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公務員家を買う⑬(住宅ローンを選ぶ)

前回、住宅を建てるための資金繰りを検討し、いくら住宅ローンを借りるか、目安を確認しました。今回は、住宅ローンをどのような金融機関から借りて、どのタイプの金利を選ぶか考えたいと思います。
結論から言えば、レアケースで参考にはならないかもしれません。こういう人もいるのかー程度で、ご笑覧いただければと思います。

1 金利を考える

住宅ローンを借りる上で、まず気になるのは金利です。金利は、借入額に対する利息の割合です。金利が低ければ低いほど、返すお金の総額も少なくなります。

例えば、1200万円を金利1%の住宅ローンで10年借りた場合、毎月の返済額は10.5万円となり、総返済額は1261万円となるので、61万円が利息となります。しかし、金利0.5%と半分になれば、総返済額は1230万円となり、利息は半分以下になります。

金利は3つのタイプがあります。変動型、固定型、期間固定型です。変動型は、その名の通り、半年ごとに金利が見直され、5年ごとに返済額が見直されます。他のタイプに比べて、金融機関は低い金利で融資してくれますが、金利上昇のリスクを自分で負わなければいけません。

固定金利は変動金利の逆のメリットがあります。金利が最初から決まって、返済終了まで動かないため、金利上昇のリスクを金融機関に負ってもらう代わりに、高い金利が設定されます。

期間固定金利は、上記2つの間をとるものです。5年、10年と一定期間だけ金利が固定され、期間終了後は変動型が適用になったり、新たな利率で固定期間となったりするものです。

住宅ローンの一覧を紹介しているサイトによると、9月15日現在、一番低い金利は、変動では0.31%、10年固定では0.645%、35年固定では1.63%となっています。(月によって変動があるため、最新の金利は改めてチェックしておいた方がよいです。)

どの金利タイプにするかを選ぶことになるのですが、我が家の場合、借りる額が平均と比べても少ないことから、長期間の固定金利と、期間の変動型は選択肢から外しました。

理由としては、借りる期間が長くなれば長くなるほど、支払う利息が増えてしまいます。多くの額を借りるわけでもないことから、10年を20年にしたところで、月々の支払いの負担感も、そんなに変わるわけではないためです。

2 変動か固定か

これは難しい選択です。一般的には、現在は低金利であることから、変動金利が好まれているようですが、今後の金利がどうなるかはプロでも予測が難しいと言われています。

私の考え方は、金利が固定されているという安心感にいくらお金を払えるか、でした。

変動、固定、ともに低金利のPayPay銀行で、10年間1200万円を借りると想定して、シミュレーションしたところ、月々の支払いが、変動では10.4万円、固定では10.2万円と2千円の差が出ることがわかりました。

月々2千円なので、総額からすると、2千円×12カ月×10年間で、24万円になります。人によって評価は異なるかと思いますが、24万円の支払いを金利上昇がないという保証料として払えるかどうかが判断の分かり目になります。

変動金利が、例えば2%に上がった場合、5年目から、月々の支払いがおよそ2万円増えることになります。固定とした差を1年で回収できてしまうことから、枕を高くして眠るための代金として、24万円は高くないと思います。

一方で、わずか10年の間に、金利が上がるということには懐疑的です。変動金利は、政策金利に大きく影響を受けます。ここ10数年、日本は政策金利が上がっておらず、ようやくインフレの兆しが見え始めましたが、賃金上昇につながるにはまだまだ時間がかかり、利上げには時間がかかるのではないかと、個人的には想像しています。

保証料としては悪くないが、一方で変動金利の利率が上がる可能性も高くないとみています。幸い、本審査を通過して、契約が本格化する融資1カ月前までに、変動とするか固定とするかを決めればよいため、固定金利と変動金利の差を注視しながら、保留することとしました。

3 どの金融機関で借りるか

長期間で考えるのであれば、フラット35が有力な選択肢となるのですが、10~15年しか借りないと決めていたため、自分が口座を持っていた銀行を中心とした民間ローンから、探していきました。

まずはメガバンクです。いわゆる3大メガバンクのうち、2つの銀行の口座を持っていたのですが、メガバンクは総じて融通が利くなという印象を持ちました。注文住宅に対する融資経験も豊富であるためか、つなぎ融資や中間支払いに対する融資にも対応できるため、大変安心感がありました。

デメリットとしては、ローン保証料をはじめとした手数料が高いこと、ネット銀行と比べると、金利が高いこと、手続きがネットで完結せずに郵送や支店に行って行う必要があることでした。

次に見たのが、ネット銀行です。証券口座を開いていたつながりから、ネット銀行の口座も持っており、住宅ローンのサービスを調べたのですが、金利の安さは群を抜いていました。また、すべての手続きがネット上で完結することも仕事をしながら手続きをすることになる身としては、手軽で大変ありがたいと感じました。

デメリットとしては、審査が比較的厳しいことから、提出する書類が多いことです。また、つなぎ融資や、中間支払いに対する融資は対象としていないため、ある意味で融通が利かないところがあります。

4 第三の選択肢

メガバンクとネット銀行を比較すると、金利や手続き等で有利なのはネット銀行だけれども、つなぎ融資に対応しておらず、最終的な支払いができるか不安がありました。そこで、第三の選択肢となったのが、公務員の住宅貸付です。

所属する自治体の福利振興会が行っているサービスであり、職員という身分が担保となるため、通常の金融機関で融資を受けるのであれば要求される保証に関する書類や手数料が一切かからないという魅力があります。

具体的には、家を建てるにあたっての抵当権の設定が必要なく、支払いについても月々の給料から天引きされるため、融資手数料等が必要がありません。

加えて、ネット銀行で融資を受けるのであれば、物件の引渡しと同時に融資となることから、引き渡しの直前まで口座にお金は入らないことになります。しかし、この住宅貸付であれば、建築確認申請の書類さえ提出されればよく、早ければ年内にも融資を受けることができます。

安心感という面では大変魅力的なのですが、金利が高いのがネックです。ネット銀行と比べて、およそ1%も差があり、支払総額だけで比較すると60万円も多く支払うことになります。

ただし、通常だと支払うことになるローンの手数料(2.2%×借入額)や抵当権設定の費用を差し引くことができます。総額をざっくりとネット銀行と比較すると、およそ10万円ほど、住宅貸付のほうが支払う費用は多くなります。

早くにお金が入る安心感と、抵当権などが設定されず、手続きが非常に簡便で済むことを10万円で担保するか、これも一つ有力な選択肢となりました。

5 現時点の結論

最終的には、金利が決定打となるため、現時点としてはすべての選択肢を残しておくこととしました。源泉徴収票のコピーなど必要書類をそろえて、ネット銀行とメガバンクの変動金利と固定金利それぞれ本審査まで進み、本審査が終わったところで、担当者に、他の銀行と比較しているため待ってもらいたい旨を伝えました。

ここまで、滔々と書いてきましたが、本来であれば、現在、住宅ローンは低金利で多額の融資をもらえるチャンスであるため、私のように自己資金を多めに入れず、ローンによって、資金繰りを行うことが王道だと思います。

住宅ローンには、団信もあり、巷の保険よりも有利な条件で万一の事態に備えることができます。

カードローンの十分の一以下でお金を借りる機会など滅多にないため、まれにない低金利の時代で「もったいない!」と言われるかもしれません。(実際に不動産の営業担当の方も含め、何人かから言われました)

ただ・・・
・そんなにお金を手元に置いてどうするのか。
・住宅ローン減税を理由に多額の資金を借りるのも気が引ける。
・長期間のローンを組んで、子どもの教育費はどうするのか。
・オーバーローンになる可能性は本当にないのか。
といった疑問が浮かび、反論は出てくるのですが、腹落ちしませんでした。

結果的には、返すのは自分なのだから、自分で納得した形で住宅ローンは組めばいいと考え、結果としては、長期間多額のローンを組むことはやめました。今のところ、迷いはありません。

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