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連載小説「転生ビジネス・カオスマップ」第七部 第20話 見える?

 ……抜かった。

 いや、正確には、十分注意していたのにまんまと拉致られた。
 すぐそばにいたハルトに気付かれる間もなくささっと……
 犯人は相当拉致になれている常習犯だ。

 それにしても、ここどこよ。

 目隠しを解かれた私は、すぐさま状況を確認する。

 どうやら、どこかの工場跡地に連れ込まれたらしい。
 もしくは壊れた戦艦?
 動かなくなってどれほど経つのか、機械や配管やクレーンがサビ臭いオイルの匂いを充満させている。

 そして、目の前に下品なチンピラが3名。
 いやらしくニヤニヤしている。

「ヘッヘッヘ。お姉ちゃん、可愛いな」
「あなたたち、誰?目的は?お金?」
「俺たち、雇い主からは、命さえ奪わなきゃ何してもいいって言われてんだよね。
 こんなに可愛いならもったいないから、少しは楽しませてもらおうかな」
「え?ええ?」

 ちょ、ちょっと待って。
 雇い主って何よ?
 
 これって、史上最悪の状態?
 めちゃくちゃ凌辱されちゃうパターンじゃない?

「さて、どんなことして遊ぼうか?」

 一人が指をパチンと鳴らす。

 ガリガリガリガリ……

 クレーンが巻き上がり、縛られた私の両手が釣り上げられていく。
 すぐに私の体も足も宙に浮く。

 ガガガガガガ……

 今度は両足首につけられたチェーンが左右に巻き取られている。

 ちょっと、これじゃ足が開いちゃうじゃない。

「へへへ、こいつ足に力入れて我慢しているぜ?」

 楽しそうに見ているチンピラたち。
 超ムカつくんですけど。

 でも、両足は無理矢理左右に開かれていく。

 やだ。
 このままじゃ、パンティ見えちゃうじゃない……

 私はさすがに恥ずかしくて顔を背ける。

「なんだよ、恥ずかしいのか?ヘッヘッヘ」

 男ってなんでこんなにデリカシーのかけらもないのかしら。
 全員、スピカのドラゴンの餌になっちゃえばいいのよ。

 なんて心の中で言ってみても、ピンチの状況は変わらない。
 もう両足は完全開脚状態。

 ……いやだ……絶対これ見えちゃってる……

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