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さあ、イタリアを楽しもう!サッカパウ!!with TASSY イベントレポート 前編

まるで美術館でアート作品を味わうように、料理とワインのペアリングをコースで楽しむ。西麻布のクリエイティブイタリアン、サッカパウ。しかしこの日だけは美術館というよりも、さながらクラブ!スタンディングのブッフェスタイルで盛り上がる、そのライブ感あるパーティーシーンをたっぷり写真でお見せしながら、前編はシェフ田淵と、ゲストソムリエとして来ていただいた田代啓さんのインタビューをお届けしましょう。

この日のテーマは、イタリアの伝統料理。

「伝統料理と言っても、クラシックというわけでもなくて」

と解説してくれる田淵シェフ。「いわゆるイタリアで昔からある、ストリートフードですよね。日本でいうおでんとかたこ焼きのような、カジュアルさもあるような」

かといって、まんまジャンクなスナックでもなく「本当に昔ながらの料理ですよね、だからたこ焼きよりたぶん歴史はもっと長いと思いますし、イタリアにはそういった感じの伝統的なストーリーを持つストリートフードがすごく多くて。

しかもそれが完全に、イタリア全土の土地土地に根付いている。まぁ、普段はあまりレストランではお目にかかれないような料理だと思いますけど、今回はこれらをサッカパウらしくアレンジして出そうと思ってます」

ということで。たとえばイタリアのストリートフードの代表といえば、ピザ(ですよね)。

ただし少し異なるのは、いわゆるローマ風の薄い生地ではなく、フォカッチャのようなもちもち&ふわふわの生地。ちょい塩っけがあるところもおいしいポイント。

具はトマトとバジル、モッツァレラチーズの定番のマルゲリータと、チーズにアンチョビをのせたものの2種類。どちらも間違いないやつです。


それらが食べやすい大きさに切られ、新聞が敷かれた上に並べられます。「向こうのストリートフードは、よく新聞にくるまれてサーブされるので」そこからインスピレーションを得た演出とのこと。

しかも!この新聞、イベントのためにつくられたオリジナルとか。げ、芸が細かすぎる……。

さらに「オッソブッコ」と呼ばれる仔牛の煮込み。

こちらにはサフランを使ったリゾットを添えていただくのが、北イタリアのミラノのスタイルだとか。

そして、サッカパウのストリートフードと言えば?ふだんのコースでもたびたび供される隠れたシグネチャー、ミニハンバーガーがオンステージ!

しかも今回は牛肉ではなくラム肉のパテを使用。また立てられた旗をよくみると……。

かわいいラムのアイコンとともに「LAMBASSADOR」という文字が!

これはラムとアンバサダーを掛け合わせた造語で、ラム肉の魅力を発信する食のプロ集団のこと。実は田淵シェフもメンバーの一員として活動しているのです。ってことで、こっそりアピール。

その他、肉やパスタ、サラダなど。どんどんフードブースがにぎやかになってきたところで、ワインブースも見てみましょう。

おおおおー!

ズラーリ、と並んだワインの数々。1、2、3、4…15種類以上もあるこれらはもちろん、すべて自然派。「今回はイタリア、中でもクラシックよりのものを用意しています。力強くて本当にしっかりした料理が多いので、そこに合わせて」

しかもすべてフリーフローで提供するというのですから、太っ腹すぎませんか?ねぇ。

そして、このワインのセレクションを引き受けてくれたのが、大阪からのスペシャルゲストソムリエ、Tassyこと田代啓さん。

生産国やスタイルに捉われることなく、上質なワインをセレクトするペアリングには定評があり、現在はミシュラン一つ星のアジアンフュージョン・Chi-Fuを含むグループのディレクター兼ヘッドソムリエとして活動。またワインディレクターとしても、国内外のレストランのワインリスト作成・ペアリング考案を手掛けています。

「今回なんかね、すごい僕のことを前にポンと出してくれてますけど、本当はめっちゃダメなポジションだと思ってるんです」

と、のっけから恐縮モードに入る田代さん。

「主役はあくまで消費者であり、生産者であり、料理でありっていうのがベース。僕らは黒子として、いかにそれらが円滑に、ストレスがかからないようにサービスするかだと思っているので」

とは言うものの、常に第一線でこの世界を切り拓いてきた人。いろいろ教えを乞いたくなるのは心情ってもの。ということで、質問。昨今のナチュラルワインブーム、どう思っていますか?

「僕が業界に入って20年ちょっと前ぐらいですかね。ナチュラルワインはあんまり好きじゃなくて。やっぱり美味しくない、健全じゃないものがものが多かったんですよね。ところが最近、劇的に味わいが向上してきてまして。今でこそ当たり前にこう若い人たちも飲んでますけど、やっぱり上の世代の人たちからずっと頑張ってきたわけです。特に生産者に関しては、クリアでおいしいワインをちゃんと作ってくれるようになりましたし、僕たちソムリエで言うと、管理のほうですよね。温度やサーブの仕方、関わる人間がみんなちょっとずつ努力をしてきた」

そうした過去があるからこそ、今につながっていると。

「すごくいいことだと思いますよ。それは自分たちの手柄というより、本当にいろんな人がちょっとずつ、できることを頑張り続けた結果。とくに日本は、世界的に見てマーケットとして恵まれていて、何でも望めば手に入る国なのでね。もっと感謝して、なんてふうに思わないですけど、当たり前じゃないっていうのは理解しながら飲んでもらえるとうれしいですね」

ということで、今日はイベントのために、秘蔵のスペシャル・エディションワインを持参、こちらはキャッシュオンで飲めるとのこと。こんな恵まれた状況、やっぱりもっと感謝しなきゃ!ですね。

そうして準備も整ったところで、ぞくぞくと人が集まり始めてきています。


まずはスパークリングで乾杯!

フードブースにも人が集まり、「おいしそう!」という声がどんどん響きわたるなか

キッチンを見ると、まだまだ全力稼働中。サラダ、ハムなどの前菜から、ローストポーク、サルシッチャなどのがっつり系のお肉まで、新しい料理がどんどんふるまわれます。

そしていつもはスタッフしか入れないキッチンエリアも、今日はエニウェア・ウェルカム!ゲストどうしがカウンターをはさんで歓談するスタンディングスタイルが、自然にできあがります。いつものようすを知っている人にとっては、なかなか新鮮な光景です。

用意していたワインもみるみるうちになくなっていきます。主催者側がひやひやするほど、とにかくみんなピッチが早い!

でもそれはきっと、楽しんでいる証拠ってことですね(ハウメニーいい顔!)。

(後編につづく)

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