見出し画像

家庭用ゲーム会社に就職したと思ったらソシャゲ会社になってて会社をやめた話

どうもケツ毛ハンターのどんぺまです。

ケツ毛ハンターとは自分のケツ毛を刈り取る者の事を指します。

どうでもいい

前回のお話はゲーム会社1年目のお話でした。

2年目​

新人は0人。なので自動的に一番若手は僕になります。最悪。後輩もできない。先輩はイキってるのでもっと最悪。これがもう1年続くとなると辛い。めっちゃ気使う。飯誘う癖してずっと携帯みてパズドラやってる。この先輩があと二人いたらテン!っていう子気味の良い音が聞こえて1COMB稼げてた

というか自分レベルを雇っておいて今年は良い人がいなかったよとかそんな事はない。あんたらが採用活動を怠っているだけだ。現にマイナビにも登録してなかった。あそこに掲載するのには金が掛かると言うが金の掛からない採用活動なんてない。

待っててもバンバン来る所は知名度が高い所でおおよそゲーム会社のデベロッパーは知名度は低い。プラチナとかゲームフリークとかは有名だけど。

なので

母校に会社説明会に行く

絶対に自分レベルの奴が毎年いるはずなので今年は0人という事はどうも納得がいかなかった。救いを求めて母校の就職担当の人に1通のメールを出した。説明会開かせてクレメンス的なやつ。

てか今思うとめっちゃ偉いな俺。会社の為に人材を集めようとするとか。

んで開催時期は5月、6月。ここらへんは大手戦争に敗れた者たちがたくさん居いがち。あとギリギリつかえるライン。就職担当の先生もIT会社に行きましょうね~言い始める頃。ほら、ここは履歴書出すだけで内定出してくれるから!って言うけどむしろヤバイだろその会社。他には自分よりもプログラム出来る人がIT会社に吸われていく様を何人も見て来た。

僕:おい!ダメだ!そっちに行ってはいけない!戻って来るんだ!

友:もう・・・疲れたんだ・・・。IT会社に内定でたし・・・

僕:ゲーム会社にいくんじゃなかったのか!

友:君だけでも行ってくれ。俺は一足先に上がるよ

僕:くそッ!なんで俺より出来るのに諦めんだよ!

友:ごめんな

僕:俺は悔しいよ!こんなのおかしい!

友:俺の心が弱いのがいけないんだ

僕:俺より先に内定を取るのが悔しい!

友:いやクソか。

こんな具合の疲弊しきった輩が多い。とはいえ人数はまだ多い。なんか適当に説明会しただけでも40通ぐらいの封筒を携えて帰る事ができた。というかこの時期はもう会社選んでられないから兎に角出せというフェーズ。去年自分もやってたから覚えている。その中でも一番良い奴を面接に招待すればよい。結果1人入社する事が決まった。

ようやく本格的なゲーム開発かと思いきや

3Dモデルを作るソフトがなんやかんやでサポートが終了する予告がでた。なので新しいソフトに移行しないといけない。しかしモデルの出力形式は自社用にカスタマイズしており新しいソフトでは出力できない。だから誰かが新しいソフトで今まで通りのモデルの形式を出力できるようにしないといけない。

誰が?

俺かい!何いってるか全然わからないよ!そんなのFBXとか標準の形式つかえばいいだろ!なに?マテリアル情報がFBXに仕込めない?結局拡張するハメになる?他にもゲームで使う情報を色々仕込まないといけないから無理だって?

つまりゲームはつくらずそのモデリングソフトやらの出力対応をしろという話。

全然面白くなさそう。モデル形式というか頂点情報とかなんかそういうの弄り倒さないといけないんでしょ?なにそれ?プログラマがやることじゃんそんなん。

俺プログラマだったわ。

いや、まぁやりますよ。仕事ですから。じゃあその出力プラグインとやらの前回対応してた人がいるわけですから引き継ぎ作業からはじめますよ。

そのプログラマは去年やめた。

おい!

5人一気にやめていった。

事件じゃねぇか!今10人で三分の一の戦力がいなくなってるじゃねぇか!一体なにがあったんだ・・・。不本意な形でプロジェクトが中止になって皆キレてやめていったらしい。詳しくは教えてもらえなかった。

3か月ぐらい出力プラグインを作ってた

頂点情報を吐き出し、アニメーション情報を吐き出し、マテリアル情報を吐き出し、テクスチャを情報を吐き出し、カメラ情報を吐き出し、愚痴を吐き出し・・・

まじで頂点情報出すだけで1日かかったりしてた。1日ならまだ良い。必要な情報取得に数日かかる日もあった。何も成果が上がらなくてすごい焦った。

上司は別にそんな焦らなくていいよ。明日サポートが切れるとかいう話じゃないし。数か月でおわるんじゃない?みたいなニュアンスだった。

それでも毎日脳が焼き切れるかと思った。リファレンスの量が膨大すぎる。モデリングソフトの使い方もわからんし。

特に先駆者がいない状態での作業はつらい。調べても英語のサイトしかない。公式の英語リファレンス頼み。翻訳しながら読んでもすぐ眠気が襲ってくる寝る。おやすみ。春になったらおこしてください。

そして春がきた。

ソシャゲ開発のはじまり

モデル出力ソフトの対応がおわり暇になったのでようやくプロジェクトに入る事になった。長かった。同じ専門学校を出た人達は別の会社で1本作り上げてリリースしたり同期と楽しく飲んだりしている話を聞くとめちゃ羨ましかったしなんか遅れを取っているという感じがした。

じゃあ一体なにを作るんだと蓋を開けてみると

子供向け大人ターゲットのソシャゲを作るとかいう意味不明な題材だった。

題材は子供向けのタイトルなんだけど子供はソシャゲでお金落とさないから実際には大人が遊ぶゲームを作る事になるという矛盾を抱えた開発だった。

てかなんでその仕事とってきたん?いやこの会社も仕事が選べる状態じゃないんだ。来た仕事はやるというスタンスなのか。

自分が遊ぶゲームを作る会社に行くべき

あんまり興味ないタイトルで興味ないジャンルのゲームが来ると全然やる気がおきない。まじで。

とはいえ逆に守備範囲を広げておけば何来ても楽しく仕事ができるという事になる。なので守備範囲を広げるようには意識している。

ゲームで興味なくても話題だったらとりあえず買ってみるしクリアまで苦しくても遊んでみたりする。アニメもBLとか興味ないけど1クールみてたりもした。世界一初恋はおもしろかった。子供向けアニメも観たりした。スマイルプリキュアは最高だった。仮面ライダー電王もよかった。

だから守備範囲は広げてた方だと思っていたがすべてを網羅するのは不可能。子供向け題材のプリキュアとか来てたら

え?プリキュアが3Dで本格戦闘ができるゲーム!?ビル何枚も貫通して吹っ飛ばされたりするの!?いややるわ!俺キュアブラック使う!がんばって作るわ!となったのだが別の子供向けだったのでそっちかーという感じだった。

なので次に行く会社は実際に自分が遊ぶゲームを作る会社。自分が好きなジャンルが集まりやすい会社に行った方がよいなと思った。

ちゃんと自社の強みがある所。うちはこれが得意です!という会社であればそうそう真反対のジャンルが来る事はない。得意なジャンルの案件が集まりやすい。

強強プログラマーではなかった僕はそんな選択肢はなかったし学力も高くなかったので靴ぺろぺろ舐めますからゲーム業界にいれて下しあ!みたいなスタンスだった。

だから行きたい会社があるのであればその会社に向けた作品を作ると刺さりやすい。じゃあカプコンでモンハンとか作りたい!と思ってモンハンみたいなの作ってもその前のSPIとか学力チェックで落とされたりするし大手は作品提出すらなかったりする。書類と一緒に忍ばせておくぐらいか。学力は就活の時に使えるので大事。

ゲーム会社の筆記試験は数学と英語はよく出て来たしゲームエンジン作る部署みたいな所だと難しい計算式とかをプログラムに落とし込まないとなので使い続ける可能性はある。

僕は数学と英語が来ると寝ます。

冬になったら起こしてください。


そして冬になった

ソシャゲのリリース直近の重労働

毎日0時過ぎまで残業。家がチャリで15分なので終電とかない。
ずっと働いてられる。早く解放してくれ。

その作品に対して興味なかったけど幸い声豚だった僕は好きな声優さんが沢山いらしたので全話みる頃にはその作品も好きになっていたブヒ

先輩がえ?なんでこの子こんな格好してる?みたいな質問してきたら

○○ちゃんわぁ!(声高い)○話の時にこういう事があったからこういう姿になったんですよぉ!↑(声ひきつる)だからこのスキルも理に叶っていてこの仕様考えた○○さん分かってるなって!(つばを飛ばす)

え?ああそうなの?とか先輩がどん引きしていた。

とはいえ重労働はきつい。いやマスター前はしょうがない。リリース前のデバッグ期間でありとあらゆるバグが発生する。デバッグ会社から50件数ぐらい飛んできて冷や汗かいて手が震えていた事を覚えている。そしてその後も増え続ける。

でも重労働はMAX2か月が限界だと思った。3か月続いてたらある日突然会社に行かなくなってたと思う。足が動かないというか完全に思考が死んでいた。朝起きてベットから降りるのに1時間かかったりしてた。

今日も仕事いくのか?バグつぶさないと。また0時帰りか。あ、出社時間になってる。遅刻だ。でもいいや。遅刻しても行くだけマシだろ。行きたくない。帰りたい。寝ていたい。でも体が動かない。

とかずっとやってて遅刻して会社に行ってた。

業務内容も完全に飽きてた。UI担当で渡されたUIを組みむ仕様通り動いたらおkそして次のUIを組み込む。の無限。もう3Dとか忘れた。

プランナーさんがこのUIはここしか使わない特別なUIだから(嘘である)

と言われて馬鹿正直に組むと

あ、やっぱりココとココとココにも表示されますんでよろしく~

みたいな事になってうわああああ!ってなる。汎用的に作るの大事。でも汎用的に作りすぎるとカオスになるのである程度デカくなったら切り離して単体でも動くようにシンプルに実装していくの大事。

分かっちゃいるが「これ今日中ね!」とか言われるとクソみたいなものが出来上がる。時間をくれ。

不可能な要求をしてくるパブリッシャー

ここらへんのソシャゲ会社のパブリッシャーの人はマジでゲームしらない人が少なからずいる。良い大学出てきたから学力とプライドは高くてそのままプロデューサーになった人が結構いる説。年収もやばい。毎日キャラバクラとか行ってる。ヘリで通勤してる。完全に偏見だが。

こっちのゲーム会社は昔からゲーム作ってるのでゲーム全然やらない知らない人の指示が明後日の方向で何度も飽きれた。

というか頭良いのにバカなんじゃないかと思う要求があった。

例えば入力遅延の話。アンドロイドで古く性能が低い機種だと遅延が発生する。もうハードが原因なので避けられない。0.5秒ぐらい反応が遅れたりしてクソゲーとか思われるがクソケータイを買い替えろと言いたい。対応したくないけど海外でシェア率が高いので無視できない。

でそれに対して「え?画面タッチしてから0.5秒ぐらい遅れる事が分かってるなら対応できるじゃないですか」と言ってくる。

なるほど。その通りだ。0.5秒前にエフェクトとか出せば完璧だ。やっぱり頭良いなこの人。ではどうやって入力する前の判定を取ればよいのか。

画面に触れない状態で入力される0.5秒前に触れられる場所を予測しエフェクトをだす事ができれば完璧な理論だ。そう未来予知だ。未来予知を実装しろって言ってるんだこの人は。


バカタレが!

出来るわけねぇだろそんな事!何台もカメラを設置したり指先に装置つけたりすれば出来るかもしれんなぁ?でもそんなゲームが過去にあったか?ないだろ?

という事は言えないので懇切丁寧に笑わないで真顔で説明する

「そーですねー。その入力する前の情報というのが取得できないのでー。画面に触ってもらわないとプログラムは動作しないんですよ。なのでそれは不可能なんですよね」

「え?だから!遅れるのが分かってるんでしょ!遅れるのが分かってればその前にエフェクト出せますよね!」

「ですから、「その前に」という判定がケータイでは難しいんですよ。画面を触っていないわけですから。画面を触らない状態で入力予測をしないといけないそういう事をされてるゲームは今まで無いはずです」

「いやだから!遅れる秒数が分かってる訳ですよね!」

「はい」

「であれば可能じゃないですか!」

「いやですから!」

みたいな事を何度してようやく分かってくれる。なんでこの人達の指示でゲーム作らないといけないんだと心底おもった。が頭おかしい人はどこに行ってもいる。良い方向におかしくゲームを面白くする事を言うなら分かるがこういうパターンがくると終わる。

ゲームは完成しリリースされるが終わらない

発売されてもあんまり達成感はなかった。むしろこれから始まるのがソシャゲ。ゲームを運営していくとはこういう事なのかと。

バレンタイン、ホワイトデー、クリスマス、お正月などなどのイベントを作っていく。バグや不満点を修正して行きよい物にしていく。すべてのキャラとスキルの組合わせの検証は不可能で低レアが一番強くなる組み合わせが発見されてガチャを回す意味がなくなってりもしてた。

そしてこれがもう1年続くのかと思うと嫌気がさした。また1年UIを配置しつづける係になるのかと。と思っていたが


本格的にやる事がなくなる

イベントが数回つくった頃かゲームの人気はなくなって行き低空飛行をしていた。ファンは多い作品なので一定数はいる。一定数いて一定の収益は出続けている。

石油王が2人ぐらいいるらしい。とはいえフルメンバーで運営していくと採算が合わない。やる事といえば新規カードを追加しイベントや新ストーリーを追加していく。もうプログラマは必要ない。プランナーとデザイナーだけで運営できるような仕組みに移行しつつある。バグもなくなった。


1、2か月ぐらいやることがない。次の仕事がこない。プログラムの動作は安定しているので手をいれる必要はない。本当にやる事がない。

なんかする事ないですか?と聞いてれも勉強とかしてれば?みたいな感じ。こういう時期は会社的に今までもあったっぽい。しかし仕事してない社員を抱えてるほど会社に不利益な事はない。本当に座ってるだけで給料が振り込まれる。ボーナスも20万ぐらいもらえる。

どういう事だ。働いてないのに金が入ってくる。ボーナスが来る。仕事しなくていいから金だけくれ!とか冗談で言ってた時はあるが本当にその状態。

やる事がなく暇というのは本当に不安になるし辛い。忙しい方がマシ。まだ2年目なのでこうしてる間に他の会社に行った人たちはモリモリ働いて技術力を上げていっている。

そうした焦りと不安が日々大きくなっていき耐えられなくなった頃に就職活動を始めて転職をした。



おわり


ここまで読んでくれてありがとうございます!

いやー長かった書くのも疲れた。労働だよこれは。労働には対価が払われるべきだよ。なのでここからは有料です!銀行残高0円なので食費ください。

転職活動編

ここから先は

4,477字

¥ 100

100円でも入れると新作が1週間以内に出るガチャです