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2023皆生トライアスロンレポートその⑤ラン編

ランスタート

いよいよ最終種目、地獄のランへ突入しなければならない。昨年同様だが、昨年以上に今年はサロモンのボトルポーチが命綱だ。まずは走り出す前にエイドでしっかり氷水を満杯にして、さらに頭から水を被って、コーラも飲んでから走り出す。

サロモン SENSIBELT これはマジおすすめ

普通、ランスタート時にゲートを通過すると思うのだが、どこにもあのセンサーシートが見当たらない。どこかで見逃したか?と思ったが仕方がないのでトランジションエリアを抜ける柵の出口のところでガーミンのラップを押した(長いT2だった・・・笑)。※どうやらバイクゴール時だけにあって、その後T2はランに含まれていたらしい

ブリックランを徹底的にやってきたので、走り出すこと自体には問題はなかった。5分台前半で行けている。しかし、すでに気温は36度超。猛烈な暑さだ。普通、外での運動は控えましょうと言われるような状態でこれから40キロ走ろうってんだから常軌を逸している。まずは海岸沿いをすこし走ってから街の方へ左折する。

名物信号待ち

ここからが皆生名物、信号待ちのオンパレードだ。これが数キロに一回以上の割で引っかかるから、たちまちラップは落ちてしまう。最初のうちこそ何とか回復させようと思ったが、すぐに「そういう場合じゃない」ことに気づいた。それより、エイドごとにしっかり水を被って氷水を補給することの方が大事だ。

ただ、エイドは約2キロ+αごとにしっかり設置されていたので、まだ前半のうちはボトルポーチの水を浴びながら着実に距離を踏んで行ける感覚があった。

だいぶ街のほうへ進んで約3.6キロ地点、西福原一丁目の交差点を右折。今度はしばらく県道317を道なりに進む。数キロ進んだ約6.5キロ地点で、係員が「こっちこっち」と案内している。ああ・・・歩道橋で反対側へ渡れと。キターッ

名物歩道橋

皆生名物、歩道橋

これはバイクで脚を使い過ぎているとモロにダメージを食らう鬼門である。過去にも歩道橋で脚を攣った選手を何度かみかけた。果たして今回も、下り階段の途中で動けなくなっている選手が居た。気の毒だが、仕方がない。

そして昨年も見覚えのある、右へゆるやかにカーブしていく道をしばらく行くと約8キロ地点で国道431にぶつかるのだが、その信号を回避させるため、一旦脇道に逸れて地下道へ案内される。バイクではお馴染みの地下道だが、昨年のコース変更からランにも登場したわけだ。

新名物地下道

ここからR431の下をくぐる

地下道の中は当然日陰でちょっとだけ涼しく、そこで応援してくれてる人もいて「良い考えかも」と思った。

そこを出ると住宅街の端っこを真っ直ぐ海岸沿いへ進んでいく。途中、民家の旦那さんがホースで放水してくれていた。ありがたい!というのも、この区間はなぜか4キロ程にわたりエイドが無いのだ。

船着場みたいなところ

神の私設エイド

8.5キロから完全に海沿いのサイクリングコースに出る。ここからは一切日陰のない恐怖の一本道が始まる。川の船着場のようなところを過ぎてジリジリと焼かれている頃に、見覚えのある黒光りしたオッサンが小袋を抱えて道の脇から出てきた。田中社長だ!「氷あるよ!」うわーっ神様仏様田中様。「ありがとうございます!めっちゃ助かります!」「もっとあげる、ホラホラ」「ヒャーッ最高!」

ウェアの中に入れて、しばらくだいぶ冷やすことができた。めちゃくちゃ元気出た。とはいえ、まぁ一瞬なんだけどね(笑)。

そしてもう少し行くとチーム「non-dell」の皆さんが私設エイドを開いてくれており、またしても冷水をゴチになる。さらに、JETTのまーこさん達のチームにもお世話になった。本当にありがたい。地獄に仏とはこのこと。わかってる、さすが、この人達はわかってる・・・!!

そして一旦国道431沿いに出る。道路沿いは車が行き交い、ギラギラと光が反射してなおさら暑く感じられて辛い。海沿いのほうがまだ気が紛れる感じがする。

JETTスライド

なんと、このあたりでもう先頭が帰ってきた。やはりINBE選手だ。そして2位はだいぶ引き離されてはいたが、あれはJETTのトライスーツ!!Soheiだ!これは嬉しかった。彼自身も2位であることをわかっていて、右手で指二本立てて満面の笑みで走ってくる。「Sohei2位!凄いすごい!GoGo!!」総合2位の選手とスライドでハイタッチできるなんて・・・

だいぶ長く走った気がするが、実際にはたった2キロほど、10.8キロでようやく次の公式エイドにたどりついた。ここは海岸入り口へ入ったところにぐるっと回り込んだ形になっていて、計時もされるのでスルーしてはいけない。

弓ヶ浜海岸入口

また氷水を満杯にし、水を大量に浴びてドボドボになり、梅干しを貪り食い、コーラを飲んでバタバタとエイドを後にする。その後も順次Koji、Devinとスライドした。二人ともすごく良い位置を走っている。さすがとしか言いようがない。「Don't stop running!」「Yeeeaaah!」めちゃくちゃ元気をもらった。

12.6キロあたりでまた海岸のサイクリングロードに入る。

ストビューでは工事中になってるけどもちろん開通済み

ほどなくして次のエイドがあった。またもドボドボに水をかぶって氷水を補給。命の氷水だ。このあたりから、遠くに折り返し周回地点の夢みなと公園が見えてくる。あそこまで行くのか・・・さらに今年はあのあたりでグリグリと嫌な周回が待ち受けている。

ジリジリと進み続け、ようやく17キロ地点、昨年の折り返しに到達。そこからさらに開発中の埠頭のようなエリア(建物もまばら、すなわち日陰がない)を進んでいると、道の反対側の対向を進むRuiさんが来た。「待ってますよ〜」って、追いつくわけないやん(笑)。

そしてようやく中野緑地のエイドに至る。と、ここでKitaiさんが追いついてきた。追いついてきたということは明らかに彼の方に勢いがある。「はーもうダメっすわ〜、行っちゃってください!」

折り返し

その後、開会式で「この建物が折り返しチェックポイントだから必ず入るように」と言われていたところに到達。19.6キロ。ほぼ、中間点だ。しかしここからの区間は、まったく日陰がない殺伐としたエリアを淡々と走らないといけない。

写真入りで説明されていたのでわかりやすかった

一旦引き放されたKitaiさんとは、エイドの度に追いついてはまた離されるというパターンが続いた。このあと、境夢みなとターミナルのところでもエイドがあった。そこからまた夢みなと公園を横に見ながら「ああ、去年はここが折り返しだったなぁ」と思いながら、往路きた道に戻る。

この埠頭エリアグリグリ周り(笑)で5キロくらい稼いだので、残り15キロ。あと3キロほど頑張れば、朝練でよく走った距離になる・・・!!

また海岸をジリジリと走り続けているうちに、なぜかまた脚に力が戻ってきた気がして、じわじわとKitaiさんに追いついてきた。いくつかのエイドの後、ついにまた抜き返す。でも彼は後発ウェーブだから、実際には彼がまだ5分ほど前を走っていることになる。

ミスコース

歯を食いしばって進み続ける。また4キロのエイドなし区間、まーこさん達の私設エイドにめちゃくちゃ助けられた。船着場みたいなところを過ぎて、偶然前にも後にもランナーが居ない状況になった。そこから右折したとき、別れ道があった。係員は居ない。路面に矢印もない・・・どっちだ?どっちだ?!

どっち?どっち?!

ここで「何となく」左へ行ってしまった。「あれ?おかしい?これ、おかしい?」と思いながら。思うんならすぐ止まればいいのに、こういう時は正しい判断ができないものだ。違う、違う気がする、どうする?どうする俺?と思いながら、あろうことか600メートル以上進んでしまった・・・

いよいよ誰も居ない。これは明らかにおかしい、とようやく踵を返した。元の別れ道に戻るまでの時間が永遠に感じられた。そして別れ道の右の方に進んで直ちに「こっちやった!」と確信したが時すでにお寿司。1.2キロ以上も余計に走ってしまったのだ。時間にしてたぶん7分以上。致命的だ。

それまでしばらく調子良く走っていたのだが、ことここに至って完全に気持ちが折れてしまった。ペースはガタ落ち。走行距離は35キロを超えていたが、実際の距離がわからなくなってしまった。ただ、6〜7キロであろうことは間違いない。

この辺りでガーミンが「バッテリー残量低下」アラートを表示。ああ〜またか・・・今回は10時間台でゴールできるはずだから標準GPSモードにしてきたのだが、持たないということはすでに電池がヘタってきたということか。

県道317から米川の方に行く際、JRをの跨線橋を渡るのだが、これが実に苦しかった。エイド以外歩かないことに決めているが、もうほとんどヨチヨチ走り。

写真ではよくわからないが、きつい跨線橋

ガーミンで37キロ過ぎ、実距離で36キロあたりで米川に至る。ここから川沿いをあっち行ったりこっち行ったりしながらあとは最後の陸橋を渡れば競技場に至る。しかし、ここからが実に長かった。もうすでに17時を過ぎ、気温はわずかに下がってきているのは感じられたものの、全身の疲労はピークでジョギングしかできない。

ガーミン(また)死亡

そして38キロ過ぎにガーミンが死んだ。富士五湖に次いで今日もか・・・!!またしても残り距離がわからない地獄が追加された。最後のエイドで「残り2キロですよ!」と聞いてヨシ!と思ったのだが、実はそこからさらにしばらく走ってから「残り2キロ」の看板が現れ、さらに心が折れた。

もう何人もの選手に抜かれているが、ついていく気力はない。ロングはたくさん走ってきたが、こんな酷いランはなかった。まぁ良い。少なくとも生還はできそうだ。それが一番大事だ。

ようやく最後の陸橋に至る。前の選手たちは歩いていたが、意地で走り続けた。

最後のお仕置き

そして、ジリジリともうしばらく走り続けてついにゴール地点どらどらパークの照明塔が見えた!あれだ!あそこがゴールだ!この安堵感は計り知れない。

地下道をくぐり、競技場に入る。一部のマラソンや宮古島もそうだが、最後の競技場ゴールというのは独特の高揚感があるものだ。幸い今回も前後に選手はいない感じだった(笑)。最後の力を振り絞ってトラックを300メートル。やった!ついにやった、この地獄のレースから生還したのだ。

ゴール

正式計時 ランラップ4時間39分36秒 146位(ランで54人抜かれとる)
総合記録 10時間51分48秒 105位/932人 M55エイジ9位/170人

疲れた・・・

総括・帰宅編につづく

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