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能登半島地震災害ボランティアを経験して分かったこと


災害ボランティアとは

社会福祉法人 全国社会福祉協議会が主体となり行政や青年会議所、民間企業、個人のボランティアが災害支援をしております。今回石川県七尾市の災害支援へ日本青年会議所の国土強靭化委員会のメンバーと行かせて頂きました。3月2日雪の悪天候の中でしたが69名のボランティアがいました。全国の社会福祉協議会、行政の職員、消防庁の職員、イオンの職員、青年会議所、地元企業のボランティアという構成でした。
毎日、全国から日替わりで有志が集まっていることも注目すべきポイントです。
社会福祉協議会の人の動き、段取りの良さに非常に学びがありました。

どんなニーズがあるか

災害から1ヶ月は、人命救助と衣食住を整えることが最優先です。水や物資を能登半島へ送ることを正月から1月中旬まではしておりました。1月中旬からボランティアセンター(通称:ボラセン)が立ち上がり、社会福祉協議会(通称:社協)と青年会議所が連携して元の生活を取り戻すための生活支援が始まりました。具体的に今どんなニーズがあるかと言うと大きく2点です。

損害を受けた自宅の復旧工事

粗大ゴミの撤去

1日の流れ

朝9時に七尾市災害ボランティアセンター(七尾市文化ホール)2Fに集まります。9時半くらいまでオリエンを行い遵守事項などを確認して1班~
5班のチームに分かれて15時くらいまで作業をする流れでした。
班ごとにdocomoから提供をされているスマホが渡されてbuddycomというアプリのIP無線で繋がり、GPSで詳細な位置まで管理がされており、本部とのやりとりの効率の良さに驚きました。
実際に2件のお宅へ訪問して家具〜粗大ゴミの回収をしました。2トン車へ家具類を回収して仮仮集積場(通称:カリカリ)へ持って行き家具の分解をします。木材、金属、ブラスチック、ガラス、畳などに分解して仮集積所へ持ち込みました。福井県上越市の職員のみなさまが誘導をされておりました。
ここでポイントなのは、被災地の粗大ゴミは無料で回収されています。

作業の様子
作業風景
カリカリ置き場
家具から金属を取り出す作業
雪の中での分別作業
仮処分場

七尾市の現状

電気やガスのインフラは普及しておりました。下水がまだ復旧してないことでボラセンも仮説トイレでトイレは流せない。風呂も浄化装置をつけた循環装置で避難所は、毎日お風呂に入れない生活でした。
テレビで見る輪島市や珠洲市ほどはないですが、道路に大きな亀裂が入っていたり、信号や電柱が傾いていたり至る所にブルーシートが掛かっておりました。七尾駅近くの赤紙エリアと言って崩壊や傾いている家が集中しているエリアがあり、行政によって立ち入りが禁止されておりました。
一緒に活動をした地元の企業の人もトイレが自宅で使えないのが非常に辛いと言っていたのが印象的でした。なお、下水の復旧目処が立っていないようです。

ボラセン前の仮設トイレ
市内の下水が溢れたマンホール
七尾駅近く
七尾駅近く
七尾駅近く
七尾駅近

課題

私がこれって大きな課題だなと感じたことは2点あります。

災害に乗じたぼったくり業者の存在

災害ボランティアが便利屋(不用品業者)のようになっており本当に困っている人へ支援が届かない問題

先日、ブルーシートをつけて10万円を請求した神戸の業者が特商法で摘発されるニュースがありました。私は、これまでレスキュー商法と言ってバーティカルサイトで集客して加盟店へ紹介するプラットフォームサービスを作っていたので台風をはじめ広域災害がどのくらいおいしい商売かよく知っております。この業者がと言うのは別として業者とユーザーリテラシーが低すぎるのも非常に問題です。自分のやっていた事業も気づけばぼったくり業者の巣窟となりこのままじゃいけないと思い特定修理業者(ぼったくり業者)を排除して適正サービスを浸透させるために日々もがいているので、感情がありました。日本青年会議所でやっているのもここを正そうと言う思いがありからです。
被災地のみなさまで修復工事をどこに頼んでいいか分からない。
不安だという人は、以下の番号ローカルワークスへご相談ください。
TEL:0120-547-231
次に、私は2件の家財ごみの回収をしましたが正直これって震災と関係ないと思うものばかりでした。震災で家財が倒れてたとか想像をしておりました。しかし、高齢者で子供が独立したなどの理由でライフスタイルの変化で家財を処分をしたいというニーズが多いように感じました。例えば、子供の勉強机とブラウン管テレビで倉庫に眠っていたなど、このタイミングで無料で処分できるので利用しようというように感じてしまいました。明らかな生活ゴミを持って行って欲しいなど不用品業者と勘違いしてないかという違和感がありました。
災害時に自助・共助・公助というキーワードがあります。行政による支援は、公助となりみんな平等にという考えが強く行政の支援の難しさもよくわかりました。

まとめ

想像以上に被害が甚大だった。本当の意味で復興するまでに数十年かかるのではないかという印象があります。
社会福祉協議会のみなさまとも関係構築して、ボラセンの隣にある避難所を訪問した時に、一歩踏み込んだ時の匂いが忘れられません。満足に風呂も入れないし、外にも出れないなど非常に制限があります。
今回の災害ボランティアを通じて行政の公助限界を感じました。
本当に困っている人を助ける受け皿が青年会議所だという学びがありました。災害時に乗じた”ぼったくり”業者も多いのでそれはまた別でまとめます。

青年会議所のメンバー
青年会議所のメンバー
一緒に活動した和倉炊飯様
日新火災七尾サービス支店さんは無事で何よりでした。

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