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三井化学が、GPTとIBM Watsonで、新規アプリケーション発見の検証を開始

IBMは2023年05月25日に、デジタルトランスフォーメーションの推進とビッグデータの活用により、トップラインの向上を目指す取り組みとして、生成AIであるGPTとIBM Watsonを組み合わせ、三井化学が俊敏性と正確性を兼ね備えた新規アプリケーション発見の検証を開始していると報告した。

三井化学と日本アイ・ビー・エムは、IBM Watsonを活用した新アプリケーション発見の検証を開始した。

三井化学と日本アイ・ビー・エムは、生成型AIであるGPT(Generative Pre-trained Transformer)*1とIBM Watson Discovery*2を組み合わせて三井化学製品の新しいアプリケーションを発見する際の俊敏性と精度を評価する検証を開始する。

この取り組みは、ビジネス領域におけるデジタルトランスフォーメーションを進めることで、三井化学製品のトップライン(売上)および収益シェアの拡大を目指すものである。

三井化学では、2022年6月より、三井化学グループにおける新規アプリケーションの探索にIBM Watsonを導入している。20以上の事業部がIBM Watsonを活用し、100以上の新規アプリケーションを既に発見している。

2023年、三井化学は研究開発やコーポレートなど、IBM Watsonを導入する部門をさらに拡大する予定で、事業部における新規アプリケーション発見の1テーマに対して、特許やニュース、SNSなど500万点以上の外部ビッグデータをIBM Watsonに入力し、さらに三井化学製品に特化した辞書を入力する。

三井化学の営業・事業領域のスペシャリストは、IBM Watsonを活用してビッグデータを効率的に分析し、人間の先入観や現在の知識を超えた自社製品の新しい用途を発見している。

例えば、三井化学のSNS分析では、「地方の鉄道でカビ臭い」といった投稿が多いことがわかり、三井化学の鉄道向け防カビ剤の営業活動につながった。

へ〜!

IBM Watson Discoveryを活用した新規アプリケーションの発見には多くの成果はあるが、新規アプリケーションの発見には時間がかかるという課題がある。そこで三井化学は、特許やニュース、SNSなどの膨大なテキストデータから新規アプリケーションを生成するGPTを導入する。なぜ新規用途に着目するのか、外部環境要因の情報が増えることで、新規用途の発見の俊敏性と精度を飛躍的に高めることができる。

三井化学と日本IBMは、新規アプリケーションの発見を目的としたMicrosoft Azure OpenAIでの検証を開始した。

三井化学は、新規アプリケーション発見の目的に合わせてGPTの指示プロンプトを最適化することで、注目すべき新規アプリケーション候補を特定・抽出する。 IBM Watsonに適用することで、IBM Watsonの利用に不慣れなユーザーでも、短時間で新用途発見のためのキーワードを指定することができるようになる。さらに、SNSの動画を含むマルチモーダル化や、IBM Watsonを活用して発見した新規アプリケーションの情報をGPTに入力することで、新規アプリケーション発見の自動化を図る。

三井化学は、Generative AIとIBM Watsonを組み合わせることで、SFA(Sales Force Automation)/MA(Marketing Automation)、MI(Materials Informatics)、ロボティクスを活用し、事業ラインや研究開発など異なる部門間のデータを統合して、市場開拓から製品開発までのプロセスを加速することを目指していると伝えている。

*1 About GPT

GPT is OpenAI’s Large Language Model (LLM) that applies a deep learning model called Transformer, which has Attention mechanism to dynamically identify noteworthy data from big data, and with over 100 billion pre-trained parameters using a large data set of over 1 trillion sentences and words in the world. It supports a variety of natural language processing tasks such as sentence generation, document summarization, language translation, QA, and keyword extraction.

*2 About IBM Watson

Watson is IBM's AI technology for business, helping organizations to better predict and shape future outcomes, automate complex processes, and optimize employees' time. Watson has evolved from an IBM Research project, to experimentation, to a scaled, open set of products that run anywhere. With more than 40,000 client engagements, Watson is being applied by leading global brands across a variety of industries to transform how people work. To learn more, visit: https://www.ibm.com/watson.

https://newsroom.ibm.com/2023-05-25-Combining-Generative-AI-with-IBM-Watson,-Mitsui-Chemicals-Starts-Verifying-New-Application-Discovery-for-Agility-and-Accuracy
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2023/index.htm

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