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2023年10月の記事一覧
にぎやかな葬儀【逆噴射小説プラクティス】
公園のベンチで本を読んでいると、汚れたTシャツ姿のオッサンがそばにドカッ、と腰を下ろした。
「ふぅ~っ、暑いね!」
言いながら自分の横にトロフィーを置いた。木製の台座が血まみれだった。銀のプレートには「優勝!」の3文字。台座から屹立している金色の胸像の顔は、オッサン本人だった。
俺は文庫本をそっ、と閉じて、「暑いですね」と返した。
平日昼の公園、誰もいない。俺とオッサンのふたりきり。
公園のベンチで本を読んでいると、汚れたTシャツ姿のオッサンがそばにドカッ、と腰を下ろした。
「ふぅ~っ、暑いね!」
言いながら自分の横にトロフィーを置いた。木製の台座が血まみれだった。銀のプレートには「優勝!」の3文字。台座から屹立している金色の胸像の顔は、オッサン本人だった。
俺は文庫本をそっ、と閉じて、「暑いですね」と返した。
平日昼の公園、誰もいない。俺とオッサンのふたりきり。