スクリーンショット_2019-11-11_0

ロゴとは何か。

ロゴとブランディング。

一般にロゴとは企業や店舗、ブランドの「旗印」となるものを指します。日本では昔から家紋がその役割を担っており、それをあしらえることで敵・見方の分別をつけたり、掲揚することで士気を高める効果がありました。

一方ブランディングとは元々は「burned」という語源で、家畜に自分の焼印を押して他人のものと区別をつける、という意味がありました。つまりブランディングとは「他社のサービスと区別をしてもらうためにはたらきかける」ということです。

もっと簡潔に言えばブランディングとは「一貫性」です。

例えばロゴや名刺、施設、webサイトなど全てのツールに赤色を使い続ければ一貫性が出てきます。もしくは「優しい雰囲気」で統一を図っても一貫性が出てきます(接客・思想等も含め)。すると抽象的な概念のブランドイメージが「個人」としての人格を持ったように見え、その人格で消費者は判断できるようになります。

スクリーンショット 2019-11-10 22.06.30


ロゴはブランドの検針器。

上記のブランディングをしっかりと醸造するためにロゴはあります。「企業≒サービス≒ブランドはこう在りたい、こう見られたい」という思いや理想をロゴとしてグラフィックで体現します。

そして体現したロゴを旗印として、今度はそのロゴの持つイメージにきちんと沿ったツールを展開していく。これがブランディングの始まりです。

もちろんツールだけではなく接客方法や部下への教育方針、顧客体験までロゴのイメージを壊していないか一つ一つ検証して構築していかなければいけません。逆に言えばロゴに沿っていればブランディングとしては問題ないということです。

つまりロゴは、ブランディングする上で「in」か「out」かの検針器の役割を担っている重要なものと言えます。

スクリーンショット 2019-11-10 22.09.05


キーカラーの選定。

一方で対外的な効果も忘れてはいけません。例えばSNSのアイコンやweb広告、看板などロゴがいきなり消費者に視認される場面は多々あります。その時は、ロゴ単体でのクオリティでブランド価値を判断される可能性があります。

するとシンプルに「オシャレ」「可愛い」「誠実そう」「高クオリティ」等という印象一つで次のアクション(クリックする、足を運ぶ、調べるetc...)へ導ける可能性が出てきます。(そのためにも最初のブランド設計が大切、という結局ロゴとブランディングは切っても切れない関係です)

また、ロゴに使う「カラー」も重要な要素です。色は視覚情報の80%を占めていると言われています。例えば「青いコンビニ」と言えば多くの人がローソンをイメージするのではないでしょうか。または「赤と黄色の・・・」と言えばマクドナルドだったり、逆に「ツイッター」と言えば水色を連想したり。

組織をどんな人格にしたいかで扱う色は変わりますし、ターゲット層も考慮する必要があります。

「〇〇と言えば△色。」
そんな認識をもたれるようにキーカラーの選定〜ロゴの制作〜ブランディングを行う必要があります。

スクリーンショット 2019-11-10 22.10.55


客観的視点≠消費者的視点

自社のサービス・コンテンツにどんなに自信があっても、もしくは客観的数値が良くても=消費者からも良いと思われる、とは限りません。消費者はその道の専門家ではありませんし、各々の主観的個人です。良いコンテンツを「良いものだ」と認識させるには「なんだか良さげ」だと匂わせる必要があります。

つまりブランディングとは客観的視点と消費者的視点を結び付けるための施策です。

また、ブランディングはロゴを刷新するだけではほぼ意味がありません。ツールを2つ3つ変えるだけでもほぼ意味がありません。大きなものから細かいツールまで、全てのコミュニケーションを統一すること、そしてその蓄積で消費者はブランドの魅力を認識し始めます。

スクリーンショット 2019-11-10 22.12.33


ロゴ〜ブランディング例① 「スターバックスコーヒー」

スターバックスのロゴはセイレーンという人魚がモチーフになっており、このロゴを旗印としてブランディングを展開しています。スターバックスには「おしゃれ・高級感・温かみ」というイメージがあり、人格化するならまさにそこで働くスタッフで例えられるのではないでしょうか。
CMなどの大々的な広告も打っておらず、あくまでも「店舗での顧客体験が最上の広告である」という理念です。「スタバはオシャレ」と認識されれば消費者心理としては商品を持ち歩きたくなり、持ち歩くことで商品に印字されたロゴがまた広告となる、という好循環が生まれています。

スクリーンショット 2019-11-11 0.09.16


ロゴ〜ブランディング例② 「無印良品」

無印良品は創業以来「自然と。無名で。シンプルに。地球大。」という企業理念を打ち立て続けています。公式HPに「ブランドではありません」と記されている通り、強い主張をしないパッケージ・商品・接客を努めています。そうしてブランド感を出来る限り削ぎ落とすことで実質ブランディングをしています。えんじ色がキーカラーで、ロゴはもちろんパッケージにさり気なく配色したり、店舗やアプリ、webサイトでも用いることで消費者の「無意識」に刷り込んでいます。

スクリーンショット 2019-11-11 0.14.23


結論。
ロゴはブランディングの起点であり、
ロゴとブランディングは一体であり、
ロゴ単体で機能するものではありません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?