【習作】無題の引きこもり

月曜の昼過ぎ。私はいつもと同じ時間に目を覚ました。
外では蝉が鳴いている。窓から遠くに見える校舎は、日差しで白く照らされていた。5限目が始まる頃合いだろうか。そんな考えが頭をよぎったが、もうよく覚えていないし、どうでもよかった。
布団から這い出し、パジャマ姿のままPCの電源を入れる。

【習作】無題の濡れ衣

俺は人気のない裏路地にいた。
羽織った外套の裾には血が染みついている。右手には5発だけ装填された、護身用リボルバー。
そして俺の足元には、こめかみに風穴を開けたロバートが横たわっていた。
「これじゃ、まるで……」
俺が殺ったみたいじゃないか。
そう呟こうとしたとき、背後から靴音が聞こえた。

【習作】無題の汚れ仕事(2)

【承前】

「ああ、お疲れさ……何だと?」
俺は煙草を取り落としそうになった。標的の数は12体。動員された≪清掃屋≫は4名。すでに俺は担当分の3体を処理し終えている。だが、どうやら誰かの尻拭いをする羽目になったらしい。
「場所は」
「C地区です。数分前から、当該地区の担当者と連絡が途絶しています」

【習作】無題の曇った記憶

両親が殺された夜のことを、僕はうまく思い出せない。
覚えているのはリビングで血を流し倒れ伏す両親の姿と、血だまりの上に立つ誰かの影。それが何者だったのか、何が起きたのか、僕はなぜ無事だったのか。幾度も思い出そうと努力したが、そのたびに頭がボンヤリしてきて、うまくいかないのだった。

【習作】無題の腐乱死体発見

個室ユニットの扉を開けると、苦甘い腐敗臭がどっと溢れ出てきた。
私は思わず顔を顰める。中に横たわるのは予想通り宿泊客の成れの果てだった。蛆が湧き、染み出た液体がシーツを黒く染めている。管理が行き届いていない施設と聞いてはいたが、勤務初日から腐乱死体に出くわすのはさすがに予想外だ。

【習作】無題のAI人権保護団体

今日の”アイ・ライツ”の連中は、どこか様子がおかしい。
彼らは普段通り、最もアクティブ率の高い土曜21時に≪ナイトランド≫に現れた。だが今日の彼らは「デモ」と称して非AIプレイヤーへ妨害を行うことも、AIキャストを無理強いして、ありもしない不平不満を聞き出そうすることもなかった。

習作。

写真に撮ると
不思議とデッサンの狂いが見える。

首太いとか。

【習作】無題の漁村探訪

夕暮れ時。眠い目をこすりながら市バスから降りた僕は、入江を囲うように広がる鄙びた漁村の風景を見て、ため息をついた。
よりによって最終バスで寝過ごしてしまうとは。
傍らのバス停には「終点 伊須磨村」と書かれている。今日はこの村で宿をとるしかなさそうだ。生温い海風は潮と魚のにおいがした。

【習作】無題の狼狽した語り手

「……で、何があったんだ?」
俺はジェイクの様子が落ち着いてきたのを見て取り、話を切り出すことにした。
時刻は深夜1時。ジェイクが連絡もなしに押しかけてきたのは10分ほど前のことだ。
その時の彼はひどいなりで、服のあちこちが擦り切れ、体中に異臭のする汚泥のようなものがこびり付いていた。