鰐島悟

芸術家

鰐島悟

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最近の記事

子ども心を取り戻すプロジェクト

今年の目標は「子ども心を取り戻す」です。 最近、一人で考え事をしていても、人と話していても、なんだか当たり前で、綺麗な事しか考えられなくなってしまったように思ったのです。 東京で暮らして10年が経ちました。 なぜ自分がつまらなくなったのか考えると、広い場所で遊ばなくなったからじゃないかと考えました。 たとえば都会のショッピングモールは大きいようで、色々なものが詰め込まれているので、店中を歩いてみると、お店同士を隔てる壁が多いです。 子供の頃はお店を遊び場にして鬼ごっこや

    • 日本とパリの浮浪者

      去年の秋、パリを訪れた際に、地下鉄で異様な光景に遭遇しました。車両内を端から端まで歩きながらお金をねだる人がいました。彼らはキャップをかぶり、どこかおしゃれな印象でしたが、周囲の人々はそれに特に気にも留めずにいるようでした。日本人の私にとっては衝撃的な光景でしたが、地元の人々にとってはそれが普通の光景なのかもしれません。 日本では物乞いをする人々は、通常、人目を避けたり、自ら接触を求めることはありません。それに対し、パリの地下鉄では物乞いが非常に積極的で、率直にお金を要求する

      • 設計事務所の見学

        最近、設計事務所の見学に行きました。求人情報に「木工製造」という言葉があったので、興味を持ち訪れることにしました。 大学で木工を学び始めた私は、最初に鑿や鉋の研ぎ方から学び、少しずつ木の特性に触れながら技術を身につけました。私の学んでいた環境では無垢材を使うのが普通で、制作の自由度も高かったため、実社会で即戦力になる技術が身についているかは不安でした。 見学した設計事務所では、主に合板を使用し、無垢材はほとんど使われていませんでした。主に什器制作を行っており、プロジェクト

        • プログラミング教室と設計事務所

          私はかつてプログラミング教室で働いていました。教室には幼児から中学生までの生徒が訪れ、プログラミングが小学校の必修科目になったことで親御さんたちの関心も高まっていました。 特に印象的だったのは、タブレット操作に長けた年中さんでも、パソコンのマウス操作には苦労する様子でした。彼らは画面を直接タッチして操作しようとするのです。この光景から、テクノロジーが人間の直感をどれほど超えているか、ということに驚かされました。これはある意味で恐ろしいことではないかと感じました。 技術の進

        子ども心を取り戻すプロジェクト

          人間観察

          私は普段電車に乗るので、電車の中でよく人を観察しています。 電車の中って特殊な空間だなと思うのですが、 例えば、満員電車に乗っていると、パーソナルスペースが無効になるからです。 学校や書店で肩がぶつかる距離に人がいたら違和感を覚えるはずなのに、電車に乗っていると、みんな気にせずスマホを見ています。 これってすごく変だなって思いますし、なんだか凄いことのようにいつも感じます。 今日注意が引かれた人物は、40歳前後の女性。 服装はすごく普通なのに、銀色の靴を履いていたり、

          人間観察

          今月の振り返り

          今月の振り返り。 今月は精神的に辛い一ヶ月でした。 恥ずかしながら家賃を滞納してしまい、財布にお金が入っていない、一文なしの状態になってしまいました。 noteを始めたの理由でもあるのですが、アルバイト以外でお金を稼げないか挑戦してみました。 とりあえず二ヶ月ほど頑張ってみました。 滞納していた家賃はいただいた仕事の給料でなんとか払うことができたのですが、生活費が足りなくなり、ほかに手段はないか、本を読んだりインターネットで情報を集めたり、追い込まれた状況でさまざまな手段

          今月の振り返り

          私の本棚

          辛い経験、愛、老い、礼儀など様々なテーマに対して著者の視点が描かれたエッセイ集。 人生で経験する様々な事を肯定的に捉えてみようと思えました。 自分の人生を振り返ってみると、記憶に残っているのは案外、楽しかった事よりも苦しかった事、辛かった事が多いように感じます。 耐え抜き、走り抜いた充実感、乗り越えた経験が自信となり、自分の個性を形成してくれるのだなと、この本はそう思わせてくれました。 思い通りにいかない事も大切にして生きてみると、その時は嫌で仕方無かったけれど、後にな

          私の本棚

          ラブホテルのバイト④

          仕事は体力的にきつい内容だったけれど、人との会話の中でネタになった点は良かったと思っています。 仕事の話を友人にすると、男女で反応が異なるのが面白く、男友達からはやや軽い気持ちで「喘ぎ声は聞こえるの?」といった好奇心旺盛な質問が寄せられることが多く、 一方で、女友達は「衛生面で大変じゃない?」と心配してくれるような質問をしてくれることが多かったのです。 この話題に関連して、かつて読んだ本で、古代人類の繁殖行動に関する興味深い説を思い出しました。それは、托卵や集団での性行

          ラブホテルのバイト④

          わたしの本棚

          登山家の山野井夫妻に関して書かれた本 私にとって人生のお守りのようなものです。 とてつもなく難易度の高い山に挑戦した結果、雪崩に巻き込まれて山野井夫妻は凍傷で手足の指を失います。 生死を彷徨うほど激しい登攀をしたにもかかわらず、山頂で登った証拠となる写真を撮れませんでした。 その後のインタビューで放った言葉がとても印象的で、今も人生の教訓になっています。 #わたしの本棚

          わたしの本棚

          きつかったアルバイト

          かつて様々なアルバイトを経験してきた中で、特にキツかった仕事は、大型ホテルの皿洗い業務です。 この仕事は、ある下請け会社が請け負っていたもので、主に結婚式などで提供された食事の後片付けが中心でした。 具体的には、残飯と使用済みの皿を大型のカートに分別し、皿が一定量集まったら食器洗い機にかける、という流れです。 この仕事をしていて最も耐え難かったのは、様々な残飯がカートの中で混ざり合う光景を目の当たりにしたことでした。 ある日、家に帰ってナショナルジオグラフィックでライ

          きつかったアルバイト

          ラブホテルのバイト③

          私がラブホテルでアルバイトをしていた時、そこには様々な背景を持つ人たちが集まっていました。 中には学生や副業をして小遣いを稼ぐ人、貯金を目的にしている人、借金返済のために働く人もいました。 その中でも特に多かったのは、本業が終わった後に副業でバイトに駆けつける人たちでした。 振り返ると、彼らはまさに体力の化け物であり、社会経験が豊富なため、バイトの仕事にも真剣そのものでした。 彼らからは、仕事に対する真摯な姿勢や責任感を多く学びました。疲れていても仕事の質や速度を落と

          ラブホテルのバイト③

          ラブホテルのアルバイト②

          ラブホテルでのアルバイトでは、観察すればする程、数多くの発見がありました。特に、私が勤務していたホテルがビジネス街に近いことから、スーツ姿やオフィスカジュアルの服装をしている人が圧倒的に多い印象で、サラリーマンやオフィスレディがよく利用しているのだなと予想していました。 働き始めて最初に気になったのは、ホテルに出入り口が3つもある理由です。ある日、先輩にその理由を尋ねると、「監視カメラを見ててごらん」と言われました。そこで注意深く観察していると、エレベーターから降りてきた男

          ラブホテルのアルバイト②

          ラブホテルのアルバイト

          高校を卒業し、大学進学のために上京した私は、最初に挑戦したコンビニバイトを辞めた後、意外なことにラブホテルで働くことになりました。 田舎から来たばかりで、ビジネスホテルかと思って応募したらラブホテルだったのですが、そのまま採用され、結果的に3年間勤め上げました。 この期間、多種多様な人々との出会いがあり、貴重な経験を積むことができました。 ラブホテルでは、客室の利用時間が休憩として3時間に設定されており、清掃スタッフは15分程度で利用後の部屋をきれいにして、次のお客様を

          ラブホテルのアルバイト

          ビジネスホテルアルバイト時代の同僚

          私がビジネスホテルで働いていた頃、一緒に働く仲間の中に、家族を持つ一人の社会人アルバイトの先輩がいました。 彼は社員への昇格を目指しており、時計コレクションが趣味で、特にロレックスの時計を好んでいました。 彼は仕事のさぼり癖があると噂されており、それが原因でなかなか社員に昇格できないでいました。しかし、彼の時計への情熱は他の何物にも替えがたいもので、アルバイトの身分でありながら、彼は複数のロレックスを所有し、特に007シリーズの限定モデルを愛用していました。 この時計は

          ビジネスホテルアルバイト時代の同僚

          ビジネスホテルのアルバイト

          かつて、ビジネスホテルで夜勤のアルバイトをしていました。 私の主な仕事は、22時以降のチェックイン業務、翌朝のチェックアウト手続き、そして朝食の準備でした。深夜2時以降はフロントに電話を回し、仮眠室で待機しながら、遅く到着したお客様への対応や新規のお客様の受付を行っていました。 ある日の出来事、宿泊中の女性が駆け足でフロントに現れ、「私、もう帰ります!」と告げ、そのまま去っていきました。しばらくすると、高齢の男性がフロントにやってきて、先ほど去った女性と同じ特徴を持つお客

          ビジネスホテルのアルバイト