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②「花男くんのそばにある1曲」とは?

①花男くんを育ててくれた街とは?】から続く

続いて、“花男くんのそばにある大事な1曲”を挙げるとすれば、何でしょうか?

これはもう本当に迷ったんですけど…意外かもだけど、YUKIちゃんの「愛に生きて」っていう曲がありまして。JUDY AND MARYからソロになって一番最初に出したアルバム『PRISMIC』(2002)に入ってる1曲なんですけど、定期的に聴いてスイッチを入れてますね。

確かに、意外!
ね。JUDY AND MARYからYUKIになったタイミングで、この曲に“愛の火は 消えないわ”っていう歌詞があって。JUDY AND MARYのことを歌ってるのかは分かんないけど、今まで・過去への愛情は消えてない、っていう宣言なのかなぁって思ったりして当時、俺は嬉しかったりしたんですよね。その言葉は自分にも当てはまるところがあるし、うん…本当に大好きなんですよね(笑)、この曲。
“拍手の音で泣いてる”って歌詞から始まるんですけど、JUDY AND MARYの解散ツアーの時の拍手なのか、もしくはYUKIちゃんになってからのライブの拍手なのか。両方考えられるんですけど、そこに、お客さんへの“ありがとう”と“ごめんね”が混ざっている気がして。それでも“愛の火は 消えないわ”って。もうね、たまらないですよ。
たまらない、かぁ(笑)!!
バンドとして大きな存在でもあるザ・ブルーハーツの「終わらない歌」に出会って、それが音楽をやるきっかけになったし、なんですけど、今の自分の…そばにある曲としてはこの曲かなぁ。寂しい時でも悔しい時でもこの曲を聴いて、俺も頑張ろう、って。
そうそう、太陽族の時にフリーペーパーの企画で“自分のスーパーヒーローに手紙を書く”っていうのがあって。実際に返事が来るか来ないかは分からないけど、俺は“YUKIちゃんに手紙を書きたい”って言って手紙を書いて、さらに「愛に生きて」を俺が弾き語りしたカセットテープも手紙と一緒に送ったことがあって。そしたらね、返事が来て!

えーーー!!!
今も額に入れて飾ってるんですけど(と言いながら飾ってある額を持って来る/上部YouTube動画で一瞬映る雰囲気を見て想像してください)、ファックスで届いたんですけどね。こんな額に入れちゃって、もう変態みたいですよね(笑)。
これはすごい!しかも“お互い、これからも歌を歌い続けていきましょうね”って書いてある!
そうなんですよ〜!これ、2005年のことなんですけどもう本当に、宝なんですよね。歌い続けていこうって思う、これは1つで。泣けますよ。太陽族であったからこそ(来た企画)で感謝してるし、やっぱりYUKIちゃんの存在って、デカいですよね。
“私が今まで歌ってきたことをとっても繊細に感じてくださっているようでうれしく思っています”ともYUKIさんは書いてくださってますね。花男くん自身、楽曲は歌詞を聴くタイプなのかな?
俺は半分、いや半分以上は歌詞を楽しんでるかもしれないなぁ。勿論、メロディから浮かんでくる風景とかも好きなんですけど…うん、歌詞を聴くのを楽しんだり、(歌詞に)助けられてますね。

いつかこの先、花男くんの自宅・屋根裏部屋から
配信があったりする時には
“YUKIちゃんの手紙が入った宝物の額を見せて!”と
ぜひリクエストしてみてください🎶

花男くんの楽曲も歌詞を聴いてしまうところがわたしにはありますね。例えば「銀河」の描写にしても、すごすぎて。こんなに上手く描けるものかと。
これは本当に、最初のきっかけはうちの嫁さんなんですよ(笑)。嫁さんもライブが好きなんですけど、子供が出来るとライブに行きづらくなる。で、行けないんだけど、冷蔵庫にザ・クロマニヨンズのフライヤーを貼ってて(笑)。“私が恋に落ちたバンドが 全都道府県ツアーに行くってさ”って歌い出しは、“今は地元でたった1日を いけるか?いけないか、、、冷蔵庫の前だ”って。
きっかけは嫁さんだけど、昔のようには中々ライブに行けない方たちがいっぱいいるから。置いてきぼりにならないような歌を作れたらいいなって思って最後は、ライブに行ける日のことを希望として歌ってる。ライブに行くっていう素晴らしさと、ライブに行けない日も絶望しなければいいなと思って、1つの小さい映画のような話のように作りましたね。

“あなたにとっては47分の1でも 私にとっては1分の1”なんですよね、ライブを見る側とすれば。
太陽族で初めて47都道府県ツアーをやって、花男としても1回やったんですけど、数が多くなれば多くなるほど47分の1として考えてしまう時って…あるのかな、と思って。でも絶対、それはお客さんに対して失礼なことだし、お客さんはその時の1回なわけだから。それを忘れてないよ、そういう気持ちで歌ってるよ、っていうメッセージでもあるんですけどね。
ちえさんがそこのメッセージを拾ってくれたのはすごく嬉しいなぁ。その気持ちは大事に、忘れたくないと思ってて。
そんな「銀河」というワードは、花男くんのツアータイトルでも使ってますよね。
そうです。コロナ禍になってライブが出来なくなった時に何が出来るかなぁって考えて、地元から配信ライブで全都道府県ツアーをやろう、と。そのタイトルを考えた時に「銀河ツアー」っていうのがしっくり来て。小樽でやってるライブが空から電波でやってくる、で、イメージしていくと、1個1個の星みたいにライブを重ねていって、数がどんどん増えていく。ライブに行けない人たちに小さな希望を届けながら、気づけば胸の中が銀河のようになってたら良いなぁ、みたいな。
コロナ禍から始めたんだけど、俺もずいぶんこのツアーに助けられてるし、今も子育てとか仕事が忙しくて昔ほどライブに行けないっていう方たちもいるので。だから今も月に1、2本は続けてるんですよね。

次回の銀河ツアーは3月23日(土)
「打ち上げ配信」も勿論あります(笑)!
花男くんのライブ予定はこちらからチェック

配信で出来る良さというのも、確実にあるはずですもんね。
そうなんですよ。俺も最初は、配信ライブなんかじゃ届けられないんじゃないかなって思ってました。でも、配信ライブだからこそ出来ることも確かにあって。自分の中では“配信”という、1つの地元が増えたぐらいリラックスして楽しくやってますね。
配信ライブって、トラブルがあったりすると映像が止まっちゃうじゃないですか。それである時、“やべー!”ってこっちは焦ってるのにチャットを見たら“ゆっくり待ってるから〜”って。でもチャットが動いてるな?と思って見たら、はなお→おなら→…って、チャットを使って、お客さん同士でしりとりしてたんですよ(一同笑)。
あったかい。さらにライブ後には“打ち上げ配信”もあるという(笑)。
コロナ禍で飲みに行けないっていう人もいっぱいいたから、“じゃあ、飲もうよ”ってところから始まったんですけどね(笑)。最後の曲が終わったら“乾杯!”ってビールを飲んで。“皆、何飲んでる?”って聞くとチャットに、ワイン飲んでるだのビールだの書き込みがあって、それを見て楽しみながら。お客さんに“花男、明日もライブだしそろそろ打ち上げ配信も終わった方が良いんじゃない?”なんて書き込まれたり(笑)。
だから初めての方でも配信ライブに遊びに来て欲しいし、(視聴者も)マニアックなファンばっかりじゃないしね。それから各地にライブに行った時には、(実際に会場に)来てくれたり、“太陽族は見に行ってました”っていう人が見に来てくれたり。それで、“花男よかったなぁ、新しいファンが増えて!”って、いつも来てるお客さんも喜んでくれたりして。
花男ファンは皆、花男くんの親戚みたい(笑)。
そう!親戚感がすごい。ライブのお客さんが増えたのを見て“(自分の)子供たちにいっぱいお菓子買ってあげられるなぁ”とか言われちゃうんですよ(笑)。

花男:1979年札幌生まれ。バンド・太陽族の活動休止後、
ちいさな音楽工場「宮田モータース」を北海道小樽市に立ち上げ。
泥付き野菜のような音楽を産地直送で届けるように
全国へ旅を続けながら今日もどこかで歌っている。
「人生一度きり。その傍でそっと歌いたい」。
オフィシャルHPより)

【「③花男くんが大切にしている言葉」に続く/3月22日更新予定】


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