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あの日別れた君たちと・第4章〜別れ〜

俺は男子校に通う中学2年生シンジ。
ひょんなことから、同じ小学校で卒業式の日に告白した
全寮制女子校に通う4人の友達(アズサ、ハルカ、マユ、ミオ)と一緒に
1週間生活する羽目になった。

第4章「別れ」

結局鍋は5人用の鍋を使うことになったが、
俺が最初に1人分の具を取り皿に取って隅っこで食べた。
「なんかもうこいつらの顔見たくないな、
見せる顔がない。」

そんな生活も、今日で終わりだ。
7日目。
最終日だ。
昼飯を食ったら、俺たちは男子校に帰る。
この生活とも、おさらばだ。

朝の9時から、お見送り会が行われた。
それぞれが、お世話になったペアにプレゼントを作る。
「この学校は小学校か?」
そう思った。
「まあ、可愛いものにしたら喜んでくれるかな。」
そうして折り紙でハートを折ることにした。
「折り紙なんて何年ぶりだろ。
ハートなんて折ったこともないからどうしよう。
そうだ、こいつらに、、、」
そこで止まった。
「こいつらのためのプレゼントで
サプライズだし、
第一ハートの折り方教えて、なんて
いう勇気は俺にはない。」

俺が苦戦していると、
「私たち、手伝うよ。」
後ろから声が聞こえた。
振り向くと4人がいた。

(いや、だから、そんな勇気俺にはないって、、)
そう思ったがここはしょうがない。
「じゃあ、ハートの折り方教えて。」
そう言った瞬間、4人は固まった。
そして、無言で机の上にあった折り紙の折り方ガイドの
プリントを俺に渡して、自分の席へ戻って行った。

(やっぱ、まずかったかなー。)
とはいえハートは折れた。

お別れの時だ。
4枚の折り紙のハートをもって、
列に並んだ。
「みんなどうもありがとう。これ、受け取って。」
そう言ってハートの折り紙を渡した。
相変わらず4人は無言のままだ。
しばらくして、
アズサから4枚のしおりをもらった。
「これ、私たちで作ったの。
よかったら使って。」
そう言ってどこかへ行ってしまった。

バスに乗り、みんなで手を振った。
友達はみんなペアの人たちに手を振ってるのに、
僕のペアだけいない。
仕方なく、窓際に座ってバスが走り出した。
校舎を横切った時、
4人の姿が見えた。
一生懸命こっちに向かって手を振っていた。
アズサが、手に持っていたボードを掲げた。

「本当にありがとう、大好きだよ❤️」


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