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歴史は自分を謙虚にする

シギリヤから車で約1時間のところに、世界遺産のポロンナルワ遺跡群がある。

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ここは中世(1017〜1255年)、スリランカの首都であった。

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9世紀から13世紀にかけて、南インドを支配したからタミル系のチョーラ王朝がスリランカの大半を支配したことを受けて、スリランカ(シンハラ王朝)は1017年に首都をアヌラーダプラからポロンナルワに移した。

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交易と農業が黄金期を迎えたと聞くが、その象徴ともいえよう。

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ポロンナルワ遺跡のエントランスを抜けると、巨大な貯水池が見えてくる。

貯水池には王朝発展に尽力をした、パラークラマ・バーフ1世(Parakrama Bahu I) の名前「パラークラマ海」とついており、史料によれば「灌漑設備の充実に努め、国の東部地域で乾季でも農耕可能」にするなど、自給自足の暮らしを行えるようにした立役者だったそう。

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しかし、その後は王位に就いた王族の多くは保身に注力し南インドの王侯貴族との親交を深め、結果的には、南インドのカリンガ王朝のマーガによる1214年の侵攻に端を発し、パーンディヤ朝に権力を委譲することになった。

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そして、1255年。シンハラ王朝はポロンナルワを放棄した。約1000年前の建物が、風や雨にさらされながらも未だに残っているのは奇跡に近い。

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悠久の時を隔てて「今」に繋がる時間軸を思えば、自分の生きている時間の短さを感じる。遺跡を巡る歩みを止めて、物思いにふける。

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昔の人が生涯をかけて取り組んだこと。

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守ってきた歴史。

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豊かにしてきた生活。

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大事にしてきた土着の文化。

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全てが壮大なプロジェクトだ。

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一人一人は、社会の「歯車」のうちの一つだったかもしれない。

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その一つの「歯車」は、果てしなく未来に続いてきた「一当事者」のはずだ。千数百年前から連綿と続く世界(物語のようなもの)をポロンナルワで感じ取ることができた。

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色々と考えながら、僕はポロンナルワを後にした。


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