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尊厳と食料

あんたもウクライナの悲惨な状況を伝えるニュースで心が下に向かっていく感じがあるかい?

映像から見る各都市への攻撃結果としての惨状は、もはやそれが「制圧」などではなく、「殲滅」でしか無いように感じちまう。

なんでこんな事になってしまったのか?

いや、なんで戦争が始まってしまったのかじゃなく、なんで戦争で都市が殲滅されるような軍事行動が必要になってしまったのかって話だ。

俺自身は軍事に対して専門的でもなんでも無いので、「これだ」って理由は言えるはずもないんだけれども、そう言えばって思って俺が今までに触れてきた物語の中にある言葉を拾ってみたら、実に今のウクライナの状況を示している言葉が出てきたりする。

今回はそんなセリフを思い出しながら、今の状況について考えてみる回だ。

まあ、あれだ。
俺らのような戦争を経験していないヒトが歴史や物語から思いをはせるってのも大切なことだとは思うんだ。
ちっと付き合ってくれよ。

尊厳と食料

俺の好きな作品にドリフターズというコミックがある。

いわゆる歴史上の人物たちが架空世界に飛ばされて、飛ばされた先でも終わりなき戦いを続けているって言うワリカシ救いのない話なんだが、その作品の中でこんなセリフがある。

尊厳が無くとも飯が食えれば人は生きられる。飯が無くとも尊厳があれば人は耐えられる。だが両方なくなると、もはやどうでもよくなる。
なんにでも頼る。

出典:ドリフターズ

このセリフは数々の侵略戦争を手掛けてきた織田信長が放ったセリフだ。

これさあ。
ウクライナで起きつつある状況だと思わないか?

ウクライナの尊厳と食料

ウクライナは完全に都市を破壊されてしまって、そもそも復興なんてものが出来る見込みを持てないほどになってしまった都市もある。
当然物流インフラも破壊されてしまっているので、備蓄の食料だけでは食いつないでいくことも難しい家庭や地域も出てくるだろう。

そこにロシアの勢力が手を差し伸べてきたら。
ヒトとして生きることを諦める事ができない以上、その地域の尊厳は失われ、ウクライナとしての国体を保てなくなるってのは想像に難くない。

実際、ロシア側に「捕らえられた」というニュースは流れているけれども、その捕らえられ方ってのはそう言う尊厳を陵辱したものも含まれているとすると、たまらない感じになるじゃんか。

ロシアの尊厳と食料

ロシア側でもこの尊厳の問題ってのは起きている気がする。

各国からの経済制裁は短期的にはしのげるかもしれないけれども、そもそもロシアは国内の食料自給率ってどんなもんなのか?

どうも、ロシアの食料自給率は100%近いってのが強みらしい。

なるほど。食べ物についてはロシアはある程度の期間は普通にしのげるってのが実態としてあるわけなんだね。

実際にどういうものをロシアが輸入しているのかって気になるよな。

建築機械(36.2%)、軽工業品(20.4%)、食料(16.7%)、化学品(7.5%)、鉄鋼(5.0%)

出典:Wikipedia

なるほど。
いわゆる経済規模を大きくするためのテコになるような部分を輸入に頼っているってことなんだね。

となると長期的にはジリ貧になるかもしれないけれども、短期的には食料は維持できているってわけだ。

では尊厳は?

ぶっちゃけて言えば、都市を「殲滅」してしまうような軍事行動を起こしてしまった「政府」に対して、そのことに尊厳を持ち続けるってのは容易なことじゃないと思う。

例えば今はロシア国内ではこの殲滅されてしまった都市なんて無いって報道だったり、破壊がロシアによってもたらされたものじゃないって報道だったりとあると思う。
そのいずれにせよ、破壊されてしまった都市ってのは現実にあって、その切っ掛けはロシア軍がウクライナに進行したことであるのは疑う余地もない。

その時にロシアのヒトが尊厳を失ってしまうとすれば、ロシアのヒトは織田信長が言うところの「飯が食えれば生きていられる」状態になっちまう。

そんなのさ。
悲しいじゃんか。
悔しいじゃんか。

ホントに誰一人幸せになってないじゃんか。
ウクライナのヒトも。
ロシアのヒトも。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちはどうやったらみんなで幸せになれるんだろうな?

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