君は君だから、そのままの君でいて
今日、長男が発達障害疑いありだと言われた。
診断名は『ASD(自閉症スペクトラム)』が付くだろうと。来月、発達検査を受けるためにクリニックで初回の相談に行く予約を取った。
私は今、極めて冷静なつもりでいる。けれど、いつも通りの文章を書ける自信は無い。でも、書きたいから書けるだけ書こうと思う。今日のことを振り返ったときに、鮮明に思い出せるように。
長男は赤ちゃんの頃から人見知りだった。
母子手帳の3ヶ月・4ヶ月のページには、もうすでに「母親以外が抱っこすると泣く」と書いてある。これには今日の相談先の発達支援員の方も驚いていた。
人見知りや場所見知りが激しくて、父親や生まれたときから同居をしていた祖父母にも激しく泣く子だった。
親子センターに連れて行っても他の子には興味を持たず、いつも私のそばから離れられない子だった。こんな様子だったから当然、父親や祖父母には預けられず、親子センターからは足が遠ざかった。
ずっと、私は長男と一緒にいた。
それこそ、幼稚園に入園するまでずっと一緒。
私は友達と遊ぶこともせず、推しの映画も観に行けず、長男が生まれてもうすぐ4年になるけれど長男と離れて遊びに行ったことや予定をこなした数は本当に数えられるくらい。それも、やっと長男が父親に慣れ出した2歳の頃から末っ子が生まれるまでの1年間足らずのこと。
ずっとずっと、私は長男と一緒だった。
夜も寝てくれなくて苦労した。
赤ちゃんの頃から夜は続けて寝ないし、夜中の3時に起きては泣いたり遊んだりして全然寝てくれない子だった。もちろん私以外が抱っこすると泣くので、私がほとんど夜勤をしていた。
予防接種を打ったその日の夜に体が火照ったからかなかなか寝てくれなくて、一晩中抱っこをしているときもあった。朝の6時に歩いて20分ほどの公園に行って、なんとなくベンチに座った。
座ったら泣くので、大きな公園を一周してまた20分掛けて帰った。坂道ばかりの土地なので、すごくつらかったのを覚えている。あれは、暑い夏の日だった。
上のお姉ちゃん達と比べて全然寝ないし、人見知りも場所見知りも激しくて「なんか違うなぁ...」とずっと思っていた。
定期的にある健診で相談しても、様子を見ましょうとか「おじいちゃん・おばあちゃんに顔を見せに行ったらいいんじゃないですか?」と言われた。いやいや、一緒に住んでるんだってば...!
お姉ちゃん達の男の子のお母さん達に聞いてみても、「うちもそうだった」「男の子なんてそんなもん」「甘えん坊なんだね〜」という言葉ばかりだった。
そうか、と思った。
男の子と女の子の違いで、しかも年が離れて初めての男の子だからちょっとわがままに育て過ぎたかな?という気持ちでいた。実際、可愛かったし。頑固なところも、「可愛い可愛い」で育てたからかなぁ?って思っていた。でも今思えば、人見知りや寝ないっていうのは育てかた関係無くないよなぁと。
「あれ?この子、やっぱり他の子と違うぞ?」と思ったのが幼稚園に入園してからだった。
入園式の日から制服を嫌がり、次の日は一日中「ママどこー!?」と泣き叫んでいたらしい。
登園拒否、トイトレが進まない、先生や周りの子とコミュニケーションが上手く取れない...などなど困ることが目立ってきた。
みんなで踊りを発表するときも、長男だけ砂遊びをしたりその場に棒立ちだったりした。
あまりの周りの子との違いに私は家に帰って隠れて泣いた。長男のその姿が悲しかったんじゃなくて、周りの目を気にしてつらかった。
私にとっては可愛い長男なのに、周りからはどんな目で見られているんだろうと思うと涙が出た。
だから、12月のお遊戯会で長男が歌ったり踊ったりしている姿を見たときは本当に嬉しかった。
めちゃくちゃに泣いた。本当に本当に嬉しかった。
でも、もうすぐ年中に上がるというのに困りごとは減らない。
毎朝、制服や体操服を着ることを嫌がり「幼稚園はいやだ!」「ママと行く!」「服、捨てて!」「ママ、きらい!」と泣いて暴れるのだ。
年末に発達相談を受け、そこの先生から「幼稚園に長男に合わせた対応をしてもらえるか相談したほうがいい。それが無理そうなら、転園をすすめる」と言われてしまった。
今の環境は長男にとっては良くない。
長男は我慢して幼稚園に通っている。
その環境でトイトレをしても進まないのは当たり前だと。
まずは母親である私以外に安心出来る大人を作ることが大切だ、とたしかに言われた。
今の環境がストレスだから、特性が出てしまって感覚過敏やこだわりの強さが出てきてしまっていると。
これは、長男にとってすごくつらいことだと。
すぐに旦那と話し合い、転園も視野に入れて市役所や発達支援の事業所などに相談や説明を聞きにまわることにした。
そして今日、発達支援サポーター事業所で発達支援員の方に話を聞いてもらい「ASD(自閉症スペクトラム)の特性がバリバリ出ている」とのことだった。
長男のようにおとなしい子はなかなか理解されにくく、気付いてもらいにくいのだという。
長男は年少なのだけど、「早く気付いたね」と言われた。
「おとなしい子はなかなか理解されにくいし気付かれにくいから、お母さんも大変だったね。こういう子がまだたくさんいるんだよ」と。
大変だった......うん、大変だったなぁ......。
正直、記憶が無い時期もあるし。
全然寝てくれないことが1番につらかったな。
でも、長男も良いところはあるのだ。
可愛いし、優しいし、気難しい子だけれど、とにかく可愛くて堪らないのだ。
だって、私は知っている。
散歩の途中で見つけた葉っぱを「ばあばに持っていく!」と言う優しさを持っていること。
私が熱を出すと、すぐに熱冷ましシートを冷蔵庫から持ってきておでこに貼ってくれる温かさを持っていること。
私は、知っているのだ。
だから、診断名が付こうが関係無い...と言ったら嘘になるけど、長男は長男だからという気持ちが大きい。
診断名のおかげで、周りの方に理解してもらいやすくなったり支援を受けやすくなるのならそれで良いと思う。そのための診断名だ。診断名が付いたからって、長男が長男じゃなくなるわけじゃない。
私は、長男が少しでも快適な環境で生活出来ることを望んでいる。そのための、発達検査であり診断名だと思っている。
長男は長男だから。
今の長男を受け入れてもらえるような環境作りをしていきたい。
それが、長男の笑顔と未来を守るために必要なことだから。
来週は幼稚園との話し合いの予定が入っている。
長男のことを少しでも受け入れてもらえたらいいなぁと思いつつ、もし断られても良いように覚悟しておかなきゃとも思う。
ただ、今日、相談させてもらえた発達支援サポーター事業所の支援員さんたちにはすごく優しい言葉を掛けてもらった。
「これから先、大きくなるにつれてまた困りごともあるから長く付き合っていきましょうね。何でも相談してくださいね」と。
涙が出そうになるぐらいに嬉しかった。
周りにこうやって見守ってくれる人がいることがどれだけ心強いか。
まだまだ始まったばかりで分からないことだらけだけれど、母親として長男のために出来ることをやっていきたい。
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