見出し画像

(一般向け)現代人(僕)と糖質との戦い。


めっきり春らしくなってきました。
近所の河津桜が満開で
毎日の通勤時間を
彩ってくれています。

やっぱり春はいいですね。

さて、
今日の投稿は
どちらかというと
僕自身のための備忘録になります。

というのも、
大学在学中から現在まで
好きなだけ食べて
好きなだけ飲んでいても
体重は±1kg程度だったのが
自慢の僕でしたが、

この度ついに中年太りを経験😅
(まぁいままで太りにくい体質をいい事に
サボっていたんですね。はい。)

さすがに
普段から患者さんに
散々偉そうに
食事指導、運動指導
をしている身として
これはイカン

年明けから早朝散歩を開始したり
いろいろと食生活の見直しをしようとしていた、
ちょうどそのときに
この話題が。

そう、栄養分の中でも
近年話題になり続けている
「糖質」
について
今回は調べたり、考えたりしてみようかと思います。

ちなみに、この話題に関しては
先に言っておくと
専門家の間でも諸説があって
いまだコンセンサスは得られていない領域
だと認識していますので、
あくまで僕の個人的見解、というふうに
お考えいただけたらと思います。

なぜ僕たちは糖質を必要以上にとってしまう?

糖分は人類にとって必要不可欠の栄養素
と栄養学で習ってから久しいですが、
その位置付けは今でも変わっていないと思います。

問題は、必要以上に糖質をとることで起きる
急激な血糖上昇および低下(ジェットコースター)
AGEs(Advanced Glycation Products)終末糖化産物の増加
・糖尿病の発症とそれに伴う合併症
・健康寿命の低下
などが挙げられます。
これについては異論はないでしょう。

では、
人はなぜ糖質をとりすぎてしまうのでしょうか?

米バージニア工科大学フレイリン生物医学研究所のアレクサンドラ・ディフェリシアントニオ助教によると、
脂肪と糖を多く含む食品は、線条体のドーパミン量を通常の1.4~2倍にまで増加させる可能性がある。
ということです。
ただし脂肪と糖の吸収や代謝速度は圧倒的に違うので、
糖質の摂取のほうが
秒単位でドーパミン分泌に影響する
ことは自明の理でしょう。

ご存知のようにドーパミンは
"脳内麻薬"
としてよく知られています。

その効果として
生命維持に必要な血圧を保つためのホルモンでもあり、
神経伝達物質としての重要な作用のほかに、
多幸感をもたらす
ことが知られています。

これは
覚醒剤や麻薬で得られる多幸感と同じメカニズムらしく、
糖分を摂取すると幸福度が増すという研究
いくつもあります。

糖質をとる事で満たされた多幸感は長くは続かない。
そこで脳内報酬系をさらに求めてしまう
一種の飢餓状態になり、
麻薬依存的な振る舞いをしてしまう。
まさに"マイルドドラッグ"といわれる所以です。

ホルモンだけでは糖分への依存は説明できない?

ただし彼女はこうも言っています。
「私は、この仮説には問題があると考えています。何を食べてもドーパミンは放出されるからです。ブロッコリーを食べても、腸に栄養が届くので、ドーパミンは放出されます」
「私たちはドーパミンがもっと欲しいからといってブロッコリーをたくさん食べるようなことはしません」。

彼女の説では、
「薬物依存に関する理論の大半が、
薬物使用を持続させる原因は(離脱症状の回避ではなく)習慣や渇望にある」

とあります。
要は、
糖質への依存性は、食習慣や口寂しさからくるのではないか?
という説です。

確かに身の回りの食べ物を見ていると
糖分に溢れています。

ごはん、パン、うどん、パスタ
ケーキ、チョコレートなどのお菓子
季節のフルーツ
清涼飲料水

これらを避けながら生活するのは至難の技です。

また、
「今日はパスタが食べたい気分だな」
「楽しいアフタヌーンティーにはおいしいスイーツを」
「今日は誕生日だからケーキが必要だね」

普段からこんな会話を
ごく自然にしている自分にも気がつきます。
文化や慣習と食事は強く結びついているから
単に栄養を取る以外の要素が大きいのです。

となると
過度な糖分の摂取を避けたいと思ったときに、
自分の身の回りの文化や慣習そのものを見直し
周囲にも協力をお願いしなければ

たぶんずっとうまくはやっていけないのだろう
とも考えます。

これは相当に難しい事だし、
もしかするとこれが
リバウンドの隠れた最大の原因
なのかもしれない、とも。

確かに
周囲に喫煙者がいる患者さんの禁煙指導は
恐ろしく離脱率(失敗率)が高い

内科医なら誰でも普段感じているでしょう。
それと同じことなのかもしれないですね。

糖質とうまく付き合っていくためには?

過度な糖質制限に対し警鐘を鳴らす医療者も
多くいますが、
だからと言って
糖質制限そのものを否定するのはやりすぎ
だと感じています。

逆に、
糖分をすべて目の敵にしている方
たまにいらっしゃいますが、これは上記のように
過度な糖質制限につながる危険性があります。

どちらも
根底にあるのは
”知識不足”でしょう。

要は、
きちんと自分がどのくらいの糖分を摂取したら
適切なのか把握できればよい

ということです。
(ある糖尿病医師によると、
1食につきおにぎり1個がひとつの目安と考えるといい、
そうです)

その上で、
それ以上の糖質を取りにくくなるような行動様式や
慣習を持つように自分自身を変革する
必要があります。

また、糖分だけに気を取られても良くありません。

全体のエネルギー量(カロリー)
蛋白や脂質のバランス
ビタミンやミネラルなどの微量元素

などにも配慮する必要は当然あるわけです。

実践するのはとても大変だと思いますが、
少しずつ自分自身を変えていこうと思います。

AGEに関しても、面白いことを知りましたので
どこかで紹介したいと思います。

それでは、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?