見出し画像

Design Scramble Cast #10 me and you

Design Scramble Cast」は、デザインプロジェクト『Design Scramble』が運営する、参加型の音声番組です。
毎回様々な分野の第一線でご活躍されているクリエイターさんと、そのクリエイターさんと「お話がしたい」と応募してくださった若手クリエイターさんをお迎えして対談の様子をお送りしています。
こちらのマガジンでは、対談いただいた内容を一部抜選してご紹介します。全ての内容を知りたい方は、音声番組「Design Scramble Cast」をぜひご視聴ください。

今回ご出演いただいたのは、me and you, inc.のお二人、竹中万季さんと野村由芽さん、そしてこの夏にイギリスの大学を卒業し、ライティングに携わっている鎌上真帆さんです。

me and you
me and youは、個人と個人の対話を出発点に、遠くの誰かにまで想像や語りを広げていくための活動を行う拠点として、2021年4月に竹中万季と野村由芽が立ち上げた会社。日々の心の動きや問いや違和感を肯定し、小さくても自分の温度や速度のまま語りはじめ、その声を聞きはじめてみる。個人の小さな声や温度を大切にしたまま、社会に存在する課題に向き合うこと。ものごとの「あわい」や「振幅」に目を配り、一つの選択肢で塗りつぶさないこと。心強い仲間とのつながりと、当たり前とされているものを問い直す編集視点を軸に、学びを心がけ変化を受け入れながら活動していきます。性にまつわることを自分の温度で話しはじめてみる音声番組「わたしたちのスリープオーバー」をSPINEARおよびJ-WAVEで毎週金曜日に配信中。
WEB / わたしたちのスリープオーバー

応募のきっかけ

鎌上:鎌上と申します。夏に大学を卒業して、今はギャップイヤー中です。広告代理店でインターンしながら、少しだけフリーのライターとしてお仕事をしています。もともとお二人が運営されていたShe isがとても好きで、厚かましいかもしれませんが、いつかShe isに寄稿するのがずっと夢で目標でした。今はme and youのニュースレターを毎回とても楽しみにしています。憧れるような文章を書かれているお二人が、どんなことを考えながら編集やライティングのお仕事をされているのか是非お伺いしたいです。よろしくお願いいたします。

竹中:竹中万季と申します。「She is」という、自分らしく生きる女性を祝福するライフ&カルチャーコミュニティを、由芽さんと一緒に今年の3月末まで運営していて、それからはme and youという会社を立ち上げました。今日は楽しみにしております。よろしくお願いいたします。

野村:野村由芽です。よろしくお願いいたします。万季ちゃんと同様に、もともと「She is」をやっていて、4月からはme and youという会社を運営しています。She isで出会ったものを大切にしながら、次のことを考えて広げている最中です。今回はお声がけいただいて本当に嬉しくて、楽しみにしています。


予期しなかった出会いを繋ぐのが編集のおもしろさ

鎌上:文章を書くときに色々な書き方があると思うのですが、編集やフリーのライティングなど、書くときにお二人はどんなことを考えて書かれていますか?

野村:二人とも、点在して見えるものを繋いでいくことに昔から興味がありました。世の中を見る視点として「これとこれが結ばれることがあるんだ!」という衝撃を受けやすかったり、おもしろいと思うことが多かったり。編集に携わる動機として「何かと何かが出会ったら、どんなことが起こるんだろう」ということを考えたいし、それを見たいからというのはひとつ大きくある気がします。なので編集とライティングは個人的に違うと思っています。

竹中:私はインターネットがもともと好きだったんです。出会わなかった人との出会いがありますよね。情報に関してもどこでどう知るかって重要で「こういう人にこうやって教えてもらったから、今自分の大切なものになっている」ものが、個人の経験でもたくさんあります。そうやって、出会い方について考えるのが好きなんだと思いますね。なので編集は「どこで誰に、どうやって届いていくんだろう」という設計図を描いていくのがおもしろさだと思っています。編集という言葉は人によって違うので、ひとつには定義できないとは思うんですけど、でもこれが自分にとっての編集かなと思います。


日々の断片を自分を通して残していく

鎌上:お二人のニュースレターのような、縛りがなくて何でも書けてしまえるような場所のときに気にしている、ライティングのマイルールなどがあれば教えていただきたいです。

竹中:ルールはないんですけど、日々感じたことやいいなと思ったことを、その場で書き留めるようにしています。まだ文章にはなっていないので、その時々が断片のようになっているんですよね。me and youの日記文通はそれらを思い出して、もう一度考えながら文章にしていく方法で書くことが多いです。はじめにいくつか書きたいことを整理して、それを繋げていくんです。そのあと、必要ないと思った部分を削除していきます。由芽さんはどうですか?

野村:あまりこういう話を二人でしないので、おもしろいですね。文章によるんですけど、日記文通に関しては書きながら考えます。どこに着地するかはわからないし、一回書いたあとにやっぱり変えることもあります。さっき万季ちゃんが断片的に日々を書き留めている話をしていたけど、普段から私もメモは多いです。前はSNSによく書いていたけど、そこに書くと失われてしまうと思うもの、でも日々のずれてておもしろいと思ったことのリストがあったり。ルールでいくと「自分のために書くこと」と、「通り道である」こと。これは最近忘れがちだったけど、再確認しました。自分のために文章を書くんだけど、自分を伝えるために書くものではないと。世の中にあるものを自分が通り道になって、存在を残していくということを忘れないようにしたいと、個人的な文章のルールとして思っています。

鎌上:私もよくメモを取るタイプなんですけど、お二人のメモも覗き見してみたいと思いました。

竹中:私は「どうメモを取るか」を結構模索しているんですけど、今月は「引き出し日記」というアプリがとてもしっくりきています。動作が早くて、それに書き始めるとツイッターに書きたいことがなくなってきました。それはそれで寂しいんですけど(笑)。由芽さんはデフォルトのメモアプリを使っていますよね?

野村:私はずっと、iPhoneのメモに書いています。何千ものメモがバラバラになっているんですけど、でもバラバラなままでおかゆを醸成している感じ。そこからときどき人参が浮かび上がってきたり(笑)。ぐちゃぐちゃです。

鎌上:お二人で違う書き方やメモの取り方をお伺いしましたが、その違いが合わさって、毎回のニュースレターになっているのが素敵だなと思いました。


嘘のない言葉に惹かれる

鎌上:個人的にお二人の言葉の使い方や語彙がとても好きです。柔らかい言葉を使われている印象があるのですが、そこにちゃんとメッセージや力があることを感じます。「どうしたらこんな言葉がでてくるんだろう...!」と思ったり。お二人はよくニュースレターでも、本や映画、詩のお話しをされていると思うのですが、そこから来ているのかなと思っていました。最近気になるものもあれば、教えていただきたいです。

野村:私はやっぱり、語彙が好きですね。色んな言葉があることを、おもしろいと思っています。最初にしていた組み合わせの話にも繋がりますが、俳句や詩には二物衝撃と言われるものがありますよね。あれとこれが組み合わさることで、ワンダーが生まれること。そういう言葉によって自分の感覚や視野が広がることを、おもしろいと思っています。思考が連鎖して繋がっていくための装置として、言葉が機能すれば良いですよね。なのでどちらかというと「書きながら見えてくるものが見たい」というふうに文章を書くのが個人的には好きなんだと思います。本や映画のおすすめは、ちょっと考えてみます(笑)。

竹中:自分が文章を書くときは、嘘のないものをと思っています。たくさんの文章のなかでも、嘘のなさやある種の正直さを持つものに惹かれることが多いので。自分もそうありたいというポリシーは、語彙という意味で意識している部分だと思います。なので形容詞や比喩っていくらでもつけられるけど、それが本当に伝えたい内容であるかは考えますね。おすすめの本や映画などは、私も考えてみます。でもいつも作品を読んだり観たりしたあと、感想を全部Notionに書くようにしています。良いと思った部分を書き写してまとめていくなかで、新しい表現に気がついたり、それらを俯瞰してみたときに自分が惹かれるものの傾向が見えてくると思います。今はニュースレターでそれを交換しているので、もっと深まって良いなと思っています。

鎌上:ありがとうございます。すでにニュースレターで話されているお二人のおすすめの作品も、いくつかメモして残してあるので、読んだり観たりしたときには私も感想を書き出してみようと思います。憧れのお二人とお話しさせていただいて、これから自分でどんな文章を書きたいのか考えるきっかけになりましたし、ポジティブに頑張ろうと思える、モチベーションになるような時間でした。いつかお二人とお仕事できるように頑張ります。ありがとうございました!

画像1

竹中さん、野村さん、そして鎌上さん、ありがとうございました!
お話の全編はぜひ「Design Scramble Cast」をご視聴ください。

📮 Design Scramble Castへの参加者を募集しています

Design Scramble Cast」では毎月1つ、対談を配信予定です。
また、憧れのクリエイターさんと「お話ししてみたい」「相談してみたいことがある」という若手クリエイターの方も募集しています!
参加希望の方は、Googleフォームからぜひエントリーしてください。

それではまた、お会いしましょう👋🌾

Design Scramble Cast 公式サイト:https://designscramblecast.jp/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?