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イベルメクチン のこれまで。

発見の経緯、作用機序等が書かれているホームページを集めてみました。大事なことと思われて部分を抜き出してみました。

エバーメクチンの発見とその後の展開。

放線菌「Streptomyces avermectinius」が産生する物質が細菌、真菌には影響与えず、寄生虫、節足動物のみに活性を示した。


有用微生物とそれらが生産する有用な天然有機化合物の発見そして人類への貢献

微生物には、伝染病を起こす微生物、食べ物を腐らせる微生物、米を酒にする微生物、ブドウをワインにする微生物、大豆を味噌や醤油にする微生物、
動植物の遺骸やゴミを分解する微生物、そして薬の基になる物質を生産する微生物等、いろいろな微生物が知られています。

静岡県伊東市川奈のゴルフ場の土壌から発見された放線菌Streptomyces avermitilis(2002年Streptomyces avermectinius に改名)の培養液より
1979 年に発見した抗寄生虫薬エバーメクチンとそのジヒドロ誘導体イベルメクチン。

多種類の寄生虫にごく微量で効果があり、副作用が極めて低い画期的な抗生物質であります。


大村研究グループ(大村G)は,この北研抗生物質研究室と大村教授の北里大・薬・微生物薬品製造化学教室との共同研究体制で進められた.テーマは,「世の中に役立つ微生物の生産する薬を見つけること」であり,スクリーニングが主要テーマであった.

ワクチンは,北研で製造・販売できるが,抗生物質などの医薬品は自前でできないので,それができる企業と共同研究をすることが必要であった.研究費導入に際し,パートナーの企業を選ぶときその面も考慮された.

メルク社との共同研究は,20年続いた.当初のテーマは動物薬を目的に,抗寄生虫薬や動物発育促進物質などのスクリーニングであった.北研がin vitro,メルク社がin vivoをそれぞれ分担してスクリーニングすることが基本であった.

抗菌テストなど北研で可能なテストを行ったのち,それらを含むデータを添えて,多くの放線菌をメルク社に送付した

メルク社から,OS-3153株(OSは“大村 智”から命名された大村研究室分離放線菌)は寄生虫に有効な物質を生産しているのでさらなる研究を続けると大村教授に報告があった

研究が続けられ,放線菌OS-3153株(メルク社ではMA-4680株)の生産する寄生虫に効く物質は,新しい抗生物資であり,微量でさまざまな寄生虫に効果があるスペクトルが広い物質であることがわかった.「エバーメクチン」と命名され,8成分からなる化学構造も明らかになった

メルク社の研究者は,エバーメクチンを化学変換し,「イベルメクチン」を作った.これをウシなどの産業用動物の薬として発売

イベルメクチンは,ヒトの寄生虫にも有効であることがわかり,動物を対象とする実験データと動物薬の実績からWHO傘下のTDR(熱帯病研究機関)をはじめいくつかの研究機関で,ヒトを対象に治療・予防の研究が展開され,その効果が認められた。


おまけ

微生物の生産する化合物の面白いところは、1つの化合物があっちにも効いてこっちにも効くこと


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