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日々思うこと「車間距離=気持ちの余裕距離」

こんにちは。自動車ライター/インストラクター/ジャーナリスト/ドラマーの齊藤優太です。

クリスマスが過ぎると一気に年末モードに入りますね。
年末年始を地元で過ごす方も増えるこの時期に気を付けたいのが交通事故です。

交通事故を起こしたくて起こす人はいないでしょう。しかし、現実には交通事故は毎日のように起きています。

このような事故をなくすために今すぐできることは「距離を空けること」です。

今回は交通事故の原因にもなる車間距離について、日々思うことも含めて考察します。


車間距離=気持ちの余裕距離

日々車に乗りながら周囲の交通を見ているとき、「車間距離は気持ちの余裕距離」だなと改めて思います。

人はいち早く進みたいときや時間がないとき、つまり気持ちにゆとり・余裕がなくなると少しでも前に進もうとします。

例えば、初売りやセールなどで魅力的な商品が驚きの価格で手に入れられる機会があったり、新商品の発売日に誰よりも早く手にしたかったりすると、開店前から店舗の前に並び、行列を作り、開店と同時に前の人を押しながら店内に入り、目当ての表品を手に取るといった光景を見たことがある方は多いでしょう。

この初売りやセール、新商品の発売日などの事例は、気持ちにゆとりや余裕がないために起こる事象と言えます。

このようなことが交通社会でも起きているのです。

車間距離が短くなる心理的要因

車間距離が短くなる心理的要因は、気持ちのゆとりや余裕の無さが主な原因と言えるでしょう。

例えば、一刻も早くSA・PAに入りたい、どうしてもこの信号のある交差点だけは通過したい、など先を急ぎたくなるとき、人は前に進むことしか考えなくなることがほとんどです。

そのため、少しでも先に、前に進んで目的地に近づきたい一心で、車間距離を詰めてしまうことがあります。

また、約束の時間や待ち合わせの時間など、時間が迫っているときも同様に、いち早く目的地に到着することだけを考えるようになり、少しでも前へ先に進みたくなるでしょう。

このような心理的な要因により、車間距離が短くなることがあります。

車間距離をわざと短くする理由

心理的な要因によって車間距離が短くなるという心理を利用して、わざと車間距離を詰める人といます。俗にいう、あおり運転(妨害運転)です。

車間距離を詰められれば、前の人(車両)はイヤでも前に進まざるを得ません。

また、人は一定の距離を保ちたがる傾向にある生き物です。さらに、追いかけられるものから逃げようとする傾向もあります。

このような動物的な本能によって車間距離を詰められると前に進んでしまう人もいるでしょう。

一方、追いかける側(距離を詰める側)は、車間距離を詰めることで威圧して追い払おうとする心理が働いているため、やたらと距離を短くしてきます。

このことは、追いかける動物と逃げる動物の映像などを見ればわかるでしょう。人間も動物の一種であるため、動物的な本能が備わっていると考えるのが自然です。動物の動きを人に当てはめれば、なぜ煽るのか、煽って追い払おうとする理由が何なのか、なんとなくわかってくるなではないでしょうか。

車間距離がいつの間にか詰まってしまう構造的な要因

さまざまな要因により車間距離を詰める人がいますが、構造的な要因で車間距離が詰まってしまうこともあります。

例えば、トラックやバス、ミニバンやSUVなど、着座位置が高く、前方を見下ろすように座る乗り物は、車間距離が詰まりやすいです。

着座位置が高い車両は、着座位置が低い車両より、前の車両との間隔が長く感じやすくなる傾向があります。なぜなら、見下ろす体勢で運転するため、運転席から見える地面の範囲が広くなり、距離が長くあるように見えるからです。

そのため、着座位置が高い車両のドライバーは車間距離を長く取りすぎてしまっていると錯覚してしまい、車間距離をもう少し詰めなければならないと思い、結果的に車間距離が短くなってしまうのです。

このような構造的な要因で車間距離が短くなってしまうこともあるため、着座位置が高い車両を運転するときは目の錯覚に注意しなければなりません。

車間距離の考え方

よく「車間距離を空けすぎると後ろから煽られる」や「車間距離が長いと割り込まれる」など、車間距離が長すぎることに対するさまざまな意見を聞くことがあります。

このような意見も一理ありますが、車間距離を詰めすぎる方が事故のリスクが高まるため、車間距離は長めに取っておく方がよいでしょう。

また、車間距離が短すぎると「車間距離不保持」という交通違反になります。一方、車間距離が長すぎることによる違反はありません。(前方車両が遥か彼方にいる場合はめっちゃ車間距離を空けていることになりますからね)

気持ちと時間の余裕を持って車間距離も長めに取っておく

車間距離は、さまざまな要因で短くなってしまいます。

この車間距離を詰めるという行為は、緊急回避ができないことを意味しているため、事故のリスクが高まっている状態と言えるでしょう。

事故のリスクを低くしたい、事故に巻き込まれたり起こしたりしたくないのであれば、車間距離を長めに取っておくことをおすすめします。

ドライバーの感覚としては「ちょっと距離空けすぎかも・・・」くらいが実は適切な車間距離であることが多いです。年末年始の帰省や遠出、旅行など、車を運転するときは、時間と気持ちに余裕を持って車間距離も長めに取って運転しましょう。

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