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【3/6, 2024】米国デジタルヘルススタートアップ"Chamber Cardio"のシードラウンド資金調達!

今回は3月6日にシードラウンドでの資金調達のニュースが発表された「Chamber Cardio」です。 心疾患領域のvalue-based careの実現を主に病院と保険会社向けに提供されているソリューションです。デジタルヘルス領域にも多くの投資を行っている著名なVC、General Catalystを含む投資家からの資金調達です。


About "Chamber Cardio"

https://www.chambercardio.com/

・国:米国
・創立年:2022年
・資金調達ラウンド:シード
・主な投資家:General Catalyst(今回ラウンドのリード)
・総調達金額:約$8M
・サービス:心疾患領域におけるvalue-based care実現のための臨床意思決定支援、クリニカルワークフロー支援、保険会社ー病院間のVBCに基づく契約交渉の支援など
・事業モデル:B2B - 主な顧客は病院と保険会社

心疾患領域のvalue-based careを支援する Chamber Cardio

日本同様に米国でも心疾患にかかる医療費は非常に大きく、提供した分だけ支払われるfee-for serviceではなく提供した医療の価値に基づく支払いであるvalue-based care(以下、VBC)の必要性が謳われてからだいぶ時間が経ったと思います。ですが、私は米国に来る前、VBCは米国ではかなり進んでいると勝手に思っていたのですが、多くの契約形態は未だにVBCの実現まで遠いようです。医療費が高いこの心疾患領域でさえ、VBCの考えに基づく契約は全体の15%以下とのことです。
 
この新しいモデルで成功を収めるためには、心臓専門医、一般内科医、保険会社、そして患者さんといった各ステークホルダーが抱える課題を同時に解決しないといけないという難しい課題があります。そこで登場したのが Chamber Cardio です。 

提供する価値

Chamber Cardio はまだ社員数10名弱程度のようですが、医療と保険の両方のエキスパートを抱えており、以下の 3 つの価値を提供しています。
 
臨床での意思決定の支援: 患者ケアの改善とワークフローの最適化のための臨床データとインサイトを心臓専門医に提供します。専門医と一般内科医を繋ぐ役割もあります。
オペレーショナルサポート: 顧客である病院のバックオフィスの業務やケアチームのサポートを行い、院内のオペレーション業務の負担を軽減するサポートを行います。
VBC に基づく契約の支援: Chamber Cardio は、病院と保険会社との間に立って交渉や契約締結のためのサポートを行います。通常、病院側は保険会社との契約交渉を得意としていないという課題のための、Chamber Cardioならではの特殊な価値提供部分かなと思います。 

こちらも最近紹介したような9am.healthやSalvo Healthのように、ピュアなテクノロジーのみの患者向けアプリや病院向けSaaSではなく、テクノロジーも活用した医療従事者が介在するサービスです。このようなサービスはUSでは、wraparound model, tech-enabled service, hybrid service/model ということが多い気がします。

ビジネスモデル

Chamber Cardio は、病院や保険会社と提携する B2B モデルで運営されています。Chamber Cardio は 2023 年後半にサービスを開始し、すでにワシントンD.C.やバージニア州で事業を展開しています。General Catalyst が主導した最近の 800 万ドルのシード資金調達ラウンドにより、今後 1 年間で新たな市場への進出が計画されています。 

チーム

Chamber Cardio は、輝かしい経歴を持つリーダーシップチームを擁しています。CEO は腎臓疾患領域でのvalue-based careにおけるリーダーシップや保険会社やメディケア・メディケイド関係の業務経験が豊富であり、CMO は著名な医療機関で勤務経験のある認定心臓専門医です。CGO(Chief Growth Officer) もCEO同様、AetnaやUnitedHealthなどの保険会社での経験が豊富です。医療と保険のエキスパートのハイブリッドな経営陣です。
  

心臓医療の未来

Chamber Cardio は、心臓医療の未来に向けて有望なソリューションを提供しており、VBCの実現をしながら心臓専門医が高品質のケアを提供し、保険会社としても財務的に持続可能な状態を維持できるよう支援します。Chamber Cardio の成長に伴い、米国全体で患者のための心臓疾患治療が大幅に向上する可能性を秘めています。

おしまい。


参考:2/29前回記事


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