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【読書大学プレゼンツ】2023年オススメ本7選!

 2023年も残りわずかですね。皆さんはどんな1年でしたか。

 読書大学の記事を少しでも読んだことがある方には、本当に感謝しています。ありがとうございました!

 私は、多くの本と出会い、感動したり、共感したり、興奮したり、勉強したりと、更に読書が好きになった年でした。

 今回は、そんな私が2023年に読んだ本(100冊)からオススメ7選をご紹介します!

【内訳】(順不同)
 小説2冊、エッセイ2冊、学術書1冊、健康本1冊、ドキュメント1冊

 少し長くなりますが、気楽にお付き合いください。


『正欲』

〇著者:朝井リョウ(戦後最年少直木賞作家)
〇ジャンル:小説(作家生活10周年記念作品)

〇概要
 ここ数年で特に聞くようになった「多様性」という言葉。
 ある事件をきっかけに、3人の主人公の人生が少しずつ重なっていく。
 登場人物それぞれが「多様性」に振り回され、苦しんでいく。
 あなたの想像する「多様性」は本当に「多様性」なのでしょうか?

〇ここがオススメ!
 タイトルが、不穏というかミステリアスな雰囲気がありますよね。
 読み終わって、まず「これは久しぶりにすごいの読んだな」と感じました。

 「想像力は優しさ」という言葉は、私もたまに目にしますし、結構的を得ていると思います。
 でも、想像力を使って想像しても、その想像を上回る状況にある人が、世の中にはたくさんいるということを、この本は読者にぶつけてきます。

 これまでの自分の人生でも、実は自分の想像が全然及んでいなかった場面が、あったのかもしれないと、考えざるを得ませんでした。

「自分が想像できる"多様性"だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」

このように衝撃的な言葉が次々と襲ってきます。

【自分にとっての正義が、ある人を苦しめることがある】
【想像しても、想像しきれないことがある】
ということを、常に頭の片隅に置こうと思わせてくれる1冊でした。

映画も面白かったので、ぜひ本と映画両方で見てみてください!


『時をかけるゆとり』

○著者:朝井リョウ
○ジャンル:エッセイ

〇概要
「ゆとり世代」の著者が体験した面白過ぎるエッセイ集。
『風と共にゆとりぬ』、『そして誰もゆとらなくなった』のゆとり3部作の第1弾。

〇ここがオススメ!
 とにかく面白過ぎです、これ。
『人志松本のすべらない話』の本バージョンという感じがしました。

 あんまり難しい本よりも、気楽に読める本を求めている方には、ぴったりの1冊であることは間違いありません!
【圧倒的無意味な読書体験!】という言葉が本当にぴったりです。
 先ほど紹介した『正欲』を書いた人物と本当に同じなのかと疑いたくなります(笑)

 何にも考えず、とりあえず読んでみてください!
 でも、公共の場で読む際には注意してくださいね!

(こちらの記事でより詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください!)


『暇と退屈の倫理学』

〇著者:國分功一郎(哲学者)
〇ジャンル:哲学

〇概要
 タイトルにもある「暇と退屈」について、哲学、倫理学、歴史学、人類学、経済学、政治学、社会学、心理学、精神分析学、文学、生物学など、様々な学問から考察していく学術書。

〇ここがオススメ!
 哲学や倫理学と聞くと、身構えてしまう人もいるかもしれません。
 確かに、この本は500ページを超えますし、内容的に難しい部分もありますが、非常に読み応えがあり、読み終わって達成感があります。

 本書では、過去の有名な哲学者の主張に対して、「ここは納得できる」、「ここはおかしい」というのが、ハッキリ述べられているので、哲学初心者の私でも議論を理解できました。

 そのため、「哲学に興味はあるけど、あんまり難しいのはちょっと…でも、子供向け過ぎるのも満足できない…」という方にとって、本書はぴったりです!

(こちらの記事でより詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください!)


『走ることについて語るときに僕の語ること』

〇著者:村上春樹(小説家)
〇ジャンル:エッセイ

〇概要
 33歳から走ることを習慣にしており、フルマラソンやトライアスロン、ウルトラマラソンにも参加するほどの「ガチ」ランナーである著者のエッセイ。
(平均1日10キロ、月に250~350キロ近く走る!)
 内容はまさにタイトル通り、走ることについて語るときに僕の語ること。

〇ここがオススメ!
 まず、タイトルがめちゃくちゃオシャレですよね。本屋でこのタイトルを見つけて、速攻で買いました(笑)

 走ることは、著者にとって単なる習慣をこえて、もはや人生の一部になっています。著者にとっての「走ること」を、自分の人生で大事にしていることに置き換えることで、書かれている言葉がより、自分の中に落ちていきます。

 著名な小説家は天才で、自分とは全く交わることのない人種だと思っていましたが、(意外と?)一般人の感覚と近い部分もあり、親近感が湧きました。

 もちろん、小説家として世界的に有名な著者ですが、個人的にはエッセイも結構面白いです。(『職業としての小説家』など)

 「2024年はランニングするぞ~」とやる気に満ち溢れているあなたにも、もちろんオススメです!
(こちらの記事でより詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください!)


『セロトニン復活ストレス解消法』

〇著者:Jeg(覆面作家)
〇ジャンル:健康

〇概要
 女医と患者の対話形式でストレス解消法を説明する本。

〇ここがオススメ!
 「ここに来ての健康本か~」と、思う方もいるかもしれません。
 しかし、これは結構オススメです!

 ストレス解消法を紹介している本は、今の社会に溢れかえっており、「和食に切り替えろ」とか「運動しろ」とかは、聞き飽きている人も多いと思います。
 この本では、ストレスに関連するホルモンに焦点をあてて、
 ストレス解消にはこういったホルモンが関係している
⇒そのホルモンはこういう働きをしている
⇒そのホルモンこのように生成される
⇒したがって、こういった行動がストレス解消に適している
とった流れで論理的に説明されています。

 しかも、会話形式になっているので、読んでいて置いてけぼりを食らうこともありません。
 また、文量もそれほど多くなく、1時間程度あれば読めるので、気楽に読むことができます。(Kindle Unlimitedなら無料で読めます。)

 私もこの本で紹介された行動で、何か月も継続しているものもあります。


『六人の嘘つきな大学生』

〇著者:浅倉秋成
〇ジャンル:ミステリー小説
 2022年本屋大賞ノミネート & ブランチBOOK大賞2021受賞

〇概要
 成長著しいIT企業の最終選考まで残った六人の大学生に与えられた「六人の中から一人の内定者を決める」というテーマのグループディスカッション。
 そこで起こった事件をきっかけに全員が疑心暗鬼になっていく。果たして犯人は誰なのか?
 就活を舞台に繰り広げられるミステリー。

〇ここがオススメ!
 就活は結構小説の題材になりますが、就活あるあるとミステリ―の要素がどちらもちょうどよく詰め込まれており面白いです。
 また、単純なミステリーではなく考えさせられることも多い小説です。

 人の目に見える一部分はあくまでも一面に過ぎず、それだけでその人全体を表すと思うことが、どれだけ危険か思い知らされました。

 自分が同様の場面に出くわしたら、どの登場人物に近い動きや考え方をするかを考えながら読むのも面白いと思います。

 あまり語るとネタバレになりますので、多くは語りません!
 私は読み進めていくうちに、ページをめくる手が止まらず、1日で読み切ってしましました。
(こちらの記事でより詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください!)


『笑い神 M-1、その純情と狂気』

〇著者:中村計(ライター)
〇ジャンル:ドキュメント

〇概要
 漫才頂上決戦「M-1グランプリ」で前人未到の9年連続決勝進出をした「笑い飯」を中心に、M-1がどのような大会であったのか、またそれに翻弄される漫才師や作り手のエピソードについて、著者のインタビューをもとにまとめられた本。

〇ここがオススメ!
 つい1週間ほど前に、「令和ロマン」が優勝したM-1グランプリ2023。

 この本は2001年に開幕した漫才頂上決戦「M-1グランプリ」が、ただの賞レースではなく、そこには「本当の意味で人生をかけた」者たちがたくさんいることを教えてくれます。
 そして、演者の芸人はもちろん、大会運営陣、スタッフ、関係者など、実に多くの人の思いが結集されていることがよく分かります。

 お笑い好きには、間違いなくたまならく最高の1冊!
 もちろん、お笑いにそれほど興味がない人にもオススメ!

(こちらの記事でより詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください!)


 以上です!
 どの本も思い入れがあり、ついつい長くなってしまいました。

 皆さんは今年どんな本を読みましたか?
 2024年も皆さんの読書ライフが素敵なものになることを願っています!
 そして、読書大学が少しでも、そのお役にたてれば、これほど嬉しいことはありません。

 それでは、よいお年を!

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