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【魔法とは】 舞台 「千と千尋の神隠し」

魔法で作ったら、意味ないからね。

プロジェクションマッピングやら、LEDウォールやら、舞台におけるテクノロジー隆盛なこのご時世に、ほぼほぼマンパワーで作られている舞台でした。しかも生オケ

昔の「レミゼ」を彷彿とさせる、盆回しによる湯屋への道中からドキワクが止まりませんでした。これだけ盆が使われているの、劇団☆新感線(またはいのうえひでのりさんの外部演出)以外では久しぶり。

上手下手にも大きな2階建のセットが組まれているが、上下の移動はほぼほぼ階段で、千尋に至っては、梯子(!)移動も何度も出てくる。すんごい運動量。

その上下、上手下手にひしめき合う湯屋の人々!わらわらと登場する神さまたち!

広い目で見ていないと、あれこれ見逃してしまうのです。

でも、そんな中で登場する度に目がいちいち釘付けになってしまうのが

カオナシ

でした。

カオナシ... 動きが凄すぎて、語彙力がついていかんぜよ...。

普通に歩いていたかと思えば、次の瞬間、ススーーーッと飛ぶように水平移動をして見せるカオナシさん。

あれ?今、歩く歩道か何かに乗りました?って思うくらい、足捌きが全く見えない。しかもその足の動きに、上半身が連動していない!

首から肩の辺りと、下半身がバラバラな動きをしているのです。カオナシ周りだけ、物理法則が効いてない。しかも顔は、あのカオナシの顔。ただ登場しているだけなのに、千やらハクやらに意識がどうしても向けられない。

まあ、台詞から意識がちょいちょい遠のいても、原作のまんまで物語は進むので、進行的には無問題。←

マンパワーで言えば、緑の三つ子カシラの登場シーンは、思わず変な声が漏れました。どうやったかはご想像にお任せしますが、何しろマンパワーです!ここ、ポイントです。試験に出ます。人間がおやりになります。しかも上半身裸の赤フン姿で!

アンサンブルの皆さんの身体能力の高さも相当口ポカン事件なのですが、上白石萌音ちゃんの身体能力にも絶句しました。なんなんだあの体幹。

ジブリ作品にありがちな、「階段テッテケテー」とか、各種「おっとっと」的な動きがものすごく上手い!コケそうになった時の一瞬のタメとか、体幹が相当強くないと出来ないはず。すごい。しかもめっっちゃ14歳!まんま千尋!

他のキャストの皆さんもアニメに完全に寄せて来ている(リンとかまんま過ぎて、あれ?この人アニメで声あててた人?って二度見した)中、湯婆婆のザ・アニメキャラも絶品でした。

登場シーンの一声目の、湯屋に響き渡るロングトーン!!!そりゃ、みんな言うこと聞くわ。どんな肺活量があったら、あんな野太いロングトーンが出せるんだろう。セリフの高低差も幅広いし、声色めちゃめちゃ変えてくるし、朴璐美さんの真骨頂を体感することができました。ろみーば凄い。←語彙力

一度会った人は忘れないもんだよ。思い出せないだけで。

冒頭の一言は、デジタル全盛期の今だからこそ改めて響いた言葉だけれど、他にも舞台で聞くからこそ沁みる言葉が沢山ありました。

舞台は一期一会の場です。ここで会った人は、例え思い出せなかったとしても、私の血肉になっている

振り返らないで

湯屋での出来事を忘れてしまっても、髪留めはきらりと光り続ける。

自分の名前を大切にしな

改めて、自分であることを大切にしようと思い、更には

礼は言ったのか。世話になったんだろ。

時が経つと言い損ねてしまうし、いずれは忘れてしまう。だから、感謝はその都度ちゃんと伝えていこう。

ジブリ作品の中で、めっちゃ大好き!な作品では無かったのだけれど(個人的トップは、「ナウシカ」「カリオストロの城」「魔女の宅急便」)、ここへ来て花丸急上昇作品になりました。

舞台で見るからこそ響いたのか、私が年齢を重ねたからか。

上白石萌音ちゃんのアドリブ対応力満載の初日舞台挨拶で終わった、3月3日の感激の観劇でありました。

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再来週は、まりーばと菅原小春さんで見るのです。

楽しみじゃ。

明日も良い日に。


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