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ガス・ヴァン・サント監督作品はどうでしょう?

  アメリカ人映画監督第2弾としてガス・ヴァン・サントを挙げたいと思います。私は彼の映画は好きですね。作品には出身のオレゴン州が舞台になっていることが度々あり、監督本人がゲイなので主人公が同じ感じであることが多いけど、騒がしい作品ではないのがいい。構図が広くて私好みですが皆さんはどうですか? そんな監督作品数点紹介します。

・ドラッグストアカウボーイ 1989年

 タイトルの意味が全く分からずにマット・ディロンのカッコ良さで観た映画 酒とたばことドラッグの若者の映画 時代背景は1970年頃 ポートランド3部作のひとつ
 麻薬常習者のボブ(マット・ディロン)は妻のダイアン(ケリー・リンチ)、そして友達のカップル4人で薬局を荒らして薬を手に入れていたが、病院を襲ったあとにちょっとしたミスをしてそれが原因で仲が悪くなる。そんななか友達のカップルの女性が中毒死をしてしまう。ショックを受けたボブは更生の道へ。しかし、以前の手下に撃たれてしまう。

 麻薬を服用した時に現れる幻覚を映像化しているのだけど、ちょっと怖かった記憶がある。まだ若かったから余計にね。ダイアン役のケリー・リンチのすごみもこの映画の見どころだと個人的に思っている。この映画は監督のデビュー作品で、マット・デイモンはインディペイントの主演男優賞を獲りました。

・マイプライベートアイダホ 1991年

 私の推し(昔で言うとアイドル)リバー・フェニックスが出演となら観に行くでしょう!いまだにパンフレットも持っています。話は、男娼をしていた2人が出会い母を探す旅に出るロードムービー的な作品です。
 リバー演じるマイクは難病を抱えながら男娼として生計を立てている。ある日顧客の家でキアヌ演じるスコットと再会。人生を考え、おぼろげに覚えている母親を探しにアイダホに2人で向かう。道中、スコットに愛を告白するマイクだがフラれてしまう。結ばれないところがこの映画の良さ。

 冒頭にシーン、焚火をしながらの告白のシーン、バイクで走っているシーン、どれもこれも映像が美しく(リバーとキアヌだからか。。。)感動します。最後は離れ離れ、切ないけどそれが現実。
LGBTを扱う映画だけど話はライトノベルで優しい物語になっているので、私は好きです。
 ご存じのようにリバー・フェニックスは23歳で急性薬物中毒により亡くなっています。この映画で、複数の主演男優賞を獲っているリバー・フェニックス、亡くなったことはアメリカ映画界の痛手になったと思っています。LAに行った時に、彼が最後に居たクラブに行きそびれたのが残念でならない。

・グッドウィルハンティング 1997年

 大学で清掃の仕事に就いている人がコソッと難しい数式の問題を解く、勿体ないと教授が手を差し伸べるヒューマンドラマ この映画もいい話でしたね。
虐待を受けて育った孤児のウィル(マット・デイモン)はPTSDを発症している天才青年。清掃の仕事をしている大学の数学教授が只者ではないと思い、妻を亡くし失意の中にいた精神分析医ショーン(ロビン・ウィリアムス)を紹介する。初めはぎくしゃくしていた関係も徐々に溶けていき、笑顔が増えてくる。孤立していたウィルは仲間と過ごす時間が増え、ショーンは亡き妻のことは心の中にそっとしまう

 この映画はマット・デイモンとベン・アフレックが脚本を書いている。そしてこの映画から2人の快進撃が始まる。(アカデミー脚本賞も受賞)
 ベン・アフレック演じるチャッキーはウィルの幼馴染でいつも彼を気にかけ、助ける。良い役どころを演じたベン・アフレックの粗削り演技も面白い。あと、この映画にいい台詞(名言)が沢山あるそこも見どころ。

・エレファント 2003年

 1999年に起きたコロンバイン高校の銃撃がベースになって製作された映画 出演している高校生はオーディションをして出演している本物の学生なので、フィクションを観ている感じになった。
 軽い高校生活を送っているジョン(ジョン・ロビンソン)にはアル中の父親とフツーのお兄さんがいる。遅刻を咎められやる気もなくなった彼は何をすることもなくダラダラと校内を歩いまわっていた時に、いつもと雰囲気の違う重苦しい感じのいじめられっ子アレックスとエリックとすれ違う。中に入るなと言われたジョンは何事かと2人の様子を伺う。校内に入るなり銃声が聞こえ、泣き叫ぶ学生。

 淡々と同級生を撃ち殺していく様子がこの映画の隠れた怖さ。楽しい学生生活なのに、あまりにも酷すぎる結末。日本でもいじめ問題はずっとなくならない、なぜ人を生き物を虐待していく人間が育つのか、誰か教えて欲しい。
 映画はこの惨劇だけではなく、ジョン(黄色いTシャツの子)のゆる~い生活も垣間見れるので少しホッとします。ジョン・ロビンソンってトランスフォーマーの俳優さんって知ってました?

・ミルク 2008年

 ゲイを公言してあらゆるマイノリティの社会的向上を目指した活動家 ハーヴィー・ミルク の半生を描いた映画。主演がショーン・ペンなんだと思ったんだけど、さすが名優、表情、物腰が優しくて本人(写真でのみ知っている)とうり二つだった。
 残念ながらこの映画は観ていないので感想が言えない。。。どんな感じなのかな

 最近も新作を製作しているサント監督、御年72歳まだまだ頑張っていい作品を世に出して欲しいです。

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