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人間の親の役割

今月は家族について考えています。前回からの続きです。

▼ 人間の親の役割

14歳という存在に向けて、著者池田さんは「親の役割っていったい何だろう?」と問いかけます。これも、親の立場から考えるのと、子どもの立場から考えるのとではちょっと答えが違うかもしれません。さらにこう続きます。

動物の親にはない人間の親としての役割があるとすれば、それこそが他でもない、人生の真実を教えるということのはずだ。

『14歳からの哲学』

どうだろう、君のお父さんお母さんは、人生の真実を君に教えてくれているだろうか。君にはそのことがわかるだろうか。
むろん、わからないよね。だって、君自信がまだ人生の真実とは何かを考えたことがないんだもの。でも、だとしたら、同じように人生の真実とは何かを考えたことがないかもしれない君の親が、君に教える「人生の真実」は、ひょっとしたら真実ではない、間違ったことかもしれなということになる。さあどうしよう。
大丈夫さ、だって、君は自分で考えることができるんだもの。

『14歳からの哲学』

これが唯一の正解だとは思いません。「人生の真実」があるのか、ないのか?そんなことも思います。

親の役割=人生の真実を教えること、が本当に正解なのかどうかということはちょっと置いておいて、ちょっと思考実験として、その考えに乗っかってみたいのです。

親の役割=人生の真実を教えること、だとしたら…?

私の親は人生の真実なんて教えてくれなかった、と思えば、親も一人の迷える人間だと思うかもしれない。「親も間違うことがあるんだな。親も『人生の真実』を知らないんだな」と諦めのような感覚を覚えるかもしれない。

それは健全な感覚であり、それが自立の一つだと思います。

そして、親の立場で、子どもに「人生の真実ってなに?」とストレートに聞かれたら、なんと答えるだろう…。そして、これまで自分の言うことをそのまま鵜呑みにしていた子どもが
「この人は正しそうな答えを知っているのだろうか?」
「あぁこの人も間違うことがあるんだな、今回はどうなのだろう?」
なんて視点で自分を見てきていると感じたら、「下手なことができないな」とドギマギしてしまう気がします。

さらに、自分自身がどう生きているのか、ということを省みることが大事だと思うのです。

私は、子どもをコントロールしようとする大人に反感を覚えます。広く言えば、他人をコントロールしようとする人間、ということですが、大人に対してはコントロールしようとする姿勢を自制する人も、なぜか、子どもに対しては、自制が利かない人がいます。

体の小さい存在が、こちらが強く言えばいいなりにできることをいいことに、自分がさも正しいことを知っていて、自分の選択がさも正しいかのように振る舞い、子どもたちをコントロールしていく。

そんなあなたは、本当に『人生の真実』を知っているの…?子どもたちは冷静に、そんなふうに大人を見ているのかもしれません。

改めて、動物の親にはない人間の親としての役割とは何なのでしょうか?きっと答えはたくさんあると思います。

あなたはどう思われますか?

(文責:森本)


▼ 追伸

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