見出し画像

【病院で働くということ】・・・Vol.7:病床稼働率を気にする経営者

民間病院にありがちであるが、病床稼働率が下がってくると経営陣がソワソワし始める。経営サイドから現場に向け、「入院患者を増やして」だの、「救急車断るな」などと指令が出ることがある。

現場の言い分としては、ベッド状況に関わらず緊急の患者は受け入れているし、そもそも病床稼働率に合わせて入院の適応基準は変わらないということ。
 
ベッド稼働率が病院経営に大きなインパクトを与えることは理解するが、空床を目立たなくするため、経過良好な早期退院希望患者にも退院を延期させる、など本末転倒の話も耳にすることがある。
 
DPC病院で急性期病院としての使命は、病床稼働率を高く維持することよりも、長期入院患者を極限まで少なくして在院日数を短縮し、新規入院数を増やすことである。
 
そのためには新規患者受け入れのための一定程度の空き病床を確保しておく必要がある。ベッドが満床では入院適応患者を受け入れることが出来ず(多くは救急車の受け入れ自体を制限する)、かえって新規患者数が減ることにもなりかねない。
 
このように経営側の思いと現場の感覚は時に相容れないことがある。
 
経営者は現場のことが分かっていない
現場は経営のことが分かっていない
 
どちらも言い分はあると思うが、明らかなことは現場の問題点や課題を直視せず、数字でしか病院運営を見ていない経営者は容赦なく現場スタッフに見限られるはずである。
優秀な人から先に辞めていく構図である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?