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26.視覚と運動能

ヒトもイヌも、加齢とともに眼や耳、鼻など感覚器の機能が衰えてきます。感覚器の機能の衰えは運動能の低下につながると思います。

今回は、わたしの愛犬の視覚と運動能について書きます。科学的なエビデンスは一切なく、他のイヌのケースを検証したわけでもない、私の観察と憶測に基づく浮草のようなお話しであることを、事前にお断りしておきます。

愛犬が15歳過ぎたころ、車での移動中に眼をパチパチとする眼瞼けいれんのような症状が出始め、その後右眼の目やにがひどくなってきました。検査したところ、シルマーティアテストでドライアイと診断されました。その後目やには治まったもののレンズが少しずつ白くなっていきます。

15歳6か月齢を過ぎたころから、下の動画の通り、散歩中でも眼をパチパチさせながら口をパクパクさせ、腰が砕けるようになりました。ただ、それは昼日中の散歩中、直射日光が眼に差し込んだ時だけです。朝晩日差しがない時の散歩中には発現しません。

ドライアイで角膜が炎症を起こし、そのため太陽光が乱反射しはじめ、中でも紫外線が刺激となっているのではないか、それが私の憶測です。それは、直射日光が直接眼に入らなくても、晴れた日に、暗いところから明るいに出ただけで腰が砕けることもあったからです。紫外線は波長が短いので、いろいろな物体に反射して愛犬の眼に飛び込んでくるのではないか、そう考えました。

ただ、不思議なことに、車中でも庭でも、カラダが動いていない時は症状が出ません。車の動きに伴って愛犬のカラダも動いている時あるいは散歩で歩いている時だけなんです。つまり、光を捉える視覚の問題だけではなく、視覚と平衡感覚を司る前庭覚の連携に不調の原因があるのではないか、と疑わざるをえない症状なのです。

そこで愛犬が晴れた日に外出する際はイヌ用ゴーグルを着用させることにしました。乱射する紫外線が原因であればただのサングラスよりも眼の周りを覆うゴーグルの方が良いだろうと考えたのです。

結果は想定以上。自信みなぎる歩きが戻りました。表情だけでなく、歩行速度も上がってきました。大成功です。

イヌは、外界情報を捉えるモーダルとして視覚の優位性がヒトほど高くない、と言われていますが、それでも視覚に障害が起こると運動能にも影響を与えるのではないかと思うのです。つまり、イヌが高齢になって運動能が落ち始めた時には、加齢のせいにして諦めず、視覚や聴覚、嗅覚といった入力感覚の改善を図る努力も必要なのではないかと思うのです。


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