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モンゴル民族に目を凝らせば、国民国家、アジアの近代が見えてくる。

 メジャーなものだけを見ていると、かえってものごとが分からなくなる。目立たず日が当たらないマイナーものに目を凝らすことによって、ものごとが見えてくる時がある。精神障害を見るとじつは正常であることの異常さが分かる。不登校を見ると学校に通うことの奇妙さが分かる。
 
 さてモンゴルである。前月に開催されたイベントについて記す(9月も開催予定)。この前の話では、モンゴル系民族はモンゴル、中国、ロシアの国にまたがって生活し、人口は総計700万人程度の民族ということだった。
 
 この話を聞くまで、モンゴル系民族が3か国にまたがって生活していることすら知らなかった。以前遊牧民についてノートに書いたが、彼らの近代史は全く無知だった。世界史に出て来るモンゴル帝国の末裔たちはいったいどのような経過で今に至るのか?これを知る人は少ないだろう。

 それもそのはず、普段、世界は近代国家の論理で動いているから、あえてそれに逆らって見ないと見えない。しかし、マイナーな民族をたどることによって、中国、近代の国民国家、アジアの民族主義の問題が図と地の反転のようにクッキリと浮かび上がって来る。それは天命反転地の体験に似る。

表紙画像はwikipediaより。

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