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【2/20, 2024】米国デジタルヘルススタートアップ・9am.healthのシリーズA資金調達と包括サービスについて

近年、デジタルヘルス領域への投資は活発化しており、中でも注目を集めているのが「アプリ+サービス」を組み合わせた包括的なソリューションです。

2月末には、糖尿病管理アプリ「mySugr」の元経営陣が立ち上げた米国のデジタルヘルススタートアップの「9am.health」が、Founders FundやヘルスケアVCであるCigna Group Ventures, 7Wire Ventures, Leaps by BayerなどによるVCから資金調達を実施しました。

9am.healthは、アプリに加え、専門家チームによるサポートも提供することで、より包括的な代謝ケアを実現しています。

About 9am.health
・国:米国
・創立年:2021年
・資金調達ラウンド:シリーズA
・総調達金額:約$30M
・website: https://join9am.com/

website

この投資事例は、デジタルヘルスにおける「包括的なアプリ+サービス」への需要の高まりを象徴しているように感じます。 従来のアプリ単体による疾患治療や疾患管理を行うサービスとは異なり、医療専門家のサポートを受けることで、より効果的なサービス提供かつ高い利用継続率の達成が可能になると期待されています。

9am.healthの経営陣の多くは、元mySugrの経営陣です。 mySugrは、アプリと組み合わせて糖尿病管理を行うアプリです。Rocheに買収されてからも継続して事業を続けています。mySugrのサービスでは基本アプリと血糖測定器による糖尿病管理でした。しかし、新たに立ち上げられた9am.healthでは、一見スケーラビリティや利益率が下がってしまうようなアプリ+ケアチームによる介入によるハイブリッドサービスを提供しています。

私が日々米国のデジタルヘルス領域のVC投資の分析をしている中でも、以前は高利益率・高いスケーラビリティが期待される疾患管理が多かったように思います。しかし、最近では著名なVCの投資先の多くはこのような包括サービスが多くなっております。これは患者ニーズだけではなく支払者(Employerや保険会社など)のニーズを徐々に正しく捉えてきた結果なのかもしれないな、と思う今日この頃です。

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