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松本零士さんが俺たちに残したもの

あんたにも臆面もなく家族の前で涙をながすことってあるかい?

2023/02/20に俺はそう言うときを迎えたんだ。

どうも2023/02/13にお亡くなりになったそうだ。

急性心不全。
明日は我が身ってやつだ。
なんでって?
心不全ってのは「なんで亡くなったかよくわからないとき」につける病名だって言うじゃんか。

つまり俺もあんたもいつ何時「急性心不全」なる理由で死ぬか分からんってことだ。

今回は松本零士さんが俺たちに残してくれたものを振り返ってみる回だ。

まあ、ちっと俺の涙に付き合ってくれよ。

松本零士さんが残してくれた作品

ヒトにもよるけれど、松本零士さんの代表作って言えば銀河鉄道999ってことになるんだと思う。

宇宙戦艦ヤマトって言うヒトもいるかとは思うけれど、ヤマトの場合はデザイン担当って役割だったから、物語づくりって意味だと関わっていないんだよな。

で、銀河鉄道999。
問答無用で星野鉄郎とメーテルの話だよな。

原作漫画で感じられる話と、アニメ映画で感じられる話では微妙に話が変わってくるとは思うけれど、アニメ映画をベースにすると鉄郎ってのは実に理解するのが難しい。

なんでって?

だって、自分の人生をかけてした旅の伴侶であるメーテルの半身である惑星メーテルを破壊するんだぞ。
確かに惑星メーテルを構成する部品がヒトの命で構成されているってことの忌まわしさはある。

それを理解した上でだよ。
自分を世界に旅立たせてくれたヒトの分身を「殺せる」のか?

そんなことをガキンチョの俺は感じることもなく、鉄郎の達成感に酔いしれていた。

松本零士さんが描いていたもの

ぶっちゃけだよ。
松本零士さんって御仁が描き出していたもの。
表現しようとしていたもの。

それらの作品を俺たちはどう受け取っていたのか。

メーテルというキャラクター一人だけとっても、正直俺は理解できている気がしないんだよ。
あんだけ何度も繰り返し見てきたにも関わらずにだ。

シャアやアムロの方が理解できるし、なんならギレンの方が理解できる。

メーテルだけじゃない。
鉄郎もちゃんと理解しようとすると、どうしても理解できない部分が残る気がするし、車掌さんにいたっては本当になんであの仕事を続けているのかってのが理解できない。

そうやって考えていくと、ハーロックもエメラルダスもプロメテウスも誰のこともオッサンの俺には理解できないんだよ。

理解できない上で俺に影響を与えた作品

そう紐解いていくと、松本零士さんの作品って何一つ俺は理解できていないんだと思うんだ。

それでも、銀河鉄道999が俺に与えた影響ってのは計り知れないものがある。

確実に松本零士さんは俺の人生の1ページを描き出してくれていたんだよ。

物語という意味じゃないところでも、宇宙戦艦ヤマトは明らかに俺の感性を作り出す一部になっていたはずだ。

銀河鉄道999に出てくるヒトのことは理解できていなくても、そのヒトたちが表現していた世界の広さってのは少年の俺の視野を強制的とも言える力で引き上げていたような気もする。

つまり、松本零士さんというヒトがいなければ、確実に俺は今の俺ではなかったって思うんだよな。

松本零士さんから学んだもの

じゃあ、俺は松本零士さんから何を学んだのか?

世界の広さって言葉をもうちっと解像度を上げていってみよう。

たぶんだけれども、「命のつながり」ってことなんだろうな。

銀河鉄道999の鉄郎は実に多くのヒトとつながっていく。
ハーロック、エメラルダス、トチロー、メーテル。
それ以外にも行く先々の星々でありとあらゆる種類のヒトとつながっていく。

そして、そのヒトどうしすらもつながりを持っているってことを経験していく。

その経験の物語を通じて、俺たちガキンチョは同じ経験を疑似体験したってわけだ。

その経験のもとを作り出してくれた松本零士さんは逝ってしまった。

著作権に絡む話で様々な物議を醸してきたってのも事実だとは思う。

たださ。
今は、彼が俺たちの中に残してきたものに思いを馳せたい。

そうは思わないか?

なあ、あんたはどうだい?

あんたの中に残った松本零士さんの足跡ってやつは何がある?

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