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【心得27】あなたは幸せになっていい

『あなたは幸せになっていい』

これは僕が改めて、これから医師になる人・今まさに医師として働いている人に伝えたい言葉です。

「こんなこと言われなくても、人は勝手に幸せになる。」
「余計なお世話だ。」

そんな風に思う方がいるかもしれませんが、
それでもやはり、僕はこの言葉を医師として働くあなたに届けたいのです。

なぜ、こんな当たり前のことをわざわざ言葉にして伝えるかというと、
医師というのは、
 自分が幸せを感じることが難しい、
 自分が幸せを感じることに罪悪感を持ちやすい職種
だからです。

忙しく・未熟な若手医師時代

医学部で6年間、勉強したとはいえ、キャリアのスタートは医師になってからです。
全ての医師が真面目に勉強しているとは思いませんが、

患者さんを担当する度に、危うい状況の患者さんのところから離れられず、家に帰っても教科書を確認する。

病院で患者さんの診療を真面目に行う多くの若い医師は、こんな生活をしているのです。

正直言って、頭の中から患者さんのこと•病院のことが離れることはありません。

物理的にも心理的にも自分のこと•将来のこと•家族のこと、そして

自分の幸せを考える余裕はないのです。

多くの若手医師にとって、医師としての最初の数年間と、結婚や出産などのライフイベントが重なっています。
実際僕も自分の結婚式の打ち合わせは、毎回病院からの電話に受け答えをしながら参加していました。

僕だけでなく多くの医師にとって、それが当たり前なんだと思います。

苦しむ患者さんを前に幸せを感じていいのか?

そして、もう一つ、若い医師が幸せを感じることに罪悪感を感じる理由があります。

目の前にいる患者さんが
•末期の悪性腫瘍だったり
•若くして亡くなる小児がんだったり、
•産まれたばかりの赤ちゃんに治ることがない病気が見つかったり

医師はそんな患者さんを担当しているのです。

そんな時、純粋に思うのです、

『目の前で苦しんでいる人がいるのに、僕は幸せになっていいのか?』

『もし私が結婚したり•子供が生まれたりしたら、患者さんや家族は主治医の私に対して、怒ったりしないだろうか?』

『あの子のお母さん、僕が手を抜いてる、って思わないかな』

そんな疑問が心の中、頭の中によぎるのです。

医師が幸せになるには、許しと勇気がいる。

なので、医師が幸せになるには勇気がいると、僕は思います。

僕は男性なので自分の妊娠を患者さんに知られることはありませんでしたが、重い病気のお子さんの主治医をしている時、結婚指輪をつけることにすごく迷いがありました。

女性医師の場合、お腹が大きくなる中で、重い患者の主治医をすることは、強い葛藤を抱えることになるのではないかと想像します。

『自分が幸せになっていいんだ』、
そんな許しが必要です。

自分だけでなく、周りにいる仲間から祝福を通して許しをもらうのです。

そして、守られることも。

葛藤が大きくなるなら、重い患者さんの担当は外れるべきだと僕は思います。

女性に限らず、男性もです。

その上で、医師自らが幸せになる勇気を持つ必要があるのです。

多くの真摯に懸命に働く医師が幸せでありますように🍀💫


ではまた明日、

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