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映画「仕掛人・藤枝梅安 弐」感想(ネタバレなし)

連続公開の藤枝梅安2作目を鑑賞してきました。最高でしたね。味。味がする。時代劇の味がするんですよ。ちなみに1作目を観ていなくてもじゅうぶん単体で楽しめます。人物像の魅力、画面の魅力、物語の魅力、すべて文句なしでした。

魅力というのはですね、言うわけにはいかないからこそ真実であるものや、認めてしまっているからこそ止められない感情があること。ふたつの道が交わればそこには交錯するふたつの心がある。ふたつがひとつになればそこに交わるもうひとつの道がある。自業自得に因果応報、それでも生きてる今がある。そんな魅力です。わかりますか。

一線を超えるか超えないか選択するような「間」の緊張感。静かな画面の迫力。一線を超えるとわかっている緊張感。予測できる未来への恐怖。そして否応なくやってくる一線を超えた危機の緊張感。これは決着への期待、高揚かもしれない。抑制された演出は押しつけでなく呼びこまれるかのよう。

前回に続いてキャストも最高です。往年の時代劇俳優である石橋蓮司。あんどんが照らし出す表情はまさに時代劇の凄味。味がする!そして今さら言うまでもない名優佐藤浩市。一瞬を切り取ったようなシーンの無表情にすら味がする!椎名桔平のなにか全体に通底した熱くなさにも味がする!

ハゼも食べたいですけどね、次は梅安さんちにある小さなこたつをDIYしようと思います。


前回書き忘れて今回も書き忘れていたので追記
1作目の六角精児のチンピラが完璧。もう今この人抜きの時代劇はあり得ないんじゃないかと思うほど。

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