名前だけ可愛い担当大臣「アトピー君」
体調がとても悪い。
体調不良の主な原因はアトピーで、私は手以外の全身アトピーなのだけど、お肌にトラブルのない人からすると「痒い」ことがどれくらい日常生活に影響を及ぼすのかピンとこないと思うので、ここに私の場合のアトピーとの付き合い方を記しておきます。
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◯ 朝
目覚めると身体がそこらじゅう痛い。寝ている間に気づかず掻き毟っているからだ。肌着のシャツが(血で)皮膚とくっついているので、それをべりべりと剥がすことから私の朝は始まる。そのあとで、おそるおそる耳を触ってみる。私の耳はいつか爆発するんじゃないかと思うくらい常に炎症を起こしているので、こちらも血で髪と耳がくっついてしまっている。またべりべりと剥がす。
これがけっこう痛い。
身体は服で隠せるけれど首から上は人様に見えてしまうので、その日の耳の状態によってはシャワーを浴びることになるのだが、本当は出掛ける前はシャワーを浴びたくない。何故かと言うと、シャワーを浴びたあとは必ず薬を塗るわけで、(どの薬もたいていベタベタしている)薬を塗った直後に外に出ると、顔に花粉や埃が思いきり付着してしまう。
◯ 昼
正直、昼は平和。仕事をしているとそれほど痒みを感じない。ただ、いったん掻いてしまうと皮膚が熱を持って痒みが収まらなくなるので、トイレの個室で服を何枚か脱いで熱を逃がしたり、薬を飲んだりする。でもわりと平和。(仕事のない日もさほど変化はない)
◯ 夜
寝ている間に掻いてしまうのは、色々試したけれど正直どうにもならない。子どものころは、両手を紐で縛ってみたり、ベッドの柱に固定したりしたのだけど(SM作戦)、痒かったらどうにかして解いてしまうし、トイレに行きたくなったら無理矢理に解くことになる。SM作戦は入院でもしない限り成立しないと思う。そもそもストレスでアトピーになっている人間をさらに拘束してストレスを与えることの矛盾と言ったら笑ってしまう。
手袋をして寝るのも試したことがあるけれど、こちらも良い結果にはならなかった。薄い手袋では最初から意味がないし、分厚い手袋は素材が硬いので、場合によっては爪で掻くよりダメージが大きくなってしまう。
だから、眠ってしまったあとのことは諦めている。眠ったあとせっせと身体を掻いているのは自分とは別人格なのだ、と思った方が精神的にずっと楽だ。
真の問題は眠りにつく前で、私はベッドに入って横になると、いつも強烈な痒みに襲われる。(ベッドにダニがいるわけではない、はず)強い薬を飲んでから横になるのだけど、目を閉じてしばらくじっとしていると、身体のどこかしらが痒くなってくる。どれくらい痒いかと言うと、ガクガクと身体が痙攣するくらいです。指先に力が入って、呼吸が苦しくなって、目の前が血で染まるイメージが脳内で駆け巡る。
その状態で掻かずに耐えられた日はいい。別人格のひとがいつも通りに身体を傷つけるだけである。
耐えきれずに掻いてしまった日は、もうそこからは止めようがない。爪が血だらけになってからベッドを出て、また薬を飲んだり塗ったり、水を飲んだりする。この時間帯が非常に辛い。「辛すぎワロタ」と口に出してどうにかギャグにしようとする。
「ワロター」「泣いたー」
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本当は「アトピー」という文字を見るだけでもちょっと痒くなってくる。似た言葉でも連想してしまうことがあるので、私の前で「セラピー」とか「アドビ」とかなるべく言わないで欲しい。
「アコギ」くらい離れていれば大丈夫です。
#エッセイ #アトピー #アトピー性皮膚炎
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