前編はこちら↓

あの家でタイゾウに会ってから、
もう5年が経った。
「タイゾウ、今何してるんだろ。」
そんなことを思っていると、
2週間後、春休みにあの家に行くことになった。
といっても、家そのものはなく、
土地だけが残っている。

なぜ行くのかというと、
土地ばかり持っていても税金がかかるため、
売却するつもりで、
久しぶりに土地の状況を確認しに行くらしい。

5年ぶりに、ここへきた。
あの時の縁側はこの辺だったよな、
そう思って荒れまくった草をかき分けて進むと、
何かが埋まっていた。
掘り起こしてみると、
なんとそれは古い下駄だった。

父さんにこの下駄について聞いてみると、
「お、それ、親父の古い下駄じゃないか。よく見つけたな。」
そう言われた。
あ、ひょっとして、あの幽霊「タイゾウ」は
この下駄に宿る祖父の魂だったのかな。
そう思った。

家に帰って、
「鳥羽 泰造 小児科医」
と調べてみた。
そこには、幽霊として出てきた、
あのタイゾウと似た優しそうなおじさんが出てきた。
「こんな人だったんだ、タイゾウさん。
ああ、人として会ってみたかったなあ。
あれ、でもこの顔、昔見たことがあるぞ、本人を。

タイゾウさんについてもっと知りたいな、と思って、
おじいちゃんの写真があるところへ行った。
すると、父さんがすすり泣きしながら祖父の写真を見ていた。
「ああ、なんで父は殺されなきゃならなかったんだ。」

「え？」
「殺された？」
僕は一瞬何を聞いたのかわからなかった。
「まさか、おじいちゃんが死んだ原因は他殺だったの？
そんな、、、」

そこで僕はネットを漁って15年前の殺人事件についての
記事をまとめたサイトを見つけた。

「20xx年4月25日、病院から帰宅途中の60代と見られる男性が、
帰路で何者かによって殺害された。
犯人は5年経った今もわかっていない未解決事件。
動機は患者もしくはその保護者による逆恨みかと思われる」

そこにはそんなことが書いてあった。
なんだと、恨まれていた？
そんなバカな。
あんなに優しそうなおじさんが恨まれるようなことを
するはずがない。
どういうことだ？

なぜ、祖父は犯人から恨まれていたのか＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

続きは、次回へ。

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