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ジャンプ黄金期の名作と2.5次元で再会した。

きょうは、ある動画のレビューを書きます。その動画とは……、


舞台『銀牙 - 流れ星 銀 -』


1983~87年に週刊少年ジャンプで連載され、アニメ化までされた名作。秋田の二子峠に牙城を築く凶悪な熊・赤カブトを倒すため、主人公の銀たちが全国から仲間を集め、決戦に挑んでいくというストーリーです。

それを2019年に舞台化。2020年には完結編も公演されました。

これまでもジャンプからは数え切れないほどの作品が舞台化されてきましたが、この『銀牙』は一味違います。

なにが違うって……、


〝犬〟のバトル漫画なんです。


『テニスの王子様』にしても『ハイキュー!!』にしても『鬼滅の刃』にしても、人間が人間を演じるわけです。

でも『銀牙』では、人間が犬を演じる。

「2.5次元」に「擬人化」という要素も加わった、摩訶不思議な舞台。これは表現者としてチェックしなくてはいけない!

ということで、dtvにて視聴しました。結論から申し上げると……、


おもしろかったです。


まずは冒頭、銀の父で軍団のボスでもあるリキの独唱。

圧倒的な歌唱力に惹きこまれます。

それもそのはず、リキ役の坂元健児さんは劇団四季出身。『ライオンキング』の初代シンバを演じた俳優です。

声がのびるのびる。

まるで浮き上がるストレート。全盛期の江川卓さんか、あるいは藤川球児さんかってくらいのびるんです。

そして、キャスト全員によるアニメ主題歌。

36年も経っているのに、意外と覚えているもんですねー。

そうさ 若さは 燃え尽きない 流星だ

宮内タカユキ『流れ星 銀』作詞:寒太郎

うおおお、なつかしみー!

さあ、そこからも怒涛の歌とダンス。あんなに動きながら、よく歌えるな!と感心させられます。

さらに、衣裳。

2.5次元の衣裳というと、普通は原作で着ているものを再現するだけで済むわけです。しかし、この『銀牙』はそうもいかない。

『キャッツ』のようなタイツ? それとも、まさか着ぐるみ?

いえいえ、違います。登場犬物のキャラクターに合わせて衣裳を作っているんです。

主人公の銀は身軽だからかフライトジャケット風、小隊長のベンは軍服風、忍犬の赤目は忍装束風……、みたいな。

リキは赤カブトとの戦いで全身に傷跡がある設定なので、羽織っているコートはボロッボロに破けています笑

あとは赤カブトですね。あまりに巨大なので7人がかりで表現していました。なるほどなー。

舞台を観ると、表現力がつきますね。

映画と違ってCGに頼るわけにもいかないので、置き換える力というか、見立てる力というか、そういうのが必要になってくるわけです。舞台の使い方、道具の使い方、光の使い方、とても参考になります。

参考になるといえば、構成もそうですね。

尺には限りがありますから。原作のどの場面を割愛するか、そして前後を違和感なくつなげるか。それでいて、舞台ならではの演出(歌・ダンス・アドリブ)も生かせるか、脚本の腕が問われるわけです。

『銀牙』の場合は単行本13巻分。それが前後編あわせて4時間半に収まっているから不思議。よくまとめたなー。

原作の良さ、舞台の良さ、一粒で二度おいしい。重ねて書きますが……、


おもしろかったです。


次は人間と動物がごった煮で出てくる『みどりのマキバオー』の舞台が観たいです。誰か実現してくれませんか?

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