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冷えた焼き鮭と温かい飯

スーパーで安売りされている塩鮭は冷凍されている。あるいは解凍されている。それをなんとか美味く食べるのが生きるコツでもある。

やり方は今のところ二つある。

一つは、パックから出して水気をペーパーでしっかり拭き、そこに焼き塩を両面ふりかけ、グリルですぐに焼く方法。

もう一つは、あらかじめキツめに焼き塩を振り込んで、しばらく放置し水気をしっかり押さえてから焼く方法。

その時の鮭次第なので正解はない。

昨夜は最初の方法で焼いた。大きなのを三切れ焼いたので、食べきれない半身が残った。
それは、皮を取り冷蔵庫で寝かせておく。

さて、冷蔵庫で冷えて身の締まった塩鮭は、案外と美味いものだ。
それをレンジで温めた冷凍ご飯と一緒に食べるのがいい。

深夜に。

今夜も犬の見張り番だ。雨がようやく上がってトイレに連れて行くと、奴も夜食を欲しがる。あらかじめ茹でておいたカジキマグロ(肉食NGになっている)とそのすまし汁をあげる。

まだ欲しそうなので、自分用に温めたご飯と納豆をトッピングしてあげる。病犬なのによく食べてくれるのが嬉しい。

それに、納豆飯に冷えた焼き鮭、これがたまらなく美味い。

罪悪感もないのはなぜだろう。

さっと食べてしまい、到来物のジャスミン茶で口の中をさっぱりとさせて換気扇の下で煙草を吸うと、朝まで何をしたらいいのかわからなくなる。

本を読むには小刻みに犬に呼ばれるので集中できない。
YouTubeにするか、アニメの続きを見るか……映画を見るか。

ようやく一人になった一時間半をどう過ごすか、お腹は夜食で満たされている。テーブルの上には「小ぶりで美味しいどら焼き」(井村屋の新商品らしい)もカステラもある。

冷えた焼き鮭が冷蔵庫にある晩は、なんて素敵なんだろう。
これを食べるために、焼きたての塩鮭があるんじゃないかと思うときすらある。


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