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令と和と闇と光と

昨年の年明け、ダイアローグ・イン・ザ・ダークという暗闇エンタテインメントで、書き初めをやりました。

真の暗闇とは、本当に闇なんです。おうちの暗闇とか、自然の暗闇とかって、目が慣れると、輪郭くらいはぼんやりと判別できるようになる。でも、真の闇では、線がない。ぼんやりとした光溜まりのようなものもない。視覚的なとっかかりが何もないんです。とはいえ他の感覚は全てある。そして視覚を補うように、他の感覚が否が応でもでも研ぎ澄まされる。

その闇の中、暗がりのプロでもあるアテンドさんと呼ばれる目の見えない方々のリードの元、手探りで歩き、靴を脱いで縁側にのぼり、畳のお部屋の机を発見して色紙の裏表を探り、墨をすり、筆を手にした時に浮かんだ漢字1字をしたためる。

こう書くと簡単に聞こえてしまうかもしれない。でも、実際には、見えない色紙の中央がどこだか分からない。字の途中で筆を色紙から離した途端、次にどこに筆をおけば次きちんと繋げられるのかも分からない。いかに普段、視覚頼りなのかがよく分かる。

その時、暗闇の中で頭に浮かんだのが、「和」という漢字だったのでした。(前年は「飛」でした!難しかった...)

今日からの元号は「令和」。「れい」という響きがとても好きで、子供が出来た時には「玲」か「零」がいいなあ、なんて思っていたほどでした。(誰ですか?アムロとか、一堂とか、綾波とかの影響だとか言う人は?!)

そして梅の花。木に咲く花の中で梅が一番好きだ、一番和的だ、と昔から言っている身としては、ありとあらゆることに寿がれている気がしてならないのです。日本中にこう思っている人、山ほどいるんだろうけれど、そんな思いの一切合財が、排他的ではない。だからいいんです。

そんな令和の零話初日。ここから物語は始まります。

笑顔が絶えない日々でありますように。

写真は、その時書いた「和」と、増田伸也さんの「花札装束」シリーズの、銀杏の写真。銀杏の花言葉は、「長寿」と「鎮魂」。

これは実だから、花言葉とは言えないかもしれないけれど。


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