GW始まりましたね。桐島です。
私は、最近、「トビタテ!留学JAPAN」の参加者を対象に速読術講座を開催しています。
※「トビタテ!留学JAPAN」とは、2013年に文部科学省を中心として始まった官民協働の海外留学支援制度
10万円の実践的速読術
講座のタイトルは、
「10万円の実践的速読術教えます!●●省キャリア官僚の高度インプット術」というものです (笑)
煽り系の宣伝ですが、私は国家公務員で、それなりのノブリスオブリージュ(お金に困らずそれなりに恵まれた家庭・社会で育ったため、社会に恩返しする道義があるという考え)を感じているため、もちろん、無償です!
4月18日に1度目を終えたのですが、100人近くの方が申し込みをして下さり、当日も質問や議論が多く大盛況でした。
最初は、「速読術」を伝授することを、会の目的に据えようと思いましたが、「いや、まてよ!」と、、、
私の目下の最大の問題意識は「コロナ禍により、思わぬ出会い(セレンディピティ)や、雑談(誤配)の機会が著しく減少してしまうこと」でした。
そんなことを、以前紹介した東浩紀さんの記事でも記載しました。
そんなわけで、会の目的は、「トビタテ生同士の交流の機会を設けて、思いがけない出会いをオンラインで実現する」ということにしました。
4月18日の講座の方は、以下のラインナップで、参加者同士を5人のグループに分けて、グループメート同士、仲良くなって貰うことにしました。
以下が4月18日講座の目次で、1で自己紹介、5で学びをシェアして貰う機会を設けました。
4月18日、5月2日の2回の講座という利点を活かして、5月2日までにチームで1回以上集まって雑談して貰うことにしました。
この点に関しては、今回機会をくれたトビタテ事務局の方が、2回建てにしてくれたことに感謝感謝です(*´ω`*)
5月2日も、どういうセレンディピティや雑談が生まれるか、楽しみです。
閑話休題
前置きが長くなり過ぎましたが、今回は8限に引き続き、速読(シントピカル読書)をしたいと思います。
そうです。まずは、Step1、Step2が重要でしたね♪
今回の、Step1、2は、以下の通りです。
1冊目:「トビタテ!世界へ」(船橋力)
まずは、「トビタテ!世界へ」からです。
トビタテの創設経緯は、第3章「トビタテ!留学プロジェクト」に始動にありますので、ここを重点的に読みます。
民間出身で起業経験もある船橋さんが、どのように「トビタテ」をデザインして、キャリアのなかでは異色の文科省でどう振る舞ったか、分かります。
この本には、今回の講座で知り合った、安永麻紀さん(一汁三菜弁当開発を通じた和食PR)や、昔の飲み会で知り合った、荒畦悟さん(プロジェクト立ち上げメンバー)、喜多恒介さん(1期生募集の伝道師)などが登場していて、身近な人の活躍に、元気を貰います。
2冊目:「文部科学省」(青木栄一)
霞が関の官僚機構で勤務する桐島ですが、文科省の実態をあまり知りませんでした。この本から得たいのは「トビタテの文科省内での位置づけ」です。
まず、そもそも文部科学省は、文部省と科学技術庁が2001年に統合された組織です。教育=幼児教育、初等中等教育、高等教育、生涯教育(文部省)と、科学技術(科学技術庁)が担当しています。
しかし、職員が非常に少ない。霞が関で最も少ない最小のおよそ2100人。
外務省2700人、経産省8000人、農水省21000人、厚労省32000人と比較しても圧倒的に少ないことが分かると思います。
こういった、厳しい人繰りの中で仕事をしているので、1冊目の船橋さんが、最初はアウェイ(away)だったのも分かると思います。
ギリギリの人数なので、新しいことを始める余裕も無く、新しいことを受け入れる雰囲気も無いのです。
この書籍では、トビタテは少ししか紹介されていませんが、以下の通り、文科省の好事例として紹介されています。
第二次安部政権では、官邸の下請け機関となってしまったと思われたものの、文科省の事業として「トビタテ!留学JAPAN」と開始したことが、文科省の威信を維持したと、官邸と文科省の対比のなかで、記載されています。
3冊目:「大学は何処へ」(吉見俊哉)
吉見さんの「大学とは何か」、「大学はもう死んでいる?」を既読のため、彼の分析力と文章の上手さは、折り込み済みです (笑)
この本から得たいのは、「コロナ禍を踏まえた今後のトビタテ留学プログラムの在り方の視座」です。
1冊目に、今後のトビタテがどうなるのか?の記載がありました。
さて、コロナ禍下で、そもそもトビタテないのではないか?
という疑問が私の頭を過ったわけです。
コロナ禍のせいで、トビタテない、トビタテ、、、(;´Д`)
果たてして、どうなる???
このような問題意識で、3冊目を読みます。
終章に「ポストコロナ時代の大学とは何かー封鎖と接触の世界史のなかで」に面白い記載がありました。
グローバル化とパンデミックの歴史が述べられています。グローバル化が進展していなければ、1つの国内や地域内に閉じた病気として終息したでしょうが、いまの時代は、リーマンショックのように1つの地域で起こったことが、あっという間に世界に波及してしまいますね。
さて、コロナ禍で、大学や、トビタテは、どうなってしまうのでしょうか?
面白い指摘がされています。今しか生きていない私たちは、大学=留学=出版と、すべてを大学という枠組みと同列視してしまいます。
しかし、過去には、大学(留学)vs 出版、という対立軸があって、書籍があれば、大学で学ぶ必要は無い(=大学で得られる知は、書籍で代替可能)という緊張(対抗)関係があった、ことがわかります。
それでは、最後の箇所です。
この3冊目からの気づきは、
●コロナを収束させたいなら、ある程度の人の「移動の制限」が必要
●大学で学べることは、書籍で学べるため、歴史的に大学vs書籍の対抗関係にあった
●「移動の制限」の代替として、「オンライン」の可能性は大きい。これを如何に活用するか、という集合的行為が大事
ということです。
これを踏まえると、今後のトビタテの在り方は、物理的な留学とオンラインでの学びのハイブリッド形式にならざるを得ません。
最近では、オンライン留学も充実してきていて、そういった道もあるかもしれません!
時代の大きな変わり目ですので、過去から学び、未来を眺める行為が必須です。その際に、書籍から学ぶというのは、大きな手法であり、書籍から学ぶことが出来れば、無理して大学に頼らなくても良いことが分かります。
トビタテでも、今回、桐島が提供しているオンラインのコンテンツや、そのコンテンツを通じた横、斜めの結びつきが増えるような仕組みや機会が沢山提供されているでしょう。
まずは、学びの入口の1つである、本や読書の楽しさを、速読術を通じて経験していただく体験を提供していきたいと思います。
See you soon. 次回は12限目です。