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UGCが重要だというのだけど本当だろうか考えてみる

枕にかえて

 どうも、えんどう @ryosuke_endo です。

 ソーシャルメディアを活用したマーケティング活動を思案する際に必ず考えなければならないのがUGC(User generated Contents)である。

 簡単にいうとネット上の口コミだ。要は企業が発信する企業論理に捉われた正義然とする投稿よりも一般ユーザーが投稿する口コミの方が信憑性が高いだろうとするネット上で商売をする人たちの前提条件のようなものになっている。

 このUGCが重要であるとする視点には反対はしないものの、完全に鵜呑みにしていいのかというとそうではないよね、なんて小さな視点を書いていきたい。

▶︎ ソーシャルメディア(特にSNS)の普及で購買行動に影響を与える

 「ニールセン デジタル・コンシューマー・データベース2019 (Nielsen Digital Consumer Database 2019)」によると、30代以下が購買行動を行う際に「オンラインに投稿された消費者の意見」を信頼する割合は2017年の33%から12ポイント増加し、2019年には45%であったとしている。

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 実際、我々はAmazonや楽天といった大きなECサイト上でも、小さな個人販売のECショップでの購買行動でも等しく、口コミを気にしているのではないだろうか。少なくともAmazonや楽天にはサイト内に口コミがあるし、類似商品を検索すればカカクコムなどで評価を知ることができる。

 他にも友人や知人、家族との食事を検討した際に飲食店のレビューサイトやGoogle Maps内にある評価やコメントを確認してから判断するし、宿泊先を決める際にも同様の行動をとることが「当たり前」になっている。

 もちろん、すべての人がそうであるとは言わないが、少なくともネット上で確認できる情報を取得できる人間は「損」をしたくないため、取得可能な情報はできうる限り取得していることだろう。

 このようにネット上ではUGCが重要である旨の投稿や動画での説明と言ったコンテンツが多くなっているからこそ、その信憑性を無条件に信用してしまっている人も少なくはないが、何でもかんでも投稿されればいいなんてことはないはずだ。

▷ 誰もが信頼たる情報を提供しているのか

 口コミ情報が何でも信頼できるものであるのか。
 誰が書いたものであったとしても信用していいものなのか。

 そんなわけがないだろう。そもそもネット上の投稿や意見は有象無象が入り混じっているからこそ、精査できるだけのliteracyリテラシー(読み書き能力と表記されるが、ある分野に関する知識や活用する能力を指す用語としても使用されるが、それ)を必要とされる。

 最終的に判断するのは情報を受け取った当事者だが、その情報を受け取った際、無条件に信用することができるのかどうか即時的に判断できる人間などいないはずである。また、多くの人が高評価をつけているからといって、その評価が「正当である」と言えるわけでもない。

 多数派が正解であるとするのは非常に危険な思考である。

 多くの人が好意的な評価をしているからと言って、その評価が正当性があると言えるかどうかは別だ。しかし、ネット上での口コミを鵜呑みにするだけの人たちにはどうもこの視点が抜けていると思えて仕方がない。

 そこに多くの評価が投稿されていたとしても、それが1,000人規模で雇われた人材によって制作されたサクラであると判断できないとはいえず、それを否定することは当事者以外にできないはずである。つまり、第三者としては検証のしようがないのだ。

 そもそもネットを使用する人たちによる「性善説」が前提となっている旨の見方にはどうも賛成できない。

 「それを言い出したらキリがない」と反対してくる人がいたが、では「諦めて従う」のか。それはあまりにも安易な行動に過ぎないのではないか。そもそも誰もが信頼できる情報を投稿できるなどと言った誤解が罷り通まかりとおっていることに疑問を抱いて仕方がない。

▷ 企業に比べて一般人の方が信頼できるわけではない

 なぜ、UGCが重要であるのかといえば、企業論理を貫いて企業正義を振りかざすものでないからだ。

 企業はいくら正論みたいなことを述べたところで、ポジショントークであることに変わりはない。世間的に正しいと言われることに背中に受けながら自分たちの正当性を論じたところで、それは一般生活者にとってはどうでもいいことなのである。

 加えて、その正当性を論じれば論じるほどに、科学的な根拠や数値的な事実を抜きにして言葉だけで語ろうとすればするほどに企業の信頼性なんてものは損なわれてしまう。

 繰り返すが、一般生活者にとってそんなことはどうでもいいのである。

 営利組織である以上、営利を形づけるための裏付けや根拠となる情報を丁寧に発信することは使命であり、そもそもしなければならないことだ。それは対外的な一般生活者や取引事業者飲みに関わらず、対内的な従業員やその家族に向けても同様である。

 対外的にはまだしも対内からも愛想を尽かされるような事業者は問題外だが、自社の企業論理だけが正義だと考えて発信しまくることも問題だ。

 しかし、逆に企業でそうなのだから一般生活者であってもそれは変わらないはずである。誰も彼もが信頼できるわけではない。むしろ、信頼のおける人物などいるのか。

 誰彼構わず信頼を置けるとするお人好しならまだしも、通常の生活できるだけの生活精神を持ち合わせているならば、ネット上に転がっている情報がすべて信頼できるわけではないことを認識できるはずである。

 だからこそUGCに効果があると言われているのだ。単なる感想や主観であるからいい、と。つまり、そこに論理的な裏付けや根拠などは必要ないのである。その辺のハゲたおっさんや三段腹のおばさんが書いたかもしれない感想や主観でいいのである。

 個人の損得が入り混じり、感情的なものであるからこそ企業が発信する正当性よりは”マシ”だと判断するのだ。

▷ あくまでも投稿されている事実を受け取るだけ

 しかし、全てが理解できる納得感の高い口コミであるのかというとそうではない。むしろ、罵詈雑言やメチャクチャな論理構成の腹いせ投稿だって書いてある。

 実態を知らない人間からしたら「そんなことを書かれるぐらいダメなのか」とか「何だこの悪口を書きたくて書いたようなどうしようもない投稿は...」といった2種類の反応があるように、受け取る側の心持ちや状態のよっては好影響も悪影響も与えられる。

 無念なことだが、そうやって当てずっぽうな口コミや真っ当な口コミが記載されている店舗やサービス、企業の方がネット自体には信憑性が高くなるのは事実だ。

 そもそも現代においてはネット上に何も口コミがない企業やサービスは「不安」を募らせる。ネット時代における口コミや関連する投稿が何もない企業やサービス、店舗など「存在していない」のと同義とも言え、UGCが重要だと言われる所以でもある。

 だからと言って鵜呑みにしていいのかどうかは別だ。

 記載されている事実は受け取るべきだが読む側も書かれた側も、そこに記載されている事実は粛々と受け止めつつ、検証が必要である旨はしっかり認識すべきだ。

 そもそも他人の評価を鵜呑みにしていいことなんてない。受け取り手となる一般生活者は自身の体験を持って書かれている評価が的を得ているのか得ていないのかを書くことができる立場にある。

 書く書かないは自由だが、その事実を受けて自身がどう感じるのか、どう考えるのかを検証する態度や姿勢を失ってはいけない。書かれる企業、サービス、店舗側も同様だ。書かれた事実を受け、どのように対応するのかを真摯に受け止めつつ考えるべきだろう。

 何よりもいけないのは「鵜呑み人間」となり何も行動をしないこと。

UGCが重要であるというよりも、それが前提となった社会だからこそ必然的に生まれるもので、それを有効活用できるようなコミュニケーションを取れるかどうかが重要なのだ。

 我々はネットを利活用する一員である以上、どこもかしこも検証することが必要だと認識しながら生活をしていく必要があることを肝に銘じておくべきだろう。

 ではでは。

 えんどう

▶︎ おまけ

▷ 紹介したいnote

UGCについて丁寧に解説してくれており、分類についてもきちんと明記している。このように記載できるコンテンツ制作者は本当に優秀だと思うし、こういう人が重宝される世の中は大切にしていくべきだ。

ホットリンクはUGCメーカーとしての地位をバッチリ確保しているが、僕はハッキリいってしまうとSEO対策とやらには懐疑的な立場だ。そもそもGoogleの中で働くエンジニアであっても全貌を理解することなど不可能だろうアルゴリズムについて外部的に理解することなど不可能だ。あ、ムロヤさんが書いてる内容とは全く関係がない話だった...。

以下のnoteにも記載されているが、結局は投稿するユーザーアカウントの「質」に左右されるのがUGCだ。いい加減でどうしようもない投稿しかしないアカウントの投稿など、口コミとして何の信憑性も生まない。だからこそネット上での親切心を持った運用はそれだけでポジション優位になれる可能性があるともいえる。

▷ 本noteに関連する紹介したい書籍

ホットリンク社の飯高悠太さんが書いた書籍だ。2019年に出版されたものだが、この書籍に関する口コミ自体がTwitter上で話題になったことから、そもそもが販売戦略を実践した事例としても参考にすべき書籍であったことはいうまでもない。Twitterで「#ウルサス本」で検索するといい。

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