどのようにするればいいのかっていうのを図で示して、体系的に構造的に理解して設計していくアプローチ。結構UI設計とか情報設計の領域に近いと思う。
才能に基づくデザインは、ちょっと上3つの段階とは合うものではないんやけど、デザイナーの直感に頼るものらしい。グラフィックデザインとかはこう言うところあるけど、製品になったときに大失敗とかする可能性高いからあまりおすすめはしやんけど、リソースの問題でやらないといけなかったりするから、できるだけデスクリサーチでいろいろ事実ベースで設計できたらいいよねって思う。私もよくやりがちやし、多くの人が取りがちなアプローチやから気つけようと思う。
で、アプローチに話についてはなしたんやけど一流のデザイナーやったらすべてのアプローチ方法に精通しとけって言うてた。私もすこしは近づけてるかな〜わからんな〜

Chapter 3 インタラクションデザインの基礎

ここからは、インタラクションデザインについて深く理解していく章になっている。
まず、インタラクションデザインの基本要素は、

・動き
・空間
・時間
・外観
・感触
・音

概念的なものになる。それは当たり前で、ユーザー体験をどのように実現するのかを考えていくインタラクションデザインは、UXデザインと同じ視点で見ていかないと意味がないので抽象的なものがデザイン対象になる。全ての要素は人間が知覚している環境を基にしているので深く細かく説明してもあまり意味がない気がするが、音に関してはまだ自分の中で開拓がすすんでいないのでゲームデザインから色々と学ぼうと思っている。
次に、インタラクションデザインの法則についての説明がある。ムーアの法則、フィッツの法則、ヒックの法則など、法則がより概念的な部分に関するものから事物的なものまで紹介されていたので改めて、カバーする範囲の広さを感じたし、広いだけでなく深いといった感覚も得られた。
良いインタラクションデザインとは何かに関しては、プロダクトやサービスの質にも関わってくるところなので、多くの人は感覚的にも感じているところではないでしょうか。筆者は、7つの要素を紹介している

・信頼性
ユーザーが時間をかけて調べ、学習し、理解し、機能をもっと使ったとしても悪いことは起こらないと思えるもののこと
・妥当性
文化、状況、人の生活する環境にふさわしいものであるかということ
・賢明さ
ユーザーよりも賢いものであること。例)フォーム入力の名前入力にて、漢字を入力すると、カナも入力されるetc.
・敏速さ
応答の速さのこと。なにか機能を使ってそのフィードバックが遅いとユーザーはうんざりしてしまう。長くなる場合は何か、待つのが嫌にならない方法や今何をやっているのか状況を伝えるべきである。
・巧妙さ
賢明さに似ているが、ユーザーのニーズを予測して気持ちよく叶えてあげるとユーザーは嬉しく感じる。
・遊び
遊び心のことであるが、楽しいとかではなく、自分の行動を試せるかどうかということである。一生懸命に製品をいじり倒してもらうことがユーザーの学習につながる。
・心地よさ
美しさには、見た目と機能性の二つがある。どちらも重要である。美しいものが犯す間違えには人は寛容になる。

以上が、インタラクションデザインの基礎的なところだ。個人的には、知ってることの方が多かったが、新しい視点から見るデザインは別物に見えた気がする。
Chapter 4,5,6はUXリサーチの手法やインターフェースデザインの基礎の話で既知のことばかりなので割愛する。

Chapter 7 賢明なアプリケーションと巧妙な機器

この章では、chapter 3で紹介したいいインタラクションデザインの要素である賢明さと巧妙さについての深掘りでした。世界がコンピューターを使うようになって複雑になっている。人間もその複雑さに対応していかなければならないし、製品もその複雑さに対応したものにならなければならなくなっている中で、私たちはマルチタスクのためのデザインを考えないとあかんくなったんよね。ユーザーはさまざまな、機器を使うし、常にいろんな情報と関わっていくようになっているから、それらをうまく利用して、「やらないとあかんけど、めんどくさいこと」などを減らしていくような思考で製品を作っていかないとあかんくなった。人間でマルチタスクするやつおるけど、量は減るかもやけど質も減る可能性があって限界がある。だけど、コンピューターにはその限界はないから、人間にはシングルタスクで集中してもらう方がいいらしい。
マルチタスクで大事なのはユーザーが自分一人でできないことや、面倒なことを手伝うべきで、それ以外は害になってしまうという。当たり前やけど、自分で選びたいのに勝手に選ばれたら嫌やったりしますよね。チャップリンの映画で自動でご飯を食べさせてくれる機械をつかった面白い話があるんやけどまさにそれやと思った。食べる行為に関して何を食べたいとかいつ食べたいとかって人それぞれやし自分でコントロールできるのであればそっちの方が手っ取り早いもん。
つぎに、一体感を生むデザインについて話してる。ユーザーが愛着や一体感を感じるため人はツールが順応することが重要なんやけど、方法は「カスタマイズ/パーソナライズ」「順応」「ハッキング」の三つらしい。それぞれ愛着が湧くと言うのはわかるんやけど、ハッキングを可能にする製品を作るにはどうしたらいいかみたいな話が展開されてて「は?」ってなったよね。「ハッキングされていいの?」と思ったったけど、ハッキングのなのクラッキングという行為に関して強い印象持ってたから、解釈が追いつかなかったんやけど、日常的に自分は何かしらハックしてることに気づいた。例えば机はものを置くように作られてるけど、人が座ったりもできるし、よく机の上でセックスするものとか持ったりするなと考えると、製品の汎用性、こう言う使い方もできるよねって言うのをある一定の範囲で構築することが重要なんやと筆者は言ってるんやと思う。インスタグラムは、いろんな情報が転がってると言う点で、情報収集という使い方もできるし、ショートムービーで時間を潰すと言う使い方もできるし、フォロワーに向けて投稿するていうある一定の範囲内で汎用性を持たせてるものだといえるなと思った。Twitterも情報収集、自分発信、仕事探しでも使えるし、SNS自体汎用的やから色々使えるやろなと思うけど、LINEとかtwitterは全然性質が違うからそう言う点で範囲が決まったりしてるんやろなって。そのためにいろんなタイプのペルソナを作ってたりするんかなって書きながら考察がすすんでいる。
とまぁ、賢くありながらもユーザーの使用用途に柔軟性を持たせることが大事だよって言う章でした。

Chapter 8 サービスのデザイン

これ読み進めててはって思わされたんやけど、今勤めている会社にサービスデザイナーっていう人がいるんやけどここの人たちがやってることなんやって思って、インタラクションデザインってUXの五段階における全てカバーしてるんやけど、カバー範囲広い分役割分担した方がいいよね感はあったんやと思ってて、要するにUXの五段階においてインタラクションデザインの戦略的なところはサービスデザイナーがになってるってこと。あれ、結構プロダクトのデザインに関して焦点当てて、戦略とか要件定義あたりの段階めちゃくちゃ端折ってるきがするんよね、やから、インタラクションデザインの場合は何段階にもなるし、そのうちサービスデザインとプロダクトデザインの役割的なところを可視化させた方が、サービス開発におけるデザイナーの体系的な関係図的なのがプロセスベースでわかるんちゃうかなって思う。
また、サービスデザインをするにあたってブランドとの関係も考えていかないといけなかったりする。接客における喋り方や、従業員の見た目、空間の雰囲気など、そのサービス、会社らしさをしっかり考慮したものを作っていくと一貫性が出て、安心感が増す。
サービスデザインにおいて、プロセスマップという手法がこの本で紹介されてるんやけど、ジャーニーマップ的な感じやった。as-isとto-be作るのは現在の状況と理想的なところを視覚化してサービスを使うとユーザーの行動はどう変わるのかや、その体験を作り出すためには何をしないといけないのかを網羅的に理解できる。
この章では、サービスのデザインについて個人的には、インタラクションデザインの理解がより深まった章だったと思う。今自分達がやっていることを客観的により細かく見ることは、そのデザインの重要性や状況を理解する一つのヒントになると感じている。ただデザインという密結合的理解だと、それ以降の論理の展開をできないが、細かくデザイン、サービス、開発の段階や、デザインの役割など様々な視点から見ることで、論理の幅は広がるしあらゆる事象の本質につながる気がしている。すっごいよかったです。
chapter 9は今後の世界についての話で、この本は10年以上前のやつやからそんなに読んでない。

まとめ

インタラクションデザインをここまで体系的に説明してくれている本は、日本ではそんなにないし、「融けるデザイン」もインタラクションデザインについての本やけど、そこに焦点を当ててるわけではなく設計思想の本なので、うっすらこういうものだよねっていう感覚になれるだけやった。
だからすごい助かった。このノリで前読んだマイクロインタラクションを読み返してみようかな。
インタラクションデザインはすごい抽象的なものやけど、僕はインタラクションデザイナーとしてビジネスの戦略部分から関わっていく人になっていきたいなぁと思う。エンジニアもやりたいんやけど。

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