国の政策・経済が大学の構造を左右する 2

前回、アメリカの経済力の低下が研究資金獲得の困難さを極めていると書きました。所謂入れ食い状態。

もう一つ忘れてはならないのがこのご時世ならではと言うのか、大統領の政策・公約、政党の思惑等でして、これも研究資金獲得率に大きく作用されている事を申し上げたい。

例えば女性運動家が台頭すれば女性研究者のグラント採択率があがる、BLMが台頭すればアメリカ黒人研究者のグラント採択率が上がる、ヒスパニック運動が起こればヒスパニック系研究者のグラント採択率が上がる、LGBTQが話題に上ればLGBTQ研究者のグラント採択率が上がる等々…。

あるいはこれらのいわゆる『マイノリティ』を研究対象として考慮すればグラント採択率があがる、等々。

わたしはアメリカのアカデミアで15年ほど生きてきてますが、特にここ数年の政治・国家予算の民意に対する反応速度は凄まじいものがあるように思います。そしてここで問題だとわたしが感じるのは、グラント採択率が非常に低い、すなわち競争率がただでさえ高い上に、これらの政治的意向を研究内容の中で何処かに加味しなければ、更に採択率が下がるー研究者自身がそういった強迫観念にも似た危機感に苛まれている事です。

即ち、Academic Freedomー学術研究の自由性、即ち企業なら利益にならないような研究は出来ないがアカデミアではそれが比較的自由に出来るーその自由度が昨今かなり侵害されているように思うのです。

そう考えると、アカデミアにいる意味は何なのかと、自問自答するようになってきたのです。

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