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弁護士、仕事を放棄する

調停員に2回にわたって「ダンナさんが気の毒だと思わないんですか? 婚姻費用を払いたくない理由は何でですか」と繰り返され、3回目の調停を迎えようとしていた。

弁護士からは何の音沙汰もない。不安しかない私は、弁護士に次回の調停ではどう戦うつもりなのか、打ち合わせがしたいと申し出た。

すると弁護士は「普段はそういうことしないんですけど、不安感が強いようなので別途料金はいただかず、打ち合わせの時間を設けます」と応じ、打ち合わせをすることになった。

予感的中

打ち合わせのとき、“婚姻費用算定表”なるものを見せられた。自分の職業と収入、相手の職業と収入を当てはめて、1ヶ月にいくらの婚姻費用(生活費)を払わねばならないかを算定するための表である。

「この表によると、毎月8〜10万円払わなければいけないという試算になる」と弁護士。

いやいやいや。それ、夫が給与所得者で年収が120万円の場合でしょ? 夫は自営業で、なおかつ収入コントロールしているから、会社の決算資料読み解いて、本当の収入を暴き出して、婚姻費用を払わないもしくは支払い金額が少なくなるような努力してくださいよ!!!!

セカンドオピニオンで相談した弁護士もやはり、会社の決算資料を読み解く必要があると言っていた。また、今回のようなケースで、婚姻費用を圧縮したり、支払わなくて良くなった判例があったはずだと教えてくれた。担当弁護士に判例を探してもらい、それを元に調停員と掛け合ってもらうと良いのではないかとアドバイスをもらったので、判例探しと調停員への交渉もお願いした。

それに対して担当弁護士は「大丈夫です。任せてください!離婚したくなくて困っているというふうにしおらしくしていていただいたら、フォローしますから! 声が大きいのだけが自慢ですから! ああいう場では、声が大きい方が勝ちなんです!」と言った。

……不安感しかない。

そして迎えた当日。声が大きいのが自慢と言っていたのに、弁護士は一言も喋らず、調停員とのやり取りは自分が矢面に立って行わなければならなかった。なんなんだよ。弁護士って依頼人を弁護するのが仕事じゃないのか。

相変わらず調停員は「離婚理由については結構ですので、婚姻費用について話を進めましょう」と繰り返した。

そのとき、事件は起こった

3回目の調停が開始して約1時間が経過し、進展がないまま終わろうとしていたそのとき、貝になっていた弁護士が突然口を開いた。

「これは提案なんですけど。まだ、依頼人には話したことがなかったのですが、もう夫婦関係の修復は難しいので、離婚する方向で話を進めた方が良いのではと。婚姻費用も、今ならまだダンナさんが家を出ていってから日が浅いので、支払う金額も少ないし、ここで手を打つのも一つの方法だと思うんですよね。まぁ、いきなり提案したので、結論は今出さなくてもいいんですけど。今日はこの辺で一旦お開きにして、ちょっと考えてもらうのはどうですかね」と。

お ま え が 、そ れ を 、言 う な !

金を払って弁護を頼んでるのに、何一つ喋らなかったと思いきや、最終的に背中から竹槍で刺すようなことしやがって💢

調停で話したことは記録に残るので、ここで私が「そうですね」なんて言おうものなら大変なことになる。返答に困って凍りついていると調停員が「今日はこの辺にしましょうか」と言って、お開きになった。





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