科学者であると言うこと

前回、競争が目的化してしまい、満身創痍となって身も心も朽ち果てて、時間を無駄にしたと綴りました。

時給で言ったらコンビニの店員さんより安いであろう一番最下層に属するAssistant professorの給料、夢と帝王になる事だけを目標に頑張るにしては心身への負担が重く、割に合いません。

でも私たち科学者は利益を追求してはいけない、骨身を削って蛍の光で実験に埋没するのが尊い、そう刷り込まれてきました。そしてそれをわたしはアメリカに来てから15年間、忠実に実行してきたんだと思います。

なぜなら、同僚や元同僚、友人に至るまで、ほぼ皆んながショックを受けていて、晶子がアカデミアを離れるなんて思ってもみなかったとビックリされたからです。

でも、やっぱりわたしは気づいてしまったんだと思います。科学者であっても自分のプライベートを充実させる事は大事だし、利益や収入増加のために行動を起こすことは恥でも下品でもない…土日や祝日まで朝の8時から仕事してレクリエーションが何も出来ない毎日から解放されて悔いのない人生を送りたい。そしてそれを願う事は罪ではない。

そういった新しい価値観を持った科学者が今後も増えて欲しいと願うばかりです。

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