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桜が見たくなるってなんでだ

 別にポエム的なツイートをしたかったわけではなく、自分に酔ったような物言いをしたかったわけでもなく、ふとした「疑問」が頭の中に浮かんできたので考えざるを得なかっただけなのだが、こんなツイートをして見た。

 長男と次男が寝込んでいる間に、三男が鼻水を垂らしながらも元気で目がランランとしていたため、抱っこ紐に入れ込んで散歩をした。

 我が家が住んでいるアパートの近隣に、2年ほど前に旧私鉄が通っていた線路跡が舗装されて遊歩道になった道があり、我が家にとって散歩をするには本当にちょうどいい距離とコースになり、次男誕生以降、重宝している道だ。

 その遊歩道を歩いて500mほどの場所に公園があり、そこには見事な桜が咲いているのだが、そこからさらに1.5kmほど行けば、桜がたくさん植えてあり、季節になると観覧車で溢れるスポットがあるし、他にも同じような距離感で桜が綺麗に咲いている場所は結構ある。

 そんな風に書くと、乱雑に植えてあるようなイメージになってしまうかもしれないが、よくよく考えると、桜は特段珍しい植物でもなんでもないのに、この季節になると集団心理なのか何なのか分からないが、ぼくは桜を見たくなってしまう。

 季節特有のものといえば、夏の蝉時雨(せみしぐれ)や青々とした田園風景だってそうだし、秋の鈴虫の鳴き声や紅葉もそうだ。冬には雪が降り、夜には冬の大三角形が乾燥した空気に緊張感を与えてくれる。雪が溶け始めれば花粉に悩まされながら、梅の花が咲くのを待ち、桜の開花を期待して待っている。

 四季折々に楽しめることはたくさんあるし、それぞれに魅力的なものばかりだ。その中でも、桜を「見に行きたくなる」のは何故なんだろうなぁ、と三男を抱きながら考えていたところに、それとなく頭に浮かんできたのがツイートの内容だ。

 毎年のことではありながらも、天候によって時期が若干ずらされる。ただ、3ヶ月や半年、一年といった期間のズレが起こるわけではなく、あっても1〜2週間の違いがある程度。つまりは毎年、同じ時期に見に行きたくなっているのであり、それは何かしらの報道を見ているからでも何でもなく、日付と生活リズムの中で思い起こしているのだ。

 1年の中でいえば通過点としての季節なのかもしれないが、日本では桜の季節は卒業や入学の季節でもある。それが良いとも悪いとも思っていないし、それを基点として生活を組み立てているわけではないにしろ、時期が来れば桜を見たい気持ちが芽生えてくる。

 わざわざ自分から桜に近づきに行くわけだ。

 近づきにいって、何を思うのか。何故、毎年同じように咲き、同じように散って行く桜の様子をここまで楽しみに、待ちわびているのか。

 それは対象が桜なのではなく、過去の自分に対しての確認作業を桜に代替しているだけだったことに気がついた。

 春が来れば桜が咲く。桜が咲く頃に自分は何をしているのか。そのためには何を考えてるのか。何をしたくてどう考えているのか。具体的にはどんなことを考えて行動しているのか。

 年末年始と同様で、振り返りの基点として桜を利用していることを、先日、ようやく思いつき、考えることができた。だからと言って、特別に何かをしようとも思わないし、すべきだとも思わない。

 年末年始だからといって、特別に新しいことを始めることをすべきでないと思うし、春だからといっても同様だ。それであれば、夏でも秋でも冬でも、1月でも6月でも11月でもいいことになる。

 何かしらにかこつけてそれまでの自分を刷新しようとするが、それは外界に対して求めすぎな気がするし、いつだって新しいことを始められるし、それまでの行動を振り返ることができるのに、しないのは自らの怠惰な姿勢だとすら思う。

 いつだって始まりだ。いつ始めたっていい。

 基点を何かに求めることはやめて、今日でも、数時間後でも、数秒後でも、今からでも、自らを変容させ、行動を始めることはできる。だから、別に自分以外の基点を持つことはやめてしまっても問題はないはずだ。

 それでも桜を見たくなる。まだ新潟ではもう少し楽しめるが、早くもぼくは新しい桜の季節が楽しみになっている。

 今日もお読みいただき、ありがとうございます。ただ、散ってからの虫がたくさん湧く感じはどうしても好きになれませんが、トレードオフですよね。


ぼく:遠藤 涼介/Endo-san (@ryosuke_endo

#スポみら (元 #スポーツの未来に僕たちができること )オーガナイザー。 第一弾、新潟経営大学イベントの資金調達を目的に行ったクラウドファンディングは3サイトで募集し、すべて目標達成(総合達成率140%)#新潟 を #許容度の高い エリアにすべく活動

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