『精霊たちの家』イザベル・アジェンデ(木村榮一訳)
ラテンアメリカ文学の代表的な作家といえばガルシア・マルケスで、おもしろい作品をいっぱい書いているけど、ひとつ有名なのあげろといわれれば、やっぱり『百年の孤独』でしょう。
そんな『百年の孤独』と並び称されるのが、イザベル・アジェンデのデビュー作『精霊たちの家』です。
『百年の孤独』よりも読みやすい
『百年の孤独』は普通におもしろいんだけど、アウレリャノ・ブエンディアとか、ホセ・アルカディオとか、アウレリャノ・ホセとか、アウレリャノ・セグンド=フェルナンダとか、とにかく似たような名前の人がいっぱい出てきて、
なんやったらカル・リプケン・ジュニア的にまったくおんなじ名前のやつも出てきたりで、それだけで「わー」ってなる人もいるんじゃないでしょうか。
まあ、それだけがすべてじゃないけど、なんとなくダメやったわーって人におすすめしたいのが『精霊たちの家』です。
『百年の孤独』と並び称させるだけに、南米文学特有のマジックリアリズム的な描写で、何代にもわたる家族の波乱万丈のエピソードが語られるわけですが、ざっくりしたこというと『百年の孤独』に比べて読みやすい。
それでいて、めちゃおもしろい。
ピンクフロイドとキングクリムゾンの違い
『百年の孤独』も『精霊たちの家』も、どっちもおもしろい。
ただ、もしかしたら『百年の孤独』の方が「無理!」ってなる人の方が多いかもしれないって思ったときに浮かんだのが、ピンクフロイドとキングクリムゾンの関係です。
五大プログレバンド、すなわち、
・ピンクフロイド
・キングクリムゾン
・イエス
・エマーソン・レイク&パーマー
・ジェネシス
の各バンドは世界的に人気ですが、昔どっかで誰かが「日本ではピンクフロイドよりクリムゾンの方が人気で、それはドラッグカルチャーの浸透が云々…」みたいなことをいってて、なに言うとんねんと思う一方、なんとなく言ってることがわからんでもない、って思ったことがあって、
まあ言うてみたら『百年の孤独』と『精霊たちの家』の関係もそんな感じじゃないんでしょうかみたいな。
そんで、唐突に段落の頭にピンクフロイドの「原子心母」(牛のやつ)の動画貼ったわですね。
キングクリムゾンの「21世紀の精神正常者 」。
カチッとしているというか、比較するとフロイドよりわかりやすい感じがする。
まあ、どっちもいいというか好きなんですけど。
関係ないけど、個人的にはイエスが一番好きです。
イエス『Close To The Edge(危機)』
コロナで大変だけど、みんなで危機を乗り越えましょう。
おすすめラテンアメリカ文学
つーか、おまえプログレ談義に花咲かせて、『精霊たちの家』の話ぜんぜんないやんけとつっこまれると返す言葉もない感じですが、
ぼくなんかがああだこうだ言うまでもなく傑作なので、興味をもった方はぜひ読んでみてください。
他の南米の作家でいうと、
・バルガス・リョサ
・フリオ・コルタサル
・オクタビオ・パス
・フアン・ルルフォ
・パウロ・コエーリョ
・ロベルト・ボラーニョ
あたりが有名ですが(下の二人は比較的最近の作家)、一つひとつやってくとけっこう大変なので、一作だけご紹介するとバルガス・リョサの『楽園への道』はすごくおもしろかった!
例によって詳細は省きますが、画家ポール・ゴーギャンとその祖母で社会革命家フローラ・トリスタンの物語。
ゴーギャンは大好きな画家の一人で、どれくらい好きなのかというと、
『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』は死ぬまでに実際に観てみたいと思ってたので、いつかはボストン美術館に行こうと思ってたら10年くらい前に東京国立近代美術館に作品がやってきたので喜び勇んで大阪から駆けつけるくらいには好きで、
でもそれくらいのことをしている人はけっこういるだろうからまあ普通くらいに好きな感じで、まあそんなことに関係なくおもしろい作品です。
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