見出し画像

「集団浅慮」を防ぐには

「集団浅慮」とは、集団で合意形成することによって、かえって不合理な結論や行動を引き出してしまうこと。
「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあるが、その逆となるのです!
「集団浅慮」(グループ・シンク)は社会心理学者のアーヴィング・ジャニスに よって提唱された概念です。

具体的には、集団の中で一人ひとりが自分の考えや判断をせず、周囲の流れに流されてしまい、結果的に良くないことにつながってしまうことです。水泳指導の場面において、集団浅慮が起こる可能性がある場面としては、以下のようなものが挙げられます。

指導者の指示に盲目的に従う場合
指導者の指示は、子どもの安全や学習を守るために必要なものであることが多いですが、指導者の指示に盲目的に従ってしまうと、子どもが危険な目に遭ったり、学習の機会を失ったりしてしまう可能性があります。
例えば、指導者が「深い場所で泳ごう」と指示した場合、子どもの中には泳ぎに自信がなくて不安に感じる子もいるかもしれません。しかし、周りの子どもたちが皆泳いでいるから自分も深い場所で泳がなければいけないと思い、無理に深い場所で泳いでしまうと、水への恐怖心を増長し、最悪の結果として、溺れる可能性があります。

周囲の子どもの行動に影響される場合
子どもは、周囲の子どもの行動に影響されやすいものです。例えば、水遊びの際に、周りの子どもたちが飛び込みをしているのを見て、自分も飛び込みをしたいと思う子どもがいるかもしれません。しかし、飛び込みは危険を伴う行為なので、指導者の指示がない場合は、飛び込みをさせないようにする必要があります。

自分の意見を主張できず、周囲の意見に流されてしまう場合
子どもは、自分の意見を主張するのが苦手な子もいます。例えば、水泳の授業で、どの泳法の練習をするか決める際に、自分の意見を主張できず、周囲の意見に流されてしまう子がいるかもしれません。そうなると、自分がやりたくない泳法の練習をさせられることになり、学習意欲が低下してしまう可能性があります。

集団浅慮を防ぐためには、指導員が子ども一人ひとりの考えや意見を尊重し、子ども自身で考え、判断できるようにサポートすることが大切です。
そのためには、

  • 指導者は、子ども一人ひとりの状況や理解度を把握し、適切な指示を出す

  • 子どもの意見を尊重し、積極的に取り組ませる

  • 子どもが自分で考え、行動できるように、適切なサポートをする

また、子ども自身も、集団の中で自分の意見を主張できるようになることも大切です。そのためには、普段から自分の考えや意見を言えるような環境を整備しておくことが重要です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?